1月も半ばを迎え、そろそろ「就職活動」についての相談を受けることが多くなる時期だ。そして、その中でも多い相談の一つが「エントリーシート」で落ちてしまったのだけれど、どうすれば通るか?という質問だ。
これについては、ある上場企業の採用担当者の話が参考になるかもしれない、と思い、話をさせて頂いている。
私が1年ほど前ご訪問したある会社で、「エントリーシート」についての話が出た時、その方はこう言った。
「安達さん、エントリーシートって、採用担当者は何を見ているか知ってますか?」
私はいくつかの会社で採用の手伝いをしたことがあったので、こう答えた。「そうですね、学歴、資格・スキル、学業の実績、自己PR欄くらいですかね。あとあれば写真などですか。」
「そのとおりです。ところで安達さん、我々はエントリーシートのどこを一番重視すると思いますか?」
「…?どういうことでしょう。」
「要は、エントリーシートの合否をどうやって決めているか、という話です。ご興味ありますか?」
「確かに、興味はあります。」
「何を見ているか、お伝えしましょう。」
そして、その方は次の条件を挙げた。
1.ルールを守って書いているか?
記入上の注意を説明会などで話しますが、それを守っているかは重要です。「ここへの記入は必須です」と言っているのに、書かない人や、「黒いペン、手書き」で書いてくださいと言っているのに、ワープロで書いたりする。そういったルール違反は、落とすための格好の口実になります。
中にはルール違反をしたけど優秀な人、というのもいるかもしれませんが、我々が必要としているのは、「ルールを守り、優秀な人」なので。あと、奇をてらう必要はまったくありません。
2.読み手を意識している、と思わせるような内容か?
書いてある話題は、なんだっていいんです。サークルの話でも、研究の話でも、どうせ我々に裏は取れません。でも、「読み手」を意識して書いてあるかどうかは一目瞭然です。
ダメなエントリーシートは、「自分目線」ですね。要するに事実を羅列してあるだけ。よく整理はできていますが、まったく面白みがない。よくできているエントリーシートは、「読み手を喜ばせよう」という意識が見えるものですね。「こんな面白いことを考えた」とか、「研究のここが新しかった」とか、要は読み手に「なるほど」と思わせようと努力しているかどうかは重要です。
3.自分なりの視点が入っているか?
どこかの就職支援サイトの「自己PRの文例」をコピペして貼り付けたようなエントリーシートをよく見ます。大体同じようなフレーズが多いんで、わかりやすいんですよ。そういったものは「また同じような物が来た」という印象しか受けないですね。落とします。
逆に、「これはいい」と思うようなものは、視点が少し人と違うエントリーシートですね。例えば去年目を引いたのは、まわりのみんなが「自分の強みはコミュニケーション能力があること」と書いているところをあえて、「コミュニケーション能力には自信がないし、本当はコミュニケーション能力など必要ないと思っている。でも、人と協力して◯◯という実績は残した。具体的には◯◯と言う活動をした」と書いてあったら、この学生はコミュニケーション能力がある、と思いますよね。
4.「実績」ベースで書かれているか?
「~したい」とか、「~と思っている」とか、そういった「願望系(と呼んでいます)」のエントリーシートはダメですね。ポエムを読んでいるみたいです。骨の太いエントリーシートは「◯◯をした。◯◯という活動を、◯◯という理由で行った。結果は◯◯だった」と、簡潔に、実績ベースで書かれています。こういうのは、判断しやすく、好まれますね。
5.読みやすいか?
読みやすさは内容に比べれば重要度は落ちますが、そもそもかなり読みにくいエントリーシートは読んですらもらえない、というのはありますね。適切な位置に改行を入れたり、箇条書きにしたり、読みやすい文章にしようという努力をしている人はそのサービス精神を買いですね。
あとは、結論から書いてあるかどうか、てにをはが正しかったりとテクニカルな部分も見ます。まあ、補助的な要素ですが、読みやすさは大きく変わるので。
6.資格・学歴など
学歴や資格は見ます。あくまでも内容を吟味した後、「同じような内容」であれば、学歴の良い方を採用すると言う形に過ぎませんが。まあ、同じような内容である時点で、本当はあまり通したくないのですが…。
と、いろいろ言いましたが、我々もエントリーシートでその学生のことがわかるなんて、思っちゃいません。篩の一つにすぎないので、仮にある会社で「落ちた」場合でも、別の会社でも落ちるかといえば、そうではないと思います。
でも、何社もエントリーシートで弾かれるようなら、エントリーシートに問題がある可能性もありますね。
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