各社の採用の状況をみると、理系が歓迎される傾向であることを、肌で感じる。これは、テクノロジー系の企業にかぎらず、あらゆる企業でそのような傾向にあるようだ。

最近ではほとんど、「理系はコミュニケーション能力が低い」、という採用担当者もいなくなった。実際、コミュニケーション能力の低い人は理系でも文系でも一定割合で存在している。

リクルートの方からも、「理系人気が最近かなり高まっている」と聞く。理由を聞くと、「数理的素養が、どのような職業でも求められるようになった」ということだ。

 

もちろん、文科省の資料を見れば、理系の学生は文系の学生に比べて3分の1程度しかいないので、「希少性」と言う意味で人気が高いのかもしれない。

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しかし、就職だけではなく、仕事についてからも「理系のほうが稼げる」と言う傾向もあるようだ。

 

神戸大学の西村氏によれば、理系出身は文系出身に比べ、平均年収が100万円程度高い。(PDF)

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また、昔よりもこの傾向は拡大しており、「共通一次試験」時代の人よりも、「センター試験」時代の人のほうが、数学を受験科目としているかどうかの格差が大きい。

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しかし、なぜこのような傾向にあるのだろうか。

ここからは推測にすぎないので、何とも言えないが、「文系で稼げる職業」が徐々に減りつつあるように感じる。

特にテクノロジーにより徐々に勢力分布が書き換わりつつある、マスメディア、出版、広告、金融など、「文系の花型であった職種」が、「理系人材」を欲しがるようになってきたためかもしれない。

 

また、文科省の政策としても「理系重視」に舵をとっているようだ。

国立大学が「文系廃止」を推し進める裏事情→安倍晋三首相の存在?

『東京新聞』9月2日付朝刊の「国立大から文系消える?文科省が改革案を通達」と題された記事ではこう紹介されている。

 「文部科学省は先月、同省の審議会『国立大学法人評価委員会』の論議を受け、国立大の組織改革案として『教員養成系、人文社会科学系の廃止や転換』を各大学に通達した」

事の真偽は分からないが、穏やかではない。

 

ただ、考えようによっては既に、「理系」「文系」という区分自体に意味は無いのかもしれない。実際、「文系」を選択する理由の多くが、「数学が苦手だから」という理由だからだ。

そのような理由で「文系」を選択した人は、理系でもなく、文系でもなく、単に「数学の苦手な人」である。だから、現状での「理系」「文系」の分け方はあまり意味のあるものではない。

 

また、数学やテクノロジー関連のの教育はもはや「一般教養」と言っても良く、この時代、あらゆる人が避けて通れないものと言っても良い。

そういう意味では「数学の苦手な人」は受難の時代に突入したのかもしれない。まあ、勉強しようと思えば、だれでも身につけることができる程度のことではあるので、「受難」は言い過ぎかもしれないが。

 

 

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(Photo:stuartpilbrow)