まんがで身につく 孫子の兵法 ((Business Comic Series))最近、マンガで読む◯◯というビジネス書のシリーズをよく見かける。ちょっとアマゾンで検索するだけでもかなりの数が出てくる。

 

例えば、孫子。

あるいは、ザ・ゴール。

あるいは、7つの習慣など、いくらでもある。

 

結構な数を買って読んでみたが、いずれの本もかなり良く出来ている上、分かりやすい。こんな難しい本が、よくこのようにわかりやすくなった、と感心する本が数多くある。

だから、タイトルを見て誤解しないでいただきたいのであるが、「漫画で読むのはやめるべき」などというつもりは全くない。というかマンガであっても原著であっても、読まないよりも読んだほうがよいのは間違いない。

 

だが、敢えて言えば「マンガから入る」のではなく、できれば「原著」から読んだほうが良いのではないかと思うこともある。これには幾つかの理由がある。

 

 

1.マンガはあくまでも「著者以外の誰かの目から見た要約」である。

「マンガで読む◯◯」は、マンガの作者が「重要である」と思った部分を原著から抜き出している。だからその重要性を判断をしているのは、原著者ではない。

だから、このような本を読むときには、著者の意図・解釈とは異なるかもしれない、と考えて読む必要がある。最悪「間違った解釈」を信じてしまう可能性もある。

マンガはあくまで「離乳食」のように消化しやすく誰かが加工したものである。

 

2.エッセンスだけを読むと「分かった気」になってしまう。

上に紹介した中に「ザ・ゴール」という名著がある。その中に原著者の代弁者として、主人公のアレックスにアドバイスをするキーパーソンがいるのだが、意味深な台詞がある。

「アレックス、もし私がすぐに答えを教えてしまったら、君はきっと失敗するに違いない。成功したいなら、自分自身で考えて実行しなければならない」

実際、何かを教えてもらう時にいきなり答えを教えてもらうと、「自分の血肉にならない」ということがよくある。(参考過去記事:上司は聞かれた質問に答えなかった。が、部下は皆育った。)

マンガはスペースの都合上、その結論に至るまでの過程を省略し、答えだけを書く傾向にある。読者は、答えに早くたどり着きすぎると、自分で考えることを省略してしまう。

特にザ・ゴールのように概念をきちんと理解しなければならない本は、主人公が考えをまとめていく過程にこそ価値がある。

主人公と一緒に悩むから、きちんと知識が入ってくる側面もあるため、単に「分かった気になる」だけで終わってしまっているかもしれない。

 

3.文字で読まなければ、いつまでたっても文字を読むのがうまくならない。

世の中には、マンガになっていない知識のほうがはるかに多い。だが、マンガに慣れてしまうと、文字で読むのが非常に億劫になる。

誤解のないように繰り返すが、「漫画を読むのは駄目だ」とか、「マンガは原著に劣る」とか、そういったことを言うつもりは毛頭ない。マンガと原著に優劣はない。だが、本をある程度読める人が「マンガから無条件に入る」のは、どう考えてももったいない。

折角良い本を原著で読むチャンスが有るのなら、そちらからチャレンジしてみて、ダメだったら漫画を読み、また本に戻るなど、工夫をしてみてはと思う。そうすることで、本を読むのがどんどん上手くなる。

 

4.語彙や文章力の向上が期待できる

おまけみたいなものであるが、意外に大事だろう。

当たり前だがマンガに比べ、文字の本は語彙が豊富である。昔は辞書を引くのが面倒でいちいち言葉を調べないこともあったが、最近は電子書籍では辞書機能がついているため、タップするだけでその言葉の意味がわかる。

また最近ではメールなど文章を書く機会が多いが「文章力」は「良い文章」を見なければ身につかない。本はそのための教科書として使える。

 

 

とはいえ、マンガの方もかなり良く出来ているのは間違いない。文字で読んだ時には気づかなかったことや、マンガの著者の視点も勉強になる。

私としては、記憶の定着にも良いので「両方読んでみては」と思うが、いかがだろうか。

 

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(2026/11/5更新)