今まで、あなたの血液型は何型?と聞かれたことのない人はほとんどいないだろう。
そしてそれは、血液型によって性格が分類できるとという考え方が広く信じられていることと相まって、『A型です』と答えると、『じゃ、几帳面なんですねー』などと、言われる現象がある。
少なくともイギリスのBBCにとっては、この現象は非常に滑稽らしく、それを揶揄するような報道も有り、「血液型による性格分類」一種の民間伝承のようになっているとも言える。
さて、実際に血液型によって性格が分類できるか、という議論に関しては「否」だろう。科学的根拠も示されておらず、まして人間が単純に4種類の正確に分類できるなどという話は、にわかに信じがたい。
実際、血液型に関する番組に対して、BPO(放送倫理・番組向上機構)は『根拠なし』と言っており、このような差別的報道をするべきでないとの見解を示している。
にもかかわらず、血液型の占いを話題として持ちだしたり、そのような本を購入したりする人は非常に多い。これはなぜなのだろうか?面白い現象である。
いくつかの理由があろうが、主なものは以下であろう。
1.単に共通の話題がほしい
日本においては、信じているか、そうでないかにかかわらず、『血液型による性格分類』の知名度は非常に高い、よく知られている話である。天気の話や、上司の愚痴などと同じく、話題に困ったときのトピックとして使われている。
2.「格付け」が好きである
「格付け」が好きな人は非常に多い。レストランや学校、会社など、格付けの対象は無数に存在し、雑誌などにおいても頻繁に『本当に稼げる会社100』のような特集が組まれている。また、2ちゃんねるなどの匿名掲示板においても、格付けの話題はほんとうに多い。
現象としてはそれと似ている。血液型のどれかに人を「格付け」することが楽しいのだ。星座による性格分類も似ているが、血液型は4種類しかないので分かりやすさが広く受け入れられたのだろう。
3.科学的根拠は関係なく、「私がなんとなく当たっていると思うから」
「身の回りを見ると、当たっていることが多い」という人もいる。自身の経験則の中でその分類によって恩恵を受けた、という人もいよう。そのような人も血液型による性格分類を支持する。
もちろん、何を信じるかは個人の自由である。
4.血液型分類が診断したように、人に行動させたい、もしくは自分が行動したい
「自己成就予言」という言葉がある。社会心理学の用語と言われているが、「予言をした者もしくはそれを受け止めた者が、予言の後でそれに沿った行動を取る事により、的中するように導かれた予言の事」とされている。
血液型による分類も、自分に言い聞かせれば、あるいは人に言われ続ければいずれ本当にそのようになっていく可能性がある。そういう意味では、血液型診断は「理想の自分」を投影している。
余談だが、このように見ていくと、「ひょっとして人事もこのようにやっている会社があるのでは?」という疑問がふと浮かんだ。「評価」や「採用」も、客観的な根拠をきちんと示すことが出来なければ単なる血液型診断と同じだ。気をつけなければならない。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)