8633086232_a7b2552d60_z先日ある経営者の方と話をした時、「人脈自慢」の話題となった。彼は経営者の会合などに行くと、人脈自慢が多く辟易しているということだ。

「人と話すと、結構な割合で、「人脈自慢」が飛び出す。どうしても「◯◯さんと知り合いである」ということを誇りたくなってしまう気持ちが、抑えきれない人は多いのではないだろうか」

と、彼は言う。

 

ただ、自分の敬愛する人の話を、ぜひ目の前の人にも知ってほしい、という純粋な気持ちからの場合もあるから、必ずしも人脈自慢が悪いこととは言い切れない。

だが、聞いている人にとって必ずしもあまり心地よいものではない。それは、「あの人の人脈自慢が鬱陶しい」という陰口が多いことからもわかる。

したがって「人脈自慢」は、基本的に見苦しいものであると認識し、相手にとって本当に必要な情報である時以外は自重するのが、大人の態度、というやつであろう。

 

彼に

「自慢をしないよう、どのように自重しているのですか?」

と聞くと、人脈についての話をしたくなったら、次のことを思い浮かべる、と回答していただいた。

 

1.その人脈は、相手にとって役立つものか?

目の前の方は、自分に関係ないあなたの人脈など、どうでもいいのである。会話を盛り上げたいなら、余計な話はしない。

「あの政治家と知り合いで〜」と言った話は、基本的に面白い話ではない。仮に「その方を紹介してもらえますか?」と聞かれた時、紹介できるような方の話でなければ、持ち出すのは無駄だ。

 

2.紹介される側にメリットがありそうか?

人脈の話を持ち出すときは、まず目の前の話し相手にとってメリットがあることを考えなければならないが、さらに、紹介される人にとってもメリットが生じることが肝心なのは言うまでもない。

 

3.自分の虚栄心から出る話ではないか?

人は虚栄心には敏感である。相手に「すごい」と思われたくて持ち出す話は、残念ながらすぐに自分の見栄を見抜かれる。それは、お互いの関係にとってあまり良いことではない。

 

4.目の前の人とのつながりを一番大事にする

この場でもっとも重要な人脈は、目の前の人とのつながりだ。他の人を持ち出すのではなく、目の前の人の話を聞くのが最も有意義である。

 

 

では、「人脈自慢」を自重していらっしゃるのですね、と尋ねると彼は

「いやー、失敗も多いですよ」

と、正直に言っていただいた。まあ、それが人間である。

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


ウェビナーバナー

▶ お申し込みはこちら(東京都サイト)


こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい

<2025年7月14日実施予定>

投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは

借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである

2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします))

・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Books_Apps

・大学・研究の楽しさを伝える、【大学探訪記】をはじめました。

【大学探訪記 Vol.15】起業イベントで出会う大学生ってどんな人か?

【大学探訪記 Vol.14】建築材料ならお任せ!俺たちコンクリート研究チーム。

【大学探訪記 Vol.13】ビルやダムなどの巨大なコンクリート構造物を長持ちさせるにはどうしたら良いのか?

・仕事の楽しさを伝える、【仕事のチカラ】をはじめました。

【仕事のチカラ Vol.1】「新しい働き方」を演出していく。そんな仕事です。

・ブログが本になりました。

「仕事ができるやつ」になる最短の道

「仕事ができるやつ」になる最短の道

  • 安達 裕哉
  • 日本実業出版社
  • 価格¥1,540(2025/06/04 13:47時点)
  • 発売日2015/07/30
  • 商品ランキング110,823位

 

 

 

 

(Photo:Livin’ Spoonful)