仕事のチカラ

いまや競争に次ぐ競争の「オウンドメディア」。多くの資本と人材を投下しても、なかなかうまくいくものではありません。そんな中、1年で170万PVものオウンドメディアを作り上げた一人の若手がいます。

「Webマーケティングの大衆化」を掲げ活動するメディア、ferretの編集長、飯髙悠太さんです。

来期の目標である、登録会員50万人に向け日々奮闘中の飯髙さんにお話をうかがいました。

−ferretというメディアは、どのようなメディアなのでしょう?

私たちは「Webマーケティングの大衆化」を掲げて活動しています。その中核に位置するのがferretです。

現在Webマーケティングの業界には、専門家が個別にいますが、ワンストップで全てについて語れる人は殆どいません。ところがWebマーケティングに取り組んでみると、断片的な知識は使いこなすのがとても難しい。

そこで、Webマーケティングを総合的に学ぶことができる、誰でもferretを見れば50点、60点はとれる、そういうメディアを目指しています。

ferret フェレット |webマーケティングがわかる・できる・がんばれる

具体的に、どのような方に見て欲しいと思っていますか?

特に意識しているのは、中小企業のWeb担当者です。また、消費者行動はWebにシフトしていますから、九州の酒屋さんや新潟のお米やさんなど、地方の個人商店の方々がWebを活用したいと思う際に見てもらえるよううなメディアになりたいと思っています

 

 

どのようにメディアを成長させたのでしょうか?

では、順を追ってお話をしようと思います。

私は2014年4月に入社したのですが、社内ではすでにferreのメディア化に向けたプロジェクトは既に進行していて、メディアのリリースまであと1ヶ月半、という直前期でした。

当時は社内にメディアの立ち上げ経験者は一人しかおらず、しかもコンセプトも固まっていませんでした。そこで私は「一旦全部やめよう」と提案しました。

きちんと最初から設計する必要があると思ったのです。

 

 

その後、どのようなことをされたのですか?

特別なことは何もしていません。地道にコツコツやっただけです。まずはマーケティングの原点に帰りました。例えば、ペルソナ設計を深掘りするなどです。

ferretのペルソナの一例は、こうです。

“20人位の会社で、3億程度の売上を持っている会社に所属しており、Webのニュースといえば、GoogleやYahoo!で調べて検索上位にいる記事を読む、またはスマートニュース、グノシーをはじめとしたキュレーションメディアを見ているような方”

そこから出発し、その方の悩みを解決できるメニューはなんだろう、ということを突き詰めて考えました。

 

そして、やれるだけのことをやっています。例えば動画コンテンツを入れたり、会員がコミュニケーションをとれるリアルな場を作る、著名人が監修したコンテンツをつくったりするなどです。

あるいは世の中のプレスリリースにおいてferretユーザーの為になるリリースを拾いまくる、ということもやりました。その甲斐あって、今ではPRTIMESと提携するに至っています。

 

 

質の高い記事を数多く作らなければ、人は集まらないかと思いますが、どのように質と量を担保されているのですか?

まず量ですが、今は3人体制で、1日あたり5本記事を出しています。

ただ私は「読まれなければ意味が無い」と思っています。出せば良いというわけではありません。読まれるかどうかが、記事の質の良し悪しを判断する一つの基準です。

なので、リリース当時はライターの経験が比較的浅いこともあり、記事の質をあげるために徹底的な仕組み化をしました。

記事の質に関しては、その記事がどんな人に向けたもので、その人にとって役に立つとか共感できるってことが重要です。

 

 

具体的にはどのような仕組み化をしたのですか?

がっちりとレギュレーションを決めていました。キーワード、対象、言い回しなどなど、かなり細かいルールを決めています。記事の様式も決まっています。

 

 

なるほど、それはすごいですね。逆に困難なところなど、ありましたか?

お恥ずかしながら、一番難しかったのは、社内のコミュニケーションだったと思います。とくに上の方々との話が難しかったです。

「僕がやらないとこのプロダクト失敗する。僕に委ねたほうが、圧倒的に正しい。」と自分の考えを信じましたね(笑)一般的に世の中って、それなりの地位についたりすると社内政治を始める人がいるんですよね。

まー偉いとか関係なくても、会社にあわせるとか。僕はそれ、一番無駄だと思います。社内なんかでどんなに偉くなっても、大した話ではないでしょう。

必要なのは社外に目を向けて、アウトプットをぶつけてみることです。例えば、若いとき友達グループの中のリーダーみたいな人って、他とも仲良くするタイプとその中で偉くいるタイプっていたと思うんですよ。これって圧倒的に前者のほうが魅力的ですよね。

 

飯髙さんのもとで働くメンバーは大変そうですね(笑)

そうですか?まあ仕事には厳しいけど、基本怒ったりしないですよ。あ、だから逆に冷たいっておもわれるかもです(笑)

例えば、必ず納期以内に80点くらいのものを返してくれる人がいます。普通の成果を求めるのであればそれでもいいかもしれません。

でも本当はガンガン私に食って掛かってくる、120点くらいのものを持ってきてくれる、「いい意味で裏切る人」が好きです。こーいう人って少ないですよね。

だから、「徹底的にパクれ」と指導しています。先人が作ってきたものがあります。売るものやアプローチは変わっても基本的なことは変わってないですし、繰り返しています。数字が取れたら初めて、自分のエッセンスを入れれば良いのです。

そういったことをメンバーに伝えるため、メディアの立ち上げ当初は毎日朝2時間、ミーティングをして伝えていました。正直に言うとミーティングは大嫌いなのですが、そこには時間を使いました。

結果が出たら、コミュニケーションは不要になりますので、それまでの辛抱です。

 

 

成果をあげるために重要な事はなんでしょう?

「容赦なく、やめること」だと思います。よく私は「やったことを可愛く思うな」と言っています。

 

 

成果を出すために「やめる」と言うのは、面白いですね。

「やめる」というのは大事です。実は私、プロサッカー選手になろうと思っていたのです。かなり良い所まで行き、今の日本代表クラスの選手たちと一緒にやっていた時もありました。

ですが、彼らのあまりのレベルの高さに驚愕しまして…こりゃ勝てないな、と。そして、キッパリとサッカーをを辞めました。今振り返ってみても、その判断は圧倒的に正しかったと思います。

仕事も同じです。「1カ月で、この数字いっていなければ、容赦なくヤメる。」と言った判断は大事です。

 

 

この業界は、ご自身で会社をやられる方も多いと思いますが今後の展望をお聞かせ下さい。

よく言われるんです。「自分で会社をやらないのか?」って。

でも、私はやりません。私はおそらく「永遠の2番手」「乗っかるタイプ」であって、いうなれば高橋由伸のような人物でいたいのです。今は監督になりましたが。好きな人物は諸葛亮孔明です。(笑)

だから、何かをやる気持ちがある人、ビジョンがある人といっしょに働きたいですね。「車を走らせてくれ」って言う人がいれば、僕は運転できる。人から言われたことを、自分なりにアウトプットするのが好きなんです。

あ、でも時間や場所には拘束されたくないんです。サラリーマンには向かないですかねえ…。

 

 

飯髙さん、ありがとうございました!Webマーケティングご興味のある方はぜひ、ferretを覗いてみてください。

 

 

 

【お知らせ】
弊社ティネクト(Books&Apps運営会社)が2024年3月18日に実施したウェビナー動画を配信中です
<ティネクトウェビナー>

【アーカイブ動画】ChatGPTを経営課題解決に活用した最新実践例をご紹介します

2024年3月18日実施したウェビナーのアーカイブ動画です(配信期限:2024年4月30日まで)

<セミナー内容>
1.ChatGPTって何に使えるの?
2.経営者から見たChatGPTの活用方法
3.CharGPTが変えたマーケティング現場の生々しい実例
4.ティネクトからのプレゼント
5.Q&A

【講師紹介】
楢原一雅(ティネクト取締役)
安達裕哉(同代表取締役)
倉増京平(同取締役)



ご希望の方は下記ページ内ウェビナーお申込みフォーム内で「YouTube動画視聴」をお選び頂きお申込みください。お申込み者にウェビナーを収録したYoutube限定動画URLをお送りいたします。
お申込み・詳細 こちらティネクウェビナーお申込みページをご覧ください

(2024/3/26更新)

 

 

【バックナンバー】

【仕事のチカラ Vol.6】商売好きの小学生は、大人になったら起業してしまいました。

【仕事のチカラ Vol.5】データサイエンティストって、どんな人?どうやったらなれるの? という疑問に答えてもらいました。

【仕事のチカラ Vol.4】何をやるかを決めずに、気の合う仲間と起業する。そんな人生もいいじゃない。

【仕事のチカラ Vol.3】プログラミングを独習し、その勢いで独立した、28歳の凄腕プログラマーの話。

【仕事のチカラ Vol.2】破天荒な26歳が起業したネタは「靴磨き」

【仕事のチカラ Vol.1】「新しい働き方」を演出していく。そんな仕事です。