能力の高い人にこそ、営業をお薦めしたいと思うのだが、新卒の中には「営業は嫌だ」という人が結構いる。

「なぜ営業はイヤなのか」と聴くと、ドラマやマンガの中で顧客にペコペコしている、ステレオタイプな営業のイメージがあるからだそうだ。

足を棒にして顧客を回る姿から「キツそう」という事を言う方もいる。

 

おそらく、それらは誤解である。

ペコペコしている営業は、むしろ「できないほう」の営業であって、営業の本質を正確に表してはいない。また、ただ何も考えずに足を棒にしてお客さんのところを回っても、まず注文はもらえない。

あれは、一部の営業の姿を面白おかしく取り上げているだけである。

 

 

営業活動は、間違いなく仕事の中で最も面白いことの1つだ。だが逆に、見方によっては最もつまらないことの1つでもある。

なぜか。

それは、営業が個人の能力や努力が反映されやすい仕事だからだ。当然のことながら、成果が出れば営業は面白く、成果が出ない活動は全く面白くない。

また、漫然とやるのと考えてやるのとではかなり成果に差が出る。1億円の売上を簡単につくる人もいれば、全く何も売れない人もいる。

 

そう考えれば、「プログラマーの生産性において、できる人とできない人の差が100倍ある」といった話があるが、営業はもっと大きいかもしれない。

 

 

 

では、営業の本質は何か。何をすれば成果が出るのか。基本的な考え方は

 

営業の成果 = 商品が良いか × あなたに魅力があるか × たくさん行動したか × (本人の工夫)

 

まず「良い商品は簡単に売れる」という事実がある。たまに「商品は関係なく、どんなものでも売れます」という人がいるが、それは商品が良ければもっと売れるのである。

多分、この世で最も楽で、儲かる仕事は「良い商品」の営業である。商談はハズむし、お客さんもニコニコ。こんな楽しくて、お金ももらえて、最高ですね!といいたくなる。

 

もし「オイシイ仕事」が欲しかったなら、迷わず、いい商品を持つ会社の営業、に応募すべきだ。

また、「売る商品を選ぶ権利」や「商品に口を出せる権利」が与えられているのなら、迷わずそれを行使すべきである。

なにせ「何が売れるか」は営業が一番良く知っている。

 

 

しかし、である。残念ながら「良い商材」は数が少ない。だからよく言って、多くの商材は「普通」か「ちょいワル」くらいが関の山である。

 

そこで営業は、次の「魅力的人物となること」に傾注するのである。

お客さんは商材の良し悪しの判定が難しくなればなるほど、一部の例外を除き「営業が信用出来そうか」で、買うかどうかを判断する。

「コンサル」や「教育研修」、あるいは「システム」など、無形のものは特にその傾向が強い。

 

そして、それの最たるものが「保険」である。保険は形がない、法的な縛りにより差別化しにくく、そして金融商品というわかりにくいものである。したがって「保険」は営業の良し悪しで売れ行きが決まると言っても過言ではない。

だから保険の営業パーソンは「人好きのする人物」「かわいがられる人物」が多いのだ。

 

 

さて、商品も平凡で、かつあなた自身も突き抜けて「人好きのする人物」でないとしよう。その場合は「行動力」で差がつく。

先日の以下の記事にも書いたとおり、「継続して行動すること」が得意な人は殆どいない。

「つまらない仕事」をあえて狙って継続しましたよ、という営業の話。

「いや、私はそんなに機転のきく方でもないし、学歴もいいわけじゃないのでね…まともに社内で競争しても、多分出世できなかったと思うんです。」

「なので、私は敢えて「頭のいい人達がやらないこと」をやろうと思いましてね。……いや、たいしたことじゃあないですよ。単純です。「つまらない仕事」をあえて狙って継続する、ってだけなんです。」

たしかに彼は特に好かれるタイプでもないし、扱う商品も平凡だ。だが、彼の愚直な行動は、非凡な結果を生み出した。

手紙を書いたり、電話をしたり、お客さんにおみやげを持って行ったり、そう言った細かいことの積み重ねで結果が大きく変わる。

 

 

さて、商材も普通、特に好かれるタイプでもなく、行動量にも自信がない……という八方塞がりの人はどうすべきなのだろうか。もう営業としては絶望、向いていないのだろうか。

実際にはそうとも言い切れない。後はカッコ書きにしてある「本人の工夫」次第となる。

 

例えば、ある営業は自分なりに「業界分析資料」を作って、お客さんの仕事を手伝っていた。

例えば、別の営業はお客さんの「棚の陳列」を手伝って、感謝された。

例えば、お客さんと「ゴルフ」「釣り」「飲み」を一緒に楽しくやることで仕事を貰う人がいた。

 

つまり、営業の本質は「自分の得意技を顧客のために活かすこと」に他ならない。すなわち一種の「自己実現」といっても良い仕事だ。

 

 

学生の中には「自己実現したい」という方も数多くいる。営業はその一つの選択肢としてとても良いのではないだろうか。

 

 

【お知らせ(PR)】

東京都産業労働局 からのご案内です。

東京都の公的サービス「デジナビ」が都内の中小・零細企業や個人事業主に対してIT導入補助金、デジタルツール導入助成金のご提案をお手伝いします


【都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業】
都内中小企業に対し1社につき1人専任の「ナビゲーター」がデジタル化のアドバイスを行い、経営課題の解決に向けた最大5回のサポートを無料でおこなうものです。


業種別デジタル化成功事例を公開中
<医療業>  クラウドストレージを導入し、業務に必要な情報を共有化
<運輸業>  デジタルとアナログの両輪体制による健康経営への道
<卸売業>  クラウドサービスの活用で全国の情報交換が円滑に
<建設業(建築)>  システム導入で本来の仕事に専念
<建設業(設備)>  ICTの活用で残業のない働き方を実現
<建設業(土木)> 設計から施工まで一気通貫でICTを導入
<製造業> デジタルサイネージで従業員との熱意をつなぐ
<不動産業> 効果的なICTを実現し、顧客視点の全員参加経営へ
<福祉業> 医療連携と最新のICTで利用者の健康を守る
<飲食業> POSレジとキャッシュレスツールで作業負担を軽減


詳細は東京都産業労働局サイト都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業をご覧ください。
お申込みフォーム→ 都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業 参加申込ページ

(2024/1/22更新)

 

 

・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします))

・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Books_Apps (フェイスブックではシェアしない記事も扱います)

・ブログが本になりました。

【お知らせ】

当メディアは書き手を募集しています。実名、匿名のどちらでも可ですが、長期的に記事を書いていただける方が望ましいです。

・テーマ

原則自由ですが、必ず「体験談」もしくは「事例」を含んだものとしてください。当メディアは文章の巧拙よりも「書き手の人間性が読み取れること」を重視しています。

・その他

報酬はご経験、記事の質などにより、個別に設定しています。

・応募方法

blogあっとtinect.jpまで、簡単な経歴、応募動機およびこれまでに執筆した実績(ブログ、記事など)が確認できるリンクをお送り下さい。採用の可能性がある方へは1週間以内にご返信致します。

(Francis Toms)