視野が広い人とは、どのような人だろう。私はよく「視野が狭い」と言われる。私の書く文章も「視野が狭い文章だ」と言われることがある。私のどのような点が視野の狭さを露呈しているのか、逆に視野が広い人はどのような点から視野が広いと思われているのかについて考えたい。
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私が「視野が広い」と思う人の特徴は、下記4点だ。
1:偏見がない
これまでに残念だな、と思った感じた発言を思い出してみる。
・見た目がみすぼらしい人を見て「犯罪者かもしれないから近づかない方がいいよ」
・「コンビニで働く外国人は仕事ができない」
・「女の子だから、結婚したら会社を辞めるでしょ」
・「学歴が低いやつは仕事でも使えない」
中には、その傾向がある、というものもあるのかもしれない。でも、その傾向を“参考にする”のと、それが全ての人に当てはまると“決めつける”のでは、大きく異なる。後者の場合は、その人個人と向き合うことをしなくなり、様々なことが固定観念に基づいて判断されてしまう。それではなかなか視野が広がらないだろう。偏見や固定観念を取っ払うことは、視野を広げる第一歩になると思う。言い換えると、視野が広い人に欠かせない一要素が「偏見がないこと」だということになる。
2:自分を客観視している
これは自分自身を例に挙げる。私は視野が狭いと言われることがある。その原因は複数あるだろうが、主なものとして「自分を客観視することができない」点があると思う。
自分が他人からどう思われているか、どのように映っているのか、自分の言動が他人にどのように影響を与えているのかを、一歩引いた場所から見ることができるかどうか。これらが客観視できるか否かのポイントだが、私はどうやらこれらのことが苦手らしい。「自分の中の狭い世界の中でしか語っていない」とのこと。
確かに、自分語りをしたところで、他人は「それがどうしたの?」としか思わないし、自分の思いをつらつらと述べるだけでは「で、何が言いたいの?」と思われるだけだ。それを聞いた相手がどう思うか、相手は何を求めているのかを考えられるようになると、視点が自分から相手側にスライドし、視野が広くなるのだろう。自分を客観視することができると、自分だけの視点ではなく、他人の視点も入ってくるため、結果的に視野が広がっていく。『相手から見た自分』という視点が完全に抜け落ちているため、意識する必要があると思い始めた今日この頃だ。
3:他人の価値観、考え、意見を受け入れる
ある会社の社員同士が、こんな会話をしているのを聞いたことがある。
「うちの上司は、必ず俺たちに意見を求めてくれる。『プロジェクトを誰に任せたら良いか』とか『新規契約を結ぶかどうか』とか」
「良い上司だな」
「と思うだろうが、実は違うんだ。意見を求めるものの、その意見が考慮されたことは一度もない」
「それなら、何のために意見を求めているのだろう」
「意見を求めた、という体裁をとることが大事なんだろうね。意見の内容はどうでもいいと思っているんだよ、きっと」
意見を求めた上司は、意見を求める前から自分の中で答えが出ている。形式的に周囲の人に意見を求めるものの、結局どんな意見が出てきたとしても、自分の中に出ていた最初の答えでしか先に進めないのだ。このような人は、視野が狭い考え方しかできないと思う。
4:経験豊かで様々な世界を見てきている
経験値の問題だと言ってしまうと身も蓋もないと思われてしまうかもしれないが、やはり視野の広さと最も強く関わっているのは経験値、見てきた世界の広さだと思う。
視野を広げたいのなら、考え方を変える、知識を増やすといったことも大事だが、様々な経験を積み、様々な世界を実際に目で見ることが最も近道なのではないだろうか。
視野の狭い私が言ったところで説得力がないかもしれないが、私がこれまでに出会った「視野が広い」と思った人は、経験豊かで、多くの世界を見てきた人だった。
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名前: きゅうり(矢野 友理)←名前をクリックすると記事一覧が表示されます
2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。
著書「[STUDY HACKER]数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ数学勉強法」」(マイナビ、2015)
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