どうも、Books&Apps編集部の大島です。

 

突然ですが、「仕事ができるやつは週末カフェで、ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』を片手に必ず一人で静かに振り返りを行っている」という都市伝説を聞いたことはありませんか。 

私はあります。というより、実際にそのような人材に遭遇したことがあります。

 

その人は新人賞や年間MVPなどのあらゆる賞を総なめにし、最年少でマネージャーへと昇格していきました。 

まさにミスター自己啓発とも呼ぶにふさわしい人材です。彼の口癖は「成長」。たまに成長すること自体が目的化してしまった成長オタクみたいな人を見かけますが、彼は違いました。自分の成長を、ちゃんと組織の成長に還元しているような人でした。

 

そんなミスター自己啓発が成長するために実行していること。それが毎週の振り返りミーティングでした。 

具体的には、まず毎週の目標を立て、それを実行するためのTo Doリストを書き出します。平日はTo Doリストの内容を実行することに集中します。

土曜日には目標を書いた手帳とTo Doリストを見比べて、何が出来たか、何が出来なかったのかを洗い出します。出来なかった項目については、なぜ出来なかったのか、改善するために何をすべきかなどを考え、翌週に備えます。 

 

「目標を持たないヤツは休めないぞ」と言っていた先輩の話。

 「いいか、仕事ってのは、漫然とやったらかえって長引いてつらいんだよ。どこまでやったらいいかわからないからな。だから「皆が休んでないから」って、休まないんだよ。

逆に自分はここまでやったら勝てる、っていうラインを自分で引けるから、休めるんだ。

「目標があるから休める?」

「そう。考えてみれば、当たり前だ。「50件やったら休もう」っていう人は、うまく休める人。「皆が帰りだしたら帰ろう」って言う人は、休めない人。後者は要するに、自信がないんだな。」

「そんなにちがうもんですか?」

「ちがうね。」

「正直、俺は仕事が対して好きじゃない。でも、成果にはこだわっている。休みたいからな。」

 

偉大な経営学者であり、Books&Apps編集部メンバー全員がリスペクトするP.F.ドラッカー大先生は、成果をあげるためには「行動や意思決定がもたらすべきものについての期待を、あらかじめ記録し、後日、実際の結果と比較」することが必須だと言っています。

 

成果をあげる人に共通しているのは、自らの能力や存在を成果に結びつける上で必要とされる習慣的な力である。(中略)私の知るかぎり、知能や勤勉さ、想像力や知識がいかに優れ用と、そのような習慣的な力に欠ける人は成果をあげることができなかった。

 

つまり、元々生まれ持った素質や能力だけでなく、“成果をあげる習慣”を身につけることによって成果をあげることができるというのです。

 

習慣を設計しよう。そのための6つの施策。

1.「習慣化したいこと」を強い制約に従属させる

2.「習慣化したいこと」は具体的でカンタンな形にする。できれば詳細に記述する。

3.習慣に関連するものが、自然に眼に入るようにする

4.入学、転職、引っ越し、入会、参加などの転機を利用する

5.実行可能なレベルまで目標を下げ続ける

 

仕事ができる人たちは、この成果をあげる習慣が何よりも大事だということをわかっています。そして、習慣にするための努力を惜しみません。最初は大変でも、一度習慣になってしまえば負担にはなりません。朝起きたら歯を磨くくらい自然にできるようになるはずです。だって習慣ってそういうことですからね。

 

 「コツコツ努力できる人」は前向きでも、モチベーションが高いわけでもない。自動的に動いているだけ。

なぜなら、一つの習慣を長く続けているひとに

「すごいですね、よく続けられますね」と聞くと、大抵の場合

「いや……やらないと気持ち悪いので」

という答えが返ってくるからだ。

かれらは実は、前向きでもモチベーションを高く保っているわけでもない。たんに「気持ち悪いから」という感情によって自動的に動いているだけなのだ。だから続けられる。

 

普段は忙しくてなかなか振り返りの時間を取れないという人もいると思います。そんなあなたも、この夏休みは上のコラムを参考に、どこかでゆっくり自分を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


ウェビナーバナー

お申し込みはこちら(東京都サイト)


ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。

<2025年7月14日実施予定>

投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは

借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである

2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

(photo byAndrea Addante)