タイトルで完結しているんですが。

 

「結婚式面倒くさい、やりたくない」って言ってる人を身近で観測したことが何度かあります。

つい最近でも一件ありました。まあ、ケース数でいうと5,6例とか、せいぜいそんなもんです。

 とはいえ、私の周辺がそこまで特殊な人たちだとは思いませんので、「結婚式、やることはやるけど面倒であんまり関わらない」人というのはそれなりの数がいるのだと思います。

 

観測範囲内では100%男性で、同じく100%式の段取りやら企画やらを殆どすべて奥様任せにしていて、それ面倒くさがる要素あんまりないんじゃないですかと思ったものですが、中身を考えるのも面倒くさいから奥様任せにしているとか、そういう話なんでしょう。

段取りを整えるのが面倒くさいのか、式当日が面倒くさいのか、まあ多分両方なんだろうと思いますが。

 

いや、例えば「結婚式は金がかかるからそもそもやらない」とか、「式は不要だから写真だけ撮る」とか、「結婚式やらない」っていう選択肢に夫婦二人でたどり着くなら、それ全然アリだと思うんですよ。

片方の意見だけでそうなっちゃうとしたらあまりよくないかも知れませんが、いずれにしても「式しない」という選択自体はなんの問題もないと思います。「結婚」と「結婚式」はイコールでもなんでもない。好きにしましょうって話です。

 

ただ、「結婚式はする」けど「面倒だからあんまり関わらない」というのは色々勿体ないなあ、と思ったりするわけです。

なんでかというと、結婚式というのは、

「プロにアドバイスを受けながら、自分主催のイベントを好き勝手デザイン出来る」

「しかも、いろいろ勝手なことをやってもめでたい場だからあんまり怒られない」

という、人生においてもめちゃくちゃ希少なイベントだから。

 

ついでに、

「あるイベントについて夫婦で意見を出し合って、企画を完成させていく」

というのは、その後夫婦生活で不断に必要になる、夫婦間での相談の絶好のモデルケースになるから。

 

 

しんざきが結婚したのは2004年でして、当時25歳だったと思います。同期では割と早めに結婚した方でした。

結婚式というのもまあ滅多にできないイベントではありますし、普通にやってると人生一回しか機会はなかったりします。折角なのでやりましょうかということになりまして、式場探しやら招待客の選定やら、まあ二人で色々考え始めました。

 

幸い二人とも、働いているのがあんまりしがらみがない職場だったので、身内と親しい友人だけでやろうかという話になりました。

どうせ身内でやるんなら色々楽しい、ないし楽しんでもらえる式にしましょうか、ということになりました。別に定番通りのことにこだわらなくてもいいよね、ということにもなりました。

テーマは、「自己満足?自分を満足させられないヤツが、誰を満足させられるんだ?」です。

 

 

で、めぼしい式場を幾つか二人で回ってみたりもしたのです。

この時使った式場って、実はもうないんです。しんざき家には、「節目節目で使った店や場所がなぜか頻繁に潰れる」という謎のジンクスみたいなものがありまして、高輪台にあったホテル東京ってホテルなんですが、確か2008年くらいになくなってしまいました。

ただ、そこのウェディングアドバイザーさんには、やたらめったらお世話になりました。

 

イベントの段取りってこうやってやるのか!スケジュールってこういうこと考慮して切るのか!とか。

こういうことまではやっていいのか!これ別にやらなくていいのか!これは流石にやり過ぎか!とか。

席配置ってこういう考えで組むのか!とか。料理の順番って結構いじれるのか!とか。

 

なにせあの人たち、プロです。プロのイベンター。お任せっきりならお任せっきりでも色々やってくれると思うんですが、その時は我々にやる気があるってことで、かなり色んなことに付き合ってくれました。

 

私と奥様の共通の趣味は南米民族音楽(フォルクローレ)でして、当然共通の友人にもフォルクローレ関係者が多かったので、折角だからBGM代わりにライブ形式にしてしまったらどうか?とか言ってみたら、PAから演出から山ほど案出ししてくれましたしね。

料理やら内装やらについても、「こっちはプロだから黙って任せてください」みたいなことは全然なく、可能な限りこちらの意見に付き合ってくれました。選曲も当然フォルクローレ中心で、どこのペーニャ(民族音楽酒場)だよって感じの雰囲気にしたりとか。サークルの先輩が大笑いしてました。

 

勿論これは、ホテルによっても、担当者によっても違うことなのだと思います。私の時、たまたま素敵な担当者さんに巡り合えただけ、という可能性は否定しません。

ただ、多くの人にとっては「イベントのプロが、自分のイベントに全面的に協力してくれる」という経験自体が滅多にないわけで。こちらのわがままにも可能な限り付き合ってくれるわけで。知らないノウハウやら、仕切り方やら、段取りやら、連絡の回し方やら、ああいう「実地でプロの技を勉強する機会」というのは、逃がしてしまうともったいないと思ったりするわけですよ。

 

そして、担当さんとのやり取り以上に、「一つのイベントについて、様々なアイディアを出しながら話し合う」というのを、結婚前に夫婦で出来たというのも、すげー貴重な機会だったと思うんです。

夫婦って、言ってみれば人生プロジェクトのプロジェクトメンバーです。そして、どんなプロジェクトよりも情報共有、相談、歩み寄りを密にしないといけない立場です。

 

大きなイベントをどうかじ取りするか、というのが重要なプロジェクト成果であることは間違いなく、言ってみれば結婚式は、夫婦間の最初の「プロジェクト成果モデルケース」になり得るわけです。

同じテーマについてどう相談するか、意見が食い違った時どう歩み寄るか、お互いのアイディアをどう評価するか。そういうことを一番最初に練習出来たことは、今の私たち夫婦にとっても一つの財産になっていると思う訳です。

 

繰り返しになりますが、「結婚式をしない」という結論であるならば、それ全然問題ないと思うんです。ただ、どうせ「結婚式をやる」と決めたなら、積極的にかかわっていった方が色々得るものがあると思いますよー、と、そういう話でした。

 

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

 

(Photo:kmichiels)