「趣味が高じて本業になりました。」という方がそれなりの数いる。ものづくりにも、ソフト開発にも、お店にも。
ついにEコマースに「化石」が登場:趣味が高じて化石オンラインショップを立ち上げた起業家の話(Lifehacker)
そういったサクセスストーリーは聞いていて非常に面白い。しかし、実際は趣味が高じても「本業」としない人の方が圧倒的に多い。
「毎日好きなことができる」、「趣味と実益を兼ねる」は、理想的な人生に見えるが、なぜなのだろうか。
最もありそうな理由は「稼げるかどうかわからない」から本業としない、ということだろう。当たり前である。起業をするということは、定期的な収入が保証されない、ということだ。
収入がなければ生活は破綻する。そこは間違いなく大きな溝の一つだ。
しかし、それは表面的な理由であり、真の理由はもっと深い所にある。
何か。
それは「誰のためにやっているか」だ。「趣味」と「本業」は、本質的に異なる営みである。
趣味は自分のため
本業は顧客のため
自分のためであれば、「自分がいいと思うものだけ」を扱えばよい。しかし、そこに「顧客」が出てくると「顧客が良いと思うもの」を扱う必要が出てくる。
だから、「趣味が高じて事業」とするためには、自分が良いと思うことが、一定数の人に支持される必要がある。そして、その数が多ければ大きいほど、事業は大きくなる。
自分にしかこの良さがわからない、というような趣味は事業にはならない。事業にするには、「自分にとっても、他の人にとってもこれは良いものだ」と確信できなくてはいけない。
そして、そのためには「自分の作り上げたもの」を、できるだけ人に見てもらい、批評をもらう必要がある。それ以外に確信を得る方法はない。
多くの人は、自分が好きなモノをけなされることに慣れていない。
だから、自分だけのためにやっていた時に楽しかったことでも、他人に批評されると「ひょっとしてこれはダメなものでは」と不安になってしまう。
不安を払しょくするためには「評価されるまで作品、商品、アウトプットを出し続ける」しか無い。これは長く、出口の見えないトンネルの中を歩くようなものだ。
もしかしたら、かの有名な画家、困窮のうちに亡くなったゴッホのように、生前にはほとんど評価されないかもしれないのだから。
だから、普通の人は趣味を本業にするようなことはしない。
「趣味を本業とすると、それが嫌いになる」と言われる。そのとおりである。
しかし、「起業家」や「クリエイター」は、「それこそが人生」と割り切れる人たちのことである。「趣味」を「本業」にするということは、そういった葛藤の存在を「是」とすることに他ならない。
そしてもしあなたが、そういった考え方に切り替えることができるなら、今すぐ作品を公開するべきだ。失うものはなにもない。
(2025/6/16更新)
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第4回目のお知らせ。
<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第4回テーマ 地方創生×教育
2025年ティネクトでは地方創生に関する話題提供を目的として、トークイベントを定期的に開催しています。
地方創生に関心のある企業や個人を対象に、実際の成功事例を深掘りし、地方創生の可能性や具体的なプロセスを語る番組。リスナーが自身の事業や取り組みに活かせるヒントを提供します。
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【ゲスト】
森山正明(もりやま まさあき)
東京都府中市出身、中央大学文学部国史学科卒業。大学生の娘と息子をもつ二児の父。大学卒業後バックパッカーとして世界各地を巡り、その後、北京・香港・シンガポールにて20年間にわたり教育事業に携わる。シンガポールでは約3,000人規模の教育コミュニティを運営。
帰国後は東京、京都を経て、現在は北海道の小規模自治体に在住。2024年7月より同自治体の教育委員会で地域プロジェクトマネージャーを務め、2025年4月からは主幹兼指導主事として教育行政のマネジメントを担当。小規模自治体ならではの特性を活かし、日本の未来教育を見据えた挑戦を続けている。
教育活動家として日本各地の地域コミュニティとも幅広く連携。写真家、動画クリエイター、ライター、ドローンパイロット、ラジオパーソナリティなど多彩な顔を持つ。X(旧Twitter)のフォロワーは約24,000人、Google Mapsローカルガイドレベル10(投稿写真の総ビュー数は7億回以上)。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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