a0002_010928家は人生で最も高額な買い物の一つであるにもかかわらず、買い手と売り手の情報格差がひどく、素人がたやすくプロにカモられてしまうことがよくある。

例えば、一昔前は、ちょっとした賃貸ですら不動産のプロしか物件情報を持っていないという状況であり、自分が勧められている物件が良いものなのか悪いものなのか、家賃は割高なのか割安なのか、素人にはほとんど判別ができなかった。

 

ただ、インターネットの発達によって「物件情報」は広く公開されるようになっており、現在ではたやすく不動産の比較ができ、相場もわかる。

だから最近は一般の人は昔よりも不動産の情報を手に入れやすくなったといえるだろう。

例えば業者しか閲覧することのできなかった「レインズ」(業界向けの案件情報サイト)と同様の質を持った一般向けのサイト「不動産ジャパン」などが出現し、仲介業者は既得権にあずかることが難しくなってきている。

 

しかし、不動産取引においてほんとうに重要なのはこういった「物件の比較」や「相場情報」ではない。不動産を購入する上で最もトラブルになりやすいのは、ランニングコストだからだ。

例えば、こういった情報がある。

 

機械式駐車場は最悪だ!

機械式駐車場はなぜ、最悪なのか。

デメリットは、毎月の維持管理費が高いこと、車高の高いRV車などが収納できない可能性があることなど。特にパズル方式などは、車の出仕入れに時間がかかり、使い勝手はすこぶる悪い。

また、機械式駐車場の法定耐用年数は15年。20年もすれば、建て替える必要があるので、将来の建て替えを見込んで、駐車場使用料をも高めに設定しておく必要がある。

財団法人駐車場整備機構の資料によれば、駐車場のタイプ別の建設コスト、維持管理費の目安は、次のとおりとなっている。

  • 平面自走式:建設コスト(10万円/台~50万円/台)、月あたり維持管理費(1,000円/台以内)
  • 立体自走式:建設コスト(70万円/台~350万円/台)、月あたり維持管理費(1,000円/台以内)
  • 機械式(2段・多段):建設コスト(100万円/台~250万円/台)、月あたり維持管理費(2,000円/台~4,000円/台)

機械式駐車場の安い使用料に喜んでいるとすれば、かなりの能天気だろう。20年後の建替え時に泣くことになる。”

こういった話は、自分からかなり勉強しようとしない限り、知り得ない情報だ。

また、こういった話もある。

豪華共用施設で販促するという、ビジネスモデルの復活

既に反面教師が存在している。

7年前(平成19年3月)に竣工した、42階建て3棟からなるメガ・タワーマンション、WORLD CITY TOWERS(ワールドシティタワーズ)だ。

ゲストルーム(高層スイート4室、低層スタンダード5室)やシアター兼通信カラオケルーム(1室)、フィットネススタジオやプール(20m×2レーン&キッズプール、温水ジャグジー)など、本日の物件以上に豪華な共用施設が満載。

総戸数2,090戸のトリプル・タワーマンションでさえ、プール運営の赤字に悩まされているのだ。

ワールドシティタワーズの「自治会ニュース2013年2月15日号(Vol.16)_PDF」によれば、年間の赤字は約3,000万円。

まあ、1世帯あたりにすれば、1.4万円(=3,000万円÷2,090戸)だから大した額ではないという見方もできなくはないが。

プールを利用しない人にとっては、文句の言いたくなるところだろう。

豪華な共用施設で販促し、あとのツケは住民に回すというビジネスモデルの復活。

 

 

 

家は長い人では数十年使うものだ。そして、何十年も先になって、今の家がどのようになっているのかを想像するのは本当に難しい。

「マンションを買う」ということだけを考えても問題は山積みだ。

 

修繕積立金がきちんと積み立てられているだろうか?

住民の合意が取れるような規模だろうか?

マンションの施設が故障した時の費用はどのように配賦されるのだろうか?

マンションにそんな豪華な設備は必要なのだろうか?30年後もきちんと維持できるのだろうか?

マンションの高層階と低層階の住人の経済格差は?

本当に新築にする必要があるのか?新築に対して、「築0~5年」で15%下落)

 

 

家を買うということは、そういったこと一つ一つと対峙しなければならない。

でなければ、「不動産を買う」のはギャンブルにすぎない。

 

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システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)