ちょっとした話なんですが、次女の宿題を見ている時、面白いことに気付きました。
それは、一言で言うと、「「ぬいぐるみに教える」という体裁をとると、自分ひとりで問題を解く時よりも、遥かにスムーズに解けるようになった」ということです。
順を追って書きます。
長男長女次女は皆同じ小学校に通っているのですが、そこそこ教育熱心な小学校でして、宿題も1年の頃から割としっかりと出ます。
今、長女次女は繰り下がりのある引き算の仕上げをやっておりまして、結構な問題数が並んだプリントと、3日に1回くらいのペースで格闘しています。
何度か書いているのですが、算数というのは純然たる積み重ねでして、積んでいないブロックの上に次のブロックを積もうとするとバグります。
例えばの話、桁数の概念を理解しないまま掛け算の学習に突っ込むとメダパニがかかりますし、その上に円の面積の問題とか乗せると更に頭の中がカオスになります。
小学校レベルだと「全部覚える」という荒業でスルーすることも可能なんですが、後々に響いてくるので基本的には丁寧に理解をフォローしていった方がいいです。
走り出しの頃に転ぶと思いもよらない先々まで良くない影響を及ぼす上、転んだかどうかというのは案外脇からは見分けにくいです。
「分からない」を解決しないまま、何となくその学習時期を通り過ぎてしまうと、ずっと後になって「さっぱり分からない」に増幅されて帰ってきます。
この辺の話は、以前下記の記事でも書かせて頂きました。興味がある方はご一読ください。
塾講師時代、子どもの「勉強わからない」に対処するうちに学んだこと
勿論、学校の先生も「分からない」生徒については目も向けてくれますしフォローもしてくれるのですが、30人以上の幼児の集団と言うのは思った以上にハイパワーなものでして、先生のエネルギーでフォローし切るにも限界というものがあります。
ですから、家庭でのサポートというものは意外と重要ですし、子どもの「分からない」を家庭で可視化してくれるチャンスである「宿題」という物体は、そこそこ大事なものだと私は思っています。
自分が小学生の頃は全くそんなことは考えませんでしたが。
次女はサクサク宿題を片づける方ではあるのですが、どうも引き算の繰り下がりにやや苦手意識をもっているらしく、宿題をやっているとたまに理解がひっかかることがあります。その場合、大体私に泣きついてきます。
そういう時は、横で見ていてなるべく丁寧にフォローします。
引き算の理解を補助するやり方は幾つかあるのですが、しんざきは「やりやすそうなやり方を自分で選んでもらう」というやり方をすることが多いです。
例えば「ひっくり返すやり方とバラバラにするやり方どっちにする?」と聞いて、ひっくり返すやり方なら「ひっくり返して足し算にする方法があるよ。9に幾つ足すと16になるかな?」とか、まああくまで一例なんですが、そういう風に順を追っていけば、大体自分で答えにたどり着くことが出来ます。
当然、一回教えただけで出来るようにはならないので引っかかる度に何度も同じようなことを教えます。重要なのは根気です。
ところで次女は小1女児でして、強めのぬいぐるみ嗜好をもっています。複数のぬいぐるみに名前をつけては連れ歩き、おままごとの相手として利用したり抱っこして寝たり、布団の下に入れていたことを忘れてなくしたと勘違いして大泣きしたりします。
その日次女は、宿題をする傍ら、「ルルーちゃん」という名前の犬のぬいぐるみを待機させていました。
次女は最近この「ルルーちゃん」と一緒に行動をすることが多く、今回も「ルルーちゃんと一緒に宿題するの」ということでした。
多分ぷよぷよとは関係ないと思うのですが、何故ルルーちゃんなのかは私も知りません。

上記の画像がルルーちゃんさん。職業は犬のぬいぐるみ、主な仕事は次女に連れまわされることです。
次女が宿題をしながら、「給食おいしかった?」とか「えんぴつ削らないとねえ」とか、ルルーちゃんにあれこれ話しかけているのを見た私は、ふと思いついて、「ルルーちゃんも宿題しなきゃいけないかも知れないから、ルルーちゃんに教えてあげたら?」と言ってみました。
面白そうだと思ったのでしょうか、おままごとが好きな次女は、すぐに「ルルーちゃんの先生」になりました。
で、ちょっとびっくりしました。
普段だったらちょくちょく引っかかって私に助けを求めてきそうな箇所を、「ルルーちゃんに説明する」という体裁だと、サクサク片づけていってしまうのです。
「あのね、15 – 7はね、まず15を10にするのよ、そうすると5つ引くからあと2余るよね、だから残った10から2引けばいいのよ」
とか、それこの前私が説明した話やん。ちゃんと理解出来てるやんけ、という話なのですが、これ自分一人で宿題に向き合ってると、案外なぞれないみたいなんですよ。それで私に泣きついてきたりするんですけど。
その後も、一人でルルーちゃんに向かって色々と話しかけながら、次女は実にスムーズに問題を解いていきます。
結果として、残った宿題はサクっと終わり、次女も「すぐできたーーー!!」と大喜びだったわけなんですが。
やってみてから思い当たったんですけど、これやってることラバーダッキングなんですよね。
ラバーダッキングとは – はてなキーワード
これ、元々アンドリュー・ハントの「達人プログラマー」でデバッグ手法の一つとして紹介されていた言葉でして、要は「ゴムのアヒルに話しかけるように、自分で自分の思考を言葉にしながら開発すると、自然と思考が整理される」という話なんです。
テディベア効果って言ったりもしますよね。昔から、プログラマの独り言が多いという現象の、直接的な原因の一つでもあると思います。
「言葉にする」って大事でして、思考そのままの形だともやっとしているところ、言葉に直すと明確な方向性が出来ることがあるんです。
小学校の宿題みたいな単純な問題でも、子どもの頭の中でごちゃっとしてしまうのはしばしばある話で、そこを「言葉に直す」「それを口に出す」ことで整理された側面が結構あるんじゃないかなあ、というのが一つ。
もう一つ大きな要素として、「立ち位置が「先生」になることで、マインドセットが切り替わった」という要素があるのかも知れません。
物事、「苦手だ苦手だー」と思いながらやっていると、普段よりパフォーマンスが圧倒的に下がるというのは、大人でもよくある話です。
「苦手意識」というものは、対象が何であれ、課題遂行の為の大きな障害になります。
そこが、「自分は先生」という意識に切り替わったことによって払拭され、結果的に元々の理解をスムーズに取り出すことが出来るようになった、と、そういう側面は割と強くあるような気がします。
「聞く、教えられる」というスタンスでは受動的だったところ、「教える」というスタンスでは能動的な学習になった、ということも恐らくあるのでしょう。
勿論これ、汎用的な話ではぜーーんぜんありません。
たまたま今日、ぬいぐるみ好きの小1児童である次女に、たまたまこの方法がハマっただけ。
おままごと好きでない子どもにはハマらないでしょうし、次女だって明日もう一回同じことやろうとしたら出来ないかも知れません。なので、「このやり方がお勧め!」というわけではありません。
ただ、
・思考がごちゃごちゃしたら「話す」ことで整理される場合がある、ということは大人も子どもも同じ
・苦手意識をなんらかの方法で軽減出来たらパフォーマンスは上がる
・おままごと好きな子どもなら、「先生になる」というのは割と手法としてハマるケースがあるかも
・ぬいぐるみに限らず、時には「教える」という立ち位置に子どもを絶たせてあげるといいかも知れない
ということくらいは一般化して言えそうな気がしていまして、長女次女共々、勉強や宿題にハマることがあったらこの方法を引き続き試してみようかなーと思う次第なのです。
プログラマーが使うような解決方法が、小1の子どもにはまるようなこともあるんだなあ、とちょっと感心したという、それだけの話でした。
全っ然関係ないんですが、Wizardry5にも出てきましたよね、ゴムのアヒル。
マッドストンパーが持ってたさり気ない重要アイテム。サーテックの人たちも、煮詰まった時にゴムのアヒルに話しかけてたりしたんでしょうか。
今日書きたいことはそれくらいです。
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システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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(2026/01/19更新)
【プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
(Photo:Christiaan Colen)













