ちょっと前にダイエットの記事を書いた。進展は以下の通りである。

「肥満の原因」にアプローチしたら、1週間で6キロ減量できたのでやったことを書く。 | Books&Apps

どうしたもんかなーと思っていた時、「トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ」という非常におもしろい本を見つけ、この本に書かれた通りに色々やってみたところ見事に1週間で6キロほどの減量に成功したので、ちょっとサクセスポイントやNGポイントを交えて書いていこうかと思う。

詳しいことは前掲した記事を読んでほしいのだが、やった事の要点だけ書き出すとこんな感じだ。

 

・朝起きてギー10g+MCTオイル10g入りコーヒー300mlを飲む(これを飲むと空腹感が消えるので、1日1食生活がラクに遂行できるようになる)

・食事は1日1食夕飯のみ

・平日は自炊。玄米か古代小麦のパンやパスタ(100g程度)+肉魚野菜を食べたいだけ食べる

・週末は外食。好きな物を食べてよい(ただしラーメンだけはNG)

・運動はしない。気が向いたら腹筋ローラーをやる

 

糖質制限なし、運動なしでこの結果である。

全くキツいことをしてない事を考慮すれば、かなり上等な方ではないだろうか?

 

一方、世間では秒速で痩せて、秒速でリバウンドした人がいた。

与沢翼がリバウンドで68kg→80kg台に…。60日間の筋トレ&ダイエットに再挑戦 | 日刊SPA!

2018年6月~8月にかけ断食をして、91.2kgから68kg台まで実に22kg以上もの減量に成功した与沢翼さん。あれから約1年……。「隠してたといえば隠していたのですが、実はすごいリバウンドしてました(笑)」と明かす与沢さんに話を聞いた。

彼と僕の違いが何にあるかというと、僕が生活習慣自体を持続可能な形で”完全に一変”させたのに対して、彼は食事制限や筋トレといった”特別で一過性”の事をやって痩せようとしている部分にある。

 

自分の姿形を構成するのは、結局のところ自分自身の生活スタイルである。

厳しいダイエットが短期的には成功しても長期的にはリバウンドしてしまうのは、そのダイエット法をいつまでも一貫して続けられないからに他ならない。

 

世の中には厳しいことをやらないと結果がでないタイプの物事もあるが、こと減量に関して言えばあれは完全に嘘だ。

 

苦しいことは絶対に持続できない。特に硬い意志を働かせて欲望に逆らうような手法は完全にNG。

己の欲望の強さをなめてはいけない。奴らは絶対にいつか意志の力を乗り越えて征服してくる。

 

継続は力なりである。逆に言えば、継続できないようなスタイルは力にはならない。

一ヶ月だけ頑張ろうとか、そういう期間限定の努力の使い方は、仕事でスキルを身に着けたいとかいった、終わりが見えるタイプのものに限定しておいた方が無難である。

 

顔にはその人の生活が現れる

生活スタイルが結果として出るのは体重だけにおさまらない。

実は顔にもそれはかなり出る。

 

人間の姿形というのは非常に面白い。

僕が医者になった時、認知症が進んだ高齢者の顔がどれもこれも本当に似たような形をしているのをみて衝撃をうけた事がある。

 

これまでの人生において、似た顔をした人をみることはどちらかというと稀な事であった。

クラスメートによく似た顔をした人が1~2組いたが、逆にいえばそれ以外の人の顔はどれも全然違っていた。

 

しかし、認知症の高齢者の顔はかなり似ている。

あの独特の容貌を形成する素因は、やはり生活習慣以外には考えにくい。

 

 

他にも何か似たようなケースは実はある。

例えばダウン症の人の人相は非常にある種の独特の様相がある事が知られている。

 

「ひょっとして、顔の形には何らかの隠れたサインが含まれてるのでは?」

こう思い、僕は診察時に人相に注目するようになった。

 

また、このことに気づき、ある種のトラブルを巻き起こすタイプの人間に対して、ピンとくる事が非常に増えた。

人相、侮りがたしである。

 

病にもその人の生活が現れる

実は病も生活スタイルの宝庫である。

 

例えば糖尿病の患者さんは非常に病気への認識力が薄く、かつ自分に甘い傾向がある。

もちろん全ての人がそうではないのだが、そういう人の数が非常に多いというのは、医療従業者なら誰でも頷くところだろう。

 

糖尿病患者の話は医学部の授業でも出てくるぐらい有名な話なのだが、実はその他の病にも教科書には書かれていないけどある種の性質や性格が偏っている事が多々ある。

 

例えばリンパ腫という血液疾患があるのだが、非常に不思議な事にこの病気にかかる人はIQが非常に高いと思われる人が明らかに他の疾患と比較して多い。

会う人会う人みんながあまりにも頭がいいので、高いIQを構成する何らかの体内構成要素がリンパ腫へのリスクファクターとなってるんじゃないかと疑わずにはいられないほどである。

 

世間では”血液型占い”がしばしば「エビデンスがない」と揶揄されるが、僕は”病気型占い”に関しては実はエビデンスが出せるんじゃないかと思っている。

実はこれも人相と同じく密かにデータを収集していて、いつか表に出せるといいなと思っている。

 

似たような思想の人々も、お互いに似てくるのではないか。

ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~という本に「知識が増えれば増えるほど、人間はわかりあえなくなる」と書かれてあり衝撃をうけた。

どういう事か、以下に簡単に記載する。

 

エール大学のポール・ブルーム教授が発表した「大人の科学への抵抗は、子ども時代に期限がある」という論文によると、人がエコだとか原始的な生活といった直感的に正しいものに惹かれがちなのは普通の事であり、むしろ科学的な考え方ができる人の方が特殊なのだという。

 

科学的な考え方は教育の賜物以外の何者でもない。

例えば、普通に考えれば「地球が丸い」だなんて、考えられる方がおかしい。

そのまま目に見えたものを信じるのなら、どう考えても「地球は平ら」にみえる。

 

子供が「地球が平らではない」と理解するのは、ロジカルシンキングの結果ではなく信頼できる学校の先生や親から「地球は丸い」と教えられるからだ。

子供はゼロベースでものを学ぶのではなく「信用できる人」が語る言葉を「真実」として受け入れて「常識」を組み上げていく。

 

こうして次第に己の中に「常識」が形成されてゆくと、次第にそれは「直感」へと進化していく。

そして「直感に合う」「信頼できる人から教えられる」という2つの要素が揃ったものしか、人は受け入れられなくなっていくのだという。

 

この結果が「知識が増えれば増えるほど、人間はわかりあえなくなる」だというのだ。

未だに進化論を理解できない人がいるのは、幼少期に信頼できる人から「進化論は嘘だ。サルが進化して人間になどなるはずがない」という知識をありったけ与えられたからである。

 

幼少期に形作られる「常識」の重みは強い。

早期学習の効果については色々諸説あるが、少なくとも子供を科学的に育てたい人は、己の教育環境にはそれなりに気をつけるべきなのかもしれない。

 

そして、「知識が増えれば増えるほど、人間はわかりあえなくなる」を最悪の形で加速している様は実はインターネット上で簡単に確認できる。

 

SNSはネット社会に様々な恩恵をもたらした。

本来ならば繋がるはずのない人たちが繋がり、良い関係を築く事もあったが、逆に言えばカルト的な思想を持つ者共にも”つながり”がもたらされている。

 

例えばインターネット上でアベガーと言われる何でも安倍総理が悪いと意見を形成する人達、一部の過激なフェミニスト達は、「信頼できる仲間」から「直感に合う知識」をグルグル回し、エコーチェンバーといわれる特定の信念が増幅または強化される状況を作り出している。

 

彼らは偏った知識をどんどん身につけ、どんどん偏っていく。

まさに「知識が増えれば増えるほど、人間はわかりあえなくなる」の典型例である。

 

時に対立する人たちとの交流がかわされる事もあるが、彼らが絶対にわかりあう事など一度としてみたことがない。

むしろ敵対心を煽り、お互いの団結力がより深まるだけである。

Twitter等ではおなじみの現象だが、改めてSNSは最悪の人格加速装置だなと思わされる。

 

継続は力なりの原則から考えるに、たぶん、彼らもだんだんと似たような姿形に収束していくんじゃないかというのが僕の推論である。

体重も、顔も、病も、身体に現れる結果が生活習慣にかなり基づくのだから、かなりその可能性は高いんじゃないだろうか。

 

生活習慣というスタイルが、その人の姿かたちを形成する

美しい肉体、魅力ある顔、ユニークな知性などを持つ人は、その特性を非常に称賛される。

 

私達はその”結果”をみて「才能」だとか「あの人は特別。自分には無理」と諦めがちだが、僕が思うに生活習慣というスタイルが、過程として積み重なって、その人の姿かたちを結果として形成されるのだから、実はかなり再現可能なものも多いのではないか、と思う。

 

モノマネも突き詰めればホンモノと区別がつかなくなる。

あなたも、生活習慣を変えてみれば「あの人は特別。自分には無理」と思っていたような人に近づけるかもしれない。

 

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(2024/3/26更新)

 

 

【プロフィール】

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。

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noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki

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