ねぇみんな助けて。夫婦喧嘩勃発したんだけど。

 

……すみません、「夫婦喧嘩」は盛りました。

ちょっと話し合いがヒートアップしちゃっただけです。

 

というのも、コロナの影響で夫が本格的に在宅ワークに切り替えることになり

「夫婦ふたりどうやったら快適に在宅ワークができるか」という点で意見が割れておりまして。

 

先日「夫は在宅ワークに向いてないけどわたしは在宅ワーク楽しんでるよ〜(キャピッ)」

なんて記事を書いたばかりだけど、「それは在宅ワークしやすい環境に恵まれていたからなんだな……」と気づきました、はい。

 

コロナの影響で夫が予期せぬ在宅ワーカーに

まだ出勤禁止令は出ていないものの、コロナの影響でいつどうなるかわからないこのご時世。

夫は在宅ワークにすることを決意(もともと在宅ワークOKの会社)。

 

しかし、どうやら社内には「持ち出し可のノートパソコン」がないらしい。

つまり、在宅ワークするなら、でかい液晶2つつきのデスクトップを家に持ち込まないといけないのだ。

 

それを聞いたわたしはびっくり仰天。

「そんなもんどこに置くんだよ!!」と。

 

案としては3つあるのだが、

 

1.わたしの仕事部屋を改造して新たなデスクを買い、お互い背中合わせで仕事をする

→わたしの快適な仕事部屋を改造とか勘弁してくれ。

壁向いて仕事したくないから部屋の真ん中にデスクを置くレイアウトにしたのに

 

2.ダイニングテーブルを夫の仕事デスクにして、ご飯はソファで食べる

→ドイツではソファに座ってご飯はOKだけど、日本人のわたしからしたら行儀悪くてなし。ありえない

 

3.リビングにもうひとつデスクを買ってそこで夫が仕事をする

→ワンルームで同棲してたとき、リラックスする場と仕事場が同じでイヤだったから仕事部屋ある家に引っ越したのに。っていうかリビングではゲームしてたいです。

 

わたしにとってはどの選択肢も「勘弁してくれよ」状態なのだが、だからといって夫が仕事できないのも困る。

というわけで、「じゃあどうするよ」と途方に暮れているのが、まさに今なのだ。

 

生活環境が変わり自宅仕事がはかどらなくなった

我が家と同じく、コロナの影響で「思いがけなく在宅ワーカーになった」という人も多いだろう。

最初は「これでリモートワーク広がるし、自然災害時のオプションとしていいんじゃないか」なんてのんきに思っていたわたしだけど、いざ夫も在宅ワークになると話は変わってくる。

 

いやだって、いつもは気が向いた時間に毎日同じお昼ご飯食べてたんだよ(ここ2ヶ月のマイブームは和風ツナパスタ)。

家事のタイミングも自分の好みでやってたし。

 

でも夫がいたら、毎日同じお昼ご飯ってわけにもいかない。

食材が減るペースも増える。

集中していい感じでも、「あーそろそろご飯つくらなきゃいけない時間だ」となる。

まぁ夫は、「ご飯つくりたくないなら俺がつくるし、家事なんて適当でいいよ」というゆるゆるな感じなので、そこまでプレッシャーはないのだが。

 

とはいえ、家にほかの人がいるというだけで、ここ数年で培った「自分の仕事のリズム」が狂ってしまうのも事実。

「仕事部屋にいるときは緊急時以外話しかけるの禁止令」を出したものの、わたしはソファでごろごろしていても、なにかアイディアが浮かんだら急に仕事スイッチがオンになり執筆をはじめるタイプだ。

 

そのタイミングで話しかけられると正直「めんどくせーな」と思うけど、夫からしたらわたしが仕事をしてるのかネットサーフィンしてるのかわからないからしょうがないし、無視するわけにもいかないし……。

仕事部屋で仕事中、リビングから聞こえる咳払いや足音もすごく気になる。

 

あーなんだか落ち着かない!!

っていうか夫がいると休日な気がしてだらだらしちゃう!!

そこで改めて、「わたしが在宅ワーク最高!と思えていたのは、恵まれた環境があったからなんだな」と痛感した。

 

在宅ワークには在宅ワークに適した住環境・生活環境が必須

コロナの影響でリモートワークが広まりだしたとき

「子どもも休校で家にいてうるさくて仕事にならない」とか

「みんな家にいると家事が増えて仕事をする時間がない」なんていう声を聞いた。

 

「まぁ突然在宅ワークになっても困るわな」と他人事だったわけだが、いまならわかる。

「出勤なんて必要ない、家で仕事すればいい」というのは、「仕事できる環境の家である」ことが大前提なのだ。

子どもがいたり、やらなきゃいけない家事が多かったりすれば、オフィスのように8時間も仕事する時間を確保できるわけがない。

 

そもそもどこで仕事するの? リビング? まさか。

子どもが大事な書類のうえにジュースひっくり返したらどうするの。

仕事部屋? 都内で仕事部屋がある家に住んでるサラリーパーソンってどんだけいるの。

 

突然在宅ワーカーになったのはしょうがないとはいえ、家を仕事場にするって、そんなかんたんなことじゃない。

わたしはもともと在宅ワーク前提だったから、それを踏まえて家を選んだし、大きいデスクとふかふかのデスクチェアも買った。

 

平日の日中は家にひとりだから、自分のペースで仕事ができる。

夫は家事に関してうるさいことも言わない。

そんな状況だから「在宅ワーク最高!」と言えていたけど、そもそも「在宅ワークに適した住環境・生活環境」じゃなければ、在宅ワーク自体が成り立たないのだ。

 

夫が仕事場から持ち込んだ液晶をふたつ置くなら、140センチ以上の長さのデスクが必要になる。

わたしたちはふたり暮らしにしては広い家に住んでいるとはいえ、さすがにそんなもの置く場所はない。

いつまで在宅ワークするかもわからないのに、そんな大きいデスク改めて買うのも気が進まない……。

でも作業スペースは必要だしなぁ。

 

あーあ、もうこんな時間だ。

今日のお昼ご飯なにつくろう。

とまぁ、こうなるわけである。

 

在宅ワーク環境格差がそのまま給料に反映される?

とはいえ、強制在宅ワークとなれば、「家が狭い」だの「家族がどうこう」などとは言ってられない。

しかも理由が理由だから、レンタルオフィスを借りて外で作業するわけにもいかない。

しかし健康だから、働かないわけにもいかない。

 

独身で一人暮らしの人なら、気持ち的なことは別として、「作業する環境」自体はある程度確保できるだろう。

でも、そうじゃない人だってもちろんいる。

在宅ワークに協力的な配偶者もいれば、「家にいるなら家事をしろよ」と言う人だっているだろう。

単純に、家に作業スペースがない人もたくさんいるはずだ。

 

わたしのように、夫がリビングでゲームをしているあいだ、ヘッドフォンつけて仕事部屋で仕事ができる人。

一方、リビングでしか作業できず、休校中で家にいる食べ盛りの子ども2人がひっきりなしに喧嘩している状況で働かざるをえない人。

正直なところ、成果だけで後者が前者より高い評価を出すのはむずかしい。

 

じゃあ在宅ワーカーの住環境・生活環境まで査定で考慮してくれますか?というと、さすがにそれも無理だろう。

ってことは、在宅ワーカーの評価って、「在宅ワーク環境格差」にずいぶん左右されるってことだ。

……それってどうなの?

 

在宅ワークには「環境」が不可欠であるという再認識

仕事部屋があって作業スペースが確保できて、夫は仕事で日中は不在、子どもはいない、という状況のわたしは、「リモートワーク普及いいね!」なんてのんきに考えていた。

でも夫が持ち込んだ液晶ふたつが所在無さげに床に並んでるのを見ると、「どうしたものか」と頭を抱えてしまう。

 

「家で仕事しろ」と言われたって、作業スペースがとれない、仕事に集中できる環境にない人だっているわけで。

でも体が健康なら「仕事できません」とも言えないわけで。

子どもがいたら世話をしないわけにもいかないわけで。

 

「休校にしても親が共働きで家にいない家庭も多い、どうするんだ!」と問題になったのと同じく、「在宅ワークにしても家で仕事できる環境じゃない人もいる、どうするんだ!」というのは、もっと議論されてもいいのかもしれない。

家庭の環境格差が昇進や給料に響くのであれば、なおさら注目されるべきだ。

 

いまは非常時だから、仕事環境うんぬんについて話し合うのはもう少し後かもしれない。

それでも、在宅ワークには環境格差があること、みんながみんな家で仕事できる状況でないことは、しっかりと頭に入れておきたい。

住環境、生活環境によって、どれだけ快適に在宅ワークができるか、どれだけ作業に集中できるかは、大きく変わるのだから。

……で、このばかでかい液晶2つはいったいどこに置けばいいの?

 

 

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(2024/3/26更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

名前:雨宮紫苑

91年生まれ、ドイツ在住のフリーライター。小説執筆&写真撮影もやってます。

ハロプロとアニメが好きだけど、オタクっぽい呟きをするとフォロワーが減るのが最近の悩みです。

著書:『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書)

ブログ:『雨宮の迷走ニュース』

Twitter:amamiya9901

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