今から600年ほど前、ヨーロッパにヨハネス・グーテンベルクという金属加工職人がいた。彼は「活版印刷」の発明者であり、それまでは恐ろしく手間のかかる手作業による写しか存在しなかった、「本」を大量生産可能にしたことで有名である。
「本」は写本ではなく、たちまち「印刷物」となり、世の中に広まった。すべての人々に安価に「本」が行き渡るようになったのである。そしてそのことが、中国とイスラムを衰退させ、ヨーロッパに世界の覇権を取らせるに至った。
しかし、ここで注意していただきたいのは、中国とイスラムも「印刷技術」を使っていなかったわけではないということだ。むしろ活版印刷ではない印刷技術はヨーロッパに活版印刷が登場するはるか前から存在していた。
ではなぜ、ヨーロッパは勝利したのか。
ピーター・ドラッカーは著書「ポスト資本主義社会」で次のような趣旨の話を述べている。
その秘密は「印刷技術」への考え方にあった。すなわち、イスラムの聖職者、中国の儒者達はともに「印刷技術」を危険であるとみなした。権威を脅かし、人々に独力で読み書きできる能力を与えると考えた。したがって、印刷技術を広く行き渡らせる技術としなかった。
逆にヨーロッパに於いては印刷技術は大きく学校を変化させ、あらゆる人の学ぶ場となった。「知識」に触れたこともなかった人が、知識に触れることが可能になった。
したがって、イスラムや中国においては「学校」はあらゆる改革を否定する障害となり、ヨーロッパにおいては文化、美術、文学、科学、経済、政治、軍事などのあらゆるイノベーションを推進する母体となった。
この話からわかるように、「印刷技術」は、それ自体が重要なのではない。重要なのは、「技術自体の変化」よりも、それが教育と学校のあり方、内容、焦点に引き起こす変化のほうが重要だということである。
翻って、現代。webが大きく学校と教育のあり方を変えようとしているといわれる。
現代でももちろん、技術は大切だ。webやコンピュータは新しい学習技術とツールを与えてくれる。しかし、「学習に対する考え方」が変化しない限りは、単に「今までやっていた勉強をコンピュータで繰り返しているだけ」に過ぎない。
これからの世の中で必要とされる「知識」は大学を出るまでの勉強ではとても間に合わない。30代、40代になっても「新しい知識」が求められる。
例えば、ドラッカーが「現代の教育機関に求めらている要件」としているのは以下のとおりである。
1.読み書きを超える高度の基礎教育を与える
2.学習の意欲、特に継続学習の週間を与える
3.既に高等教育を受けた者、および高等教育を受けられなかった者に門戸を開く
4.他の機関と競争し、かつコラボレーションする
また、ドラッカーはあわせて、「あらゆる組織が教育機関とならなければならない」と述べている。
そういう意味では、少なくとも、「この文章を読んでいる大人のあなた」が、継続学習に使うことのできるような、あるいは「使いたい」と思うようなサービスが出てこなければ、web技術は教育に対して印刷以上のイノベーションを起こしているとは言えないのである。
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(2025/4/2更新)