仕事においては、「人を助ける」という行為は、美徳に見えますが、意外にもそれなりの思慮を必要とします。
場合によっては、せっかくの行為が、単なる自己満足になることも。
というのも、「助けないこと」と「助けること」を天秤にかけると、あえて助けないほうが良かった、という結果もかなりの頻度で起こるからです。
*
実は昔、私はお世話になった方から「勝手に人を助けるな、「助けてくれ」とはっきり言う人しか、助けないほうがいい」と言われたことがあります。
「どういうことですか?」と聞くと、彼は次のようなことを言いました。
まず、「勝手に人を助ける」とは、はっきりと助けを求められていないのに、何となくその人を助けてしまうこと。
いわゆる「善意」に近い。
しかし「善意」は問題を引き起こしやすい。
なぜか。
一つ目、当人が失敗して反省するという貴重な経験を奪う
命に関わる失敗はまずいですが、オフィスワークでそのようなことはまず、起きません。
むしろ、失敗から学ぶことは非常に多いので、失敗する前に助けてしまうと、いつまでたっても一人前になれません。
二つ目、自分からヘルプを出せない人に未来はない
ヘルプを自分から出すことは、社会人の必須の教養です。
部下には「助けてほしいときは「助けてくれ」とはっきり言うこと」と、徹底して教えましょう。
三つ目、勝手に助けると、感謝されるどころか、嫌な気持ちになるかもしれない
三番目については、不思議な気がしたので「なぜですか?」と私は突っ込んで聞きました。
すると彼は「求めてもいないのに、余計なことをするな」という人もいるし、助けると「助けるのが遅い」「助け方が悪い」「上から目線」とか、理不尽な人も少なくない、と言いました。
あるいは「助けてもらって当然」という態度をとる人もいます。
もちろん、理不尽な人はそれほど多くないでしょう。
しかし、「善意」は必ずしも、意図したとおりにならない、というのは、先輩の言うとおりだと思いました。
ですから私もよほどの事態ではない限り、
「「助けてくれ」とはっきり言う人しか、助けない」
という方針を採用しました。
困っていそうな人をどうする?
では、仕事で困っている人を見かけたらどうするのでしょう。
放っておけばいいのでしょうか?
そんな場合には、いくつか考慮すべきことがあります。
1.まずは目を離さない
一般的には「できない人ほど人に聞けない」という傾向にあります。
ですから、責任者という立場であれば、未熟な人間に対しては、ヘルプが出ていなくても、すぐに介入できるように(助けるとは違う)その人から目を離さないことは必要です。
結論から言うと、「できない人」は人に聞いていないわけではない。
実は、新人同士、できない人同士で聞き合っていて、上司や「できる人」には聞かないのである。
これは、ノーベル経済学賞を受賞したことで知られる経済学者、ジョージ・アカロフの著書の中で
「ややこしい訴訟に巻き込まれた、政府の役人についての観察」で紹介されている。
2.本当に困っていそうなら「助けを欲しているかどうか」を聴く
強調しておきますが、困っていても、助けを求めているかどうかは別の問題です。
助けを欲しているかどうかは必ず確認します。
3.助けを求められたら「何を助けたらよいか」を確認する
相手の求めてもいないことをやってしまうことを防ぐために、「何が助けになるのか」は必ず確認します。
実際には、直接助けるのではなく、相手の話を聴くだけでいいときも多々あります。
4.当人の力量を超えた事態であれば、介入したほうが良い場合も
仕事においては、冷静に見て、当人の力量で収拾がつかない事態になっているときには、「助ける」のではなく、「介入」します。
つまり、本人から責任を移管してしまいます。
ヘタに助けるよりも、「あなたはもう関わらなくていい」と宣言し、主導権をこちらに移すのです。
この場合、本人の意向は全く関係なくなります。
しかし、事態が大きくなってしまった場合は、中途半端に助けるくらいなら、介入してしまったほうが良いケースの方が多いです。
いずれにせよ「人助け」は慎重に
困っている人を見て見ぬふりをするのは、あまり褒められたことではありませんが、「何も考えずに助ける」行為も、よくありません。
小学校では「困っているお友達は助けてあげましょう」と指導されるかもしれませんが、大人の世界ではもう少し複雑で、思慮が必要な行為なのです。
📌 このウェビナーでお伝えする内容 ✓ ベストセラーの刊行によって、著者本人にどのような変化や機会が生まれたのか ✓ 著者個人の知名度や信用が、会社の認知・採用・問い合わせ・商談へどう波及したのか ✓ 商業出版と企業出版では、目的・読者・活用方法・成果指標がどう異なるのか ✓ ベストセラーを目指さなくても、本を営業・顧客教育・信用形成・採用に活用する方法 ✓ 自社が本を持つなら、誰の、どの意思決定を動かすために、何を書くべきか ✓ 一冊の本を、Web記事、メルマガ、ウェビナー、営業活動へ展開する考え方 【対象】 BtoB企業の経営者・経営幹部・事業責任者/営業・マーケティング・広報・採用の責任者/自社の専門性や強みを顧客にうまく伝えられていない方/企業出版に関心はあるものの目的や費用対効果を判断できていない方
(2026/8/3更新)
著書が92万部を突破しても、会社の成果につながるとは限りません。著者個人の知名度と、会社の事業成果は同じように生まれるのか——安達裕哉が自身の出版経験をもとに語るウェビナーを開催します。

梶田洋平氏の著書『1冊の本で売上をアップする!BtoB事業者のための企業出版戦略とケーススタディー』
+「企業出版・目的設計チェックシート」をプレゼント
セミナー名:92万部のベストセラーは、会社に何をもたらしたのか?
開催日時:2026年8月27日(木)11:00-12:00
配信形式:オンライン(Zoomウェビナー)
参加費:無料
共催:ティネクト株式会社、ラーニングス株式会社
お申込み・詳細
こちらのウェビナー詳細ページ
をご覧ください。
【著者プロフィール】
安達裕哉
元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。
◯Twitter:安達裕哉
◯Facebook:安達裕哉
◯有料noteでメディア運営・ライティングノウハウ発信中(webライターとメディア運営者の実践的教科書)
Photo:J W













