三宅香帆さんの「言語化」についての新刊が売れていると聞き、手にとってみた。

某所では昨年末に「言語化」という言葉が大賞を取ったらしい。

ビジネスでチャットコミュニケーションが増えている今、「言語化」という能力が注目されているのかもしれない。

 

ただ今回は、その話ではない。

ここでは、もうすこし、しょうもない話をする。

 

実は、この本を読んだあと、Amazonの本のページにある、レビューを見ていて、おかしなレビューがあった。

それが、以下のものだ。

 

 

おかしさがわかるだろうか。

そう。配送についてコメントしているだけで、本の内容についての話が一切ない。

そもそも、梱包について書くことは、ガイドライン違反となっているから、本来このようなコメントは書いてはいけない。

 

 

ただ、そんなこと以前に、このレビューの目的もよくわからないし、書いた人物が何を考えているかもよくわからない。

しかも星の数は4。これはこの本の平均的な評価より低いので、実質的にはこの本の評価を毀損するだけ。

むしろつかないほうが良いコメントと言える。

 

そして、このような「変な評価/無神経なコメントを付ける人」が、webには溢れている。

例えば食べログ。

食べログには書き込みに関するガイドラインがある。

 

実は、食べログに書き込んでいい内容は結構制限されていて、原則的にはクレームや、衛生面の話などは、書いてはいけない。

食べログのガイドラインでは「隣りにいた客がうるさくて迷惑だった」と書くのも違反に当たる。

 

しかし、「隣の客」で検索をかけてみれば、もちろんそんなガイドラインなどは、完全に無視されている。

 

ただ、これを見て「書き込むやつが悪い」という人は少ないかもしれない。

「知らなかったんだろう」

「運営がきちんと対処しないからだ」

「ユーザがガイドラインなんてよむはずがない」

といった、食べログの運営の責任を指摘する人が多いだろう。

 

もちろん、ガイドラインに沿って厳格にコメントを削除しないのは、食べログの責任であり

「書き込みのガイドラインを作るなら、それを守らせるように真摯に対応せよ」とは思う。

 

が、今、気になるのはそこではない。

私が気になるのは、書き手のマインドのほうだ。

 

もっというと、

「公開されている場で、気軽に低評価をつけたり、クレームを書き込んだりする人の精神状態はどうなのか?」

と思う。

 

例えばこの食べログのコメント。

「最高でした!」と書いておいて、評価は3.4。

食べログの3.4というのは、「平凡」ということだ。

店主からすれば、「なにこいつ」と思うだろう。

 

下のツイートと全く同じ気持ちだ。

 

そもそも、みんなの眼の前で「この店最低だよ」と堂々とコメントを付ける人物へは、

「このコメントは最低だな」

「この人物の舌はおかしい」

「この人の評価は全く当てになりません」

などと、遠慮なく逆に評価していいはずだ。

撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ。

 

「無神経なコメントや、低評価を簡単につける人」はパワハラ野郎と同じ

私は前の会社で、マネジャーをやっているとき

「人の評価は、細心の注意を払って、死ぬほど気を使って言い方を考えて、それでもなお謙虚にやりなさい。神への冒涜だから」

と言われながら育った。

 

当たり前だけど、低評価は気軽につけていいものじゃないし、言い方も考える必要がある。

人間としての最低限の礼儀だ。

 

成績が悪かったときに、「お前の無能には呆れるよ」「ダメ社員」とか言いすててしまう上司は、失礼なだけではなく、全くその人にとって有用ではないフィードバックしかできないダメ上司だ。

「パワハラだ」と言われても仕方ない。

 

「低評価を簡単につける人」

「無神経なレビューを書く人」

は、みんなの前で、無能に対して大声だして叱りつける上司と、全く同じことをやっていることになる。

それは戦争開始の合図だ。

 

「店のサービスが悪いから仕方ない」という人もいるかもしれないが、でもそれは「こいつが無能だから仕方ない」というのと同じだ。

評価をすること自体は必要だが、言い方はよく考える必要がある。

 

ね、配慮なく言われると、気分悪くなるでしょう?

 

 

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(2024/12/6更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

安達裕哉

生成AI活用支援のワークワンダースCEO(https://workwonders.jp)|元Deloitteのコンサルタント|オウンドメディア支援のティネクト代表(http://tinect.jp)|著書「頭のいい人が話す前に考えていること」65万部(https://amzn.to/49Tivyi)|

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Photo:Reet Talreja