「部下はほめて伸ばすべきか?叱って伸ばすべきか?」という議論が、つい先日あった。

 

もちろん様々な意見がある。

50歳以上のベテラン管理職は「叱って伸ばすべき。甘やかすな」と述べた。

逆に、40代の比較的若手の管理職は「褒めて伸ばすべき」という方が多かった。

 

では、30代の比較的若手の管理職は……というと、彼らは皆、口をそろえて言った。

「褒めてもだめでしょ。」

「叱って伸ばす、が正しいんですか?」

「それもちがう気がします」

「……なんで?」

「褒めるとか、叱るとかは、「なんとなく偉そう」だからです。偉そうな管理職なんて、チームとしてうまく行きませんよ。」

 

結局、その場では折り合いがつかず、40代以上と、30代は物別れに終わった。

 

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どう思っただろうか。そして、「どちらが正しい」はあるのだろうか。前提から考えてみる。

 

40代、50代の管理職の方々に

「なぜ、褒める/叱るが大事だと思うのですか?」と聞くと、

彼らはこう答える。

「「褒める/叱る」ことで、人間のやる気を引き出すことができるから」

「良い行いには褒め、悪い行いは叱ることで、行動を正すことができるから」

なるほど、教科書通りの回答だ。

 

 

しかし、30代の管理職の一人が、こう述べた。

「今の時代は、自律的に動く人が求められていますよね。命令に忠実に従うことではないとおもいます。

褒める、叱るという行為は「命令に忠実に従った報酬、または懲罰」として与えられるものであり、人を操作しようとしている意志の表れではないか。もっと言えば、相手が大人であれば「子供扱いするな」という反発を生むのではないか。

もう、上意下達じゃいい仕事できないですよ。」

 

40代、50代の管理職は

「操作しようという意図はない」

というが、

「褒めるなら、お金をちゃんとあげてください。上の働かない人たちよりも。」

と、30代の管理職は疑っている。

 

最後に、30代の一人が、

「仕事は責任感に訴えるのが本筋であって、人から褒められる、叱られるが原動力なっている人は、仕事ができない人だと思います。」

と言った。

 

 

時代が変われば、少しずつマネジメントの思想も変わる。

少しずつ「管理職とはこうあるべき」という姿も、変化してきているのだろう。

 

 

 

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(Sandra Heska King)