インターネットにはデマが実に多い。
これだけ嘘がはびこっているという事は、情報発信者にとって嘘とかデマはある種のメリットがあるのだろう。
かつて西村ひろゆき氏が「嘘を嘘と見抜けない人には(2ちゃんねるを使うのは)難しい」という名言を残した。
与えられた情報を鵜呑みにする事なく、キチンと自分で裏付けを取った上で利用する癖をつけないと実際にインターネットから有益な情報を得続ける事は難しい。
とまあこんな感じでこの世には嘘が一杯なわけだけど、では個人はどう生きるのが正解なのか考えたことがあるだろうか?
私達は嘘をついた方が得なのか?それとも正直者であった方が得なのか?
今日はそれについて実感を交えて書いていくことにしよう
嘘を積み重ねる事は難しい。嘘は始まりで終わりなのである
かつてインターネットでキラキラアカウントというものが流行った事がある。
<参考 あなたを忘れない。夜空に瞬くTwitter歴代キラキラアカウントたち 2016年版>
ある女性が偽者のカルティエを販売し逮捕された。たいした事件ではないが、彼女のTwitterアカウントが判明してからは大騒ぎになった。
実は彼女「ばびろんまつこ」という名前で有名ホテルやブランド品の写真など、セレブツイートをしては憧れの的となる「キラキラアカウント」の代表格だったのだ。
セレブリティあふれる生活をSNS上で演出する事に腐心していたこれらのアカウントだけど、今になって振り返ってみると全くと行っていいほど活動を続けている人が存在していない。
実のところ、これらのキラキラアカウントのほとんどは虚像だろうといわれている。
インターネット上に転がっている写真を加工し、無断転用する事で虚像としての自分を演出していたのを暴露された人もいたし、実際はごく普通の田舎のOLの癖に、謎にイキリまくってたのを暴露された人もいた。
もちろん中には本物もいたとは思うのだけど、実際は本当にごく少数だっただろう。
ブームが終わった後で、彼女たちの今を振り返ってみると、実のところほとんどの人が活動を辞めてしまっている。
Instagramなど他のSNSに活動の場所を動かした人もいるとは思うのだけど、大半の人は嘘をつき続ける事の限界を迎えてしまったのではないかと予想している。
嘘はスタートダッシュは確かに早い。
ステキな彼に大事にされ、週末は外資系ホテルのバーでシャンパーニュ♡を傾ける姿を演出することは、インターネットに多少熟知している人なら朝飯前だろう。
しかし残念な事に、嘘は想像力が働かなくなった時点で飽和点を迎えてしまう。
いくらキラキラ女子を演出し続けようとしても、毎週毎週ホテルのバーでシャンパーニュ♡を傾けるわけにもいくまい。
そのうちネタが枯渇するであろう事は間違いなく、結局夜空の星となって嘘つきアカウントは消滅してゆくのは、初めからわかりきった既定路線なのだ。
いつの世も男は儲かった自慢、モテ自慢を繰り広げ、女性は美貌や凄い男性に愛されているという虚像を演出しがちである。
自分の経験上、本当にそういう人達はむしろそれらの情報を全くといっていいほど露出しない傾向があるのだけど、何故かインターネットにはそれらを自慢する人達で溢れている。
嘘松乙である。彼・彼女らは一生己の想像力の中で自分のない知恵を振り絞って精一杯虚像を貼り、虚しい承認欲求を補填するのだ。
たぶんこれからも延々と似たような事は続くだろう。人というのは全くもって学習しない生き物である。
真実は積み重ねていく事ができる
さてその一方で、ほとんど嘘をつかずにやってきた人間はどうだろうか?
これに該当するのは、長年活動を続けてきたブロガーが格好の良い例となるだろう。
彼等は調子に乗ることは多々あれど、基本的には自分を必要以上には飾り付けず、ずっと真実のみを語り続けてきたというネット上でも稀有の存在だ。
インターネットでは、誰だって初めは無名の小さな存在だ。
現在有名となった人達も、活動初期の話を伺うと「自分のブログに訪れるのは自分ひとりだけだったという期間が半年ぐらいは続いていた」という話が絶対にでてくる。
有名となった彼等ですらスタート地点はこのように慎ましいものだ。
しかし彼等は実直に真実を積み重ねていく事で、徐々に己の人格に厚みが増されている。すると驚くべきことに、始めの頃は想像もつかないような形でだんだんと成長を遂げていくのである。
こうしてみると実によくわかるけど、正直にやる事の最大のメリットは、真実は積み重ねが可能なのである。
その積み重なった真実は、下手な個人が考える嘘なんかより、よっぽどユニークで興味深いものとなる。
インターネットの海で、必要以上に飾る事なくコツコツと自分の真心に実直にやってった人は、そうして虚像とは比較にならないぐらい大きな存在となっていく。
これが正直にやってくことの最大のメリットであり、やはり長い目でみると正直者が最後には勝つのである。
現実社会も、結局正直者の方が強い
今回はインターネット上での嘘つきと正直者の比較を行ったけど、これは現実社会においても全く同じだ。
例えば、あなたの知り合いにも、嘘ばっかりつく人が1人ぐらいいたんじゃないだろうか?
そういう人は大抵において、人から信用を勝ち取ることができなかったり、嘘をつくためにまた別の嘘を積み重ねたりして嘘の重さに勝手に潰れていく傾向にある。実に愚かである。
冒頭にも書いたけど、世の中には実にデマや嘘が溢れている。彼等がなんでそこまでして嘘をつき続けるのかというと、結局のところ自分がちっぽけな存在であることや、何もわかっていないという事を認められない、心の弱さがその原因だろう。
嘘なんてつかずに誠実に生きていこうではありませんか。己の小ささを認めて、今日からコツコツ頑張っていけば、きっとあなたは将来大物になれますって。
知らない事は知らないといい、わからない事はわからないといい、己の無知を認めた上で今日から勉強していけばよいのですよ。
結局、最後は正直者しか勝ち残れないんですから。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
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<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
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3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【プロフィール】
都内で勤務医としてまったり生活中。
趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。
twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように
noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki
(Photo:Craig Sunter)