毎日3.5キロ走り続ける生活が4ヶ月を突破した。

最初はキツくて全く楽しくなかったこの作業だけど、今となっては毎日の楽しみとなる有様である。

走るのがこんなに楽しいアクティビティだったなんて、走る前は全く想像もできなかった。

人生というのは不思議なものである。

 

ランニングは楽しいのみならず、肉体的にもよい効用を提供してくれる。

走ると頭がスッキリし、メンタルもかなりタフになる。

メンタル面だけではなく、好き放題食べても体重が全く増えなくなるなど、肉体的なメリットも大きい。

かなりオススメなアクティビティである。

 

今の時期は暑くも寒くもないし、ランニングを始めるのに実に丁度いい季節だ。

なので今日はこれからランニングをやってみようという人に向けて、知っておいたら役に立ちそうな知識をまとめて紹介しようかと思う。

 

現代ではランニング界のF1クラスのシューズを誰でも買えるのをご存知ですか?

いうまでもなくランニングにおいて靴は物凄く大切で、変な靴を履いて走るとそれだけでもうシンドイ。

 

逆にいい靴を履くと…もうそれだけで走るのは楽しくなる。

というわけでさっそくだが個人的なオススメのシューズを紹介しよう。

ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2である。

 

2.6万円程度と少々値が張ってしまうのが難点だが、その価値は十分ある。

実はこの靴、先の東京オリンピックで優勝したケニアのエリウド・キプチョゲ選手が使用したものである。

つまり車で言うところのF1で、そんなものを一庶民が手軽に買えてしまうのだから…いやはや、いい時代に生まれたものである。

 

ヴェイパーフライの特徴はシューズ自体が走り手に走り方を指定してくる事だ。

靴自体に力がキレイに抜ける方向がある程度指定されていて、ランナーはそれに沿って走る事で自動的に正しい走り方が身につくようになっている。

 

走りながら足裏の感覚を研ぎ澄ますと、どう走ったら楽に走れるかを靴自体が教えてくれるという、教師役も兼ねた実に興味深い一足である。

 

ヴェイパーフライは脚にとても優しい

ヴェーパーフライは実に柔らかな造りをしており、踵や膝といったダメージが蓄積しやすい部分をガッチリと守ってくれている点も実に素晴らしい。

僕もランニングが4ヶ月目に突入してから少々左膝が痛む時があったのだけど、ヴェイパーフライを履くようになってから、ほぼ痛みが消失した。

 

やはり思い切っていい靴を買うものである。

このようにヴェイパーフライは本当に素晴らしいシューズなのだけど、難点はやはり値段である。

 

個人的には初心者こそヴェイパーフライを履くべきだとは思うが、どうしても2.6万は出せないというのならナイキには別レーベルでペガサスという1.4万円程度の汎用シューズがあるので、そちらを選択肢に入れるのもありだろう。

なおナイキの公式通販でセール品としていずれのシューズもかなり格安で出品される事があるので、興味がある人は要チェックである。

 

技術書はみやすのんきさんの一連のシリーズがわかりやすい

続いて走り方自体をどこから学ぶかである。

僕は毎日走りつつランニングの技術書をかなり読み漁ったのだけど、人によって言うことがかなりバラバラでとても困った。

 

中には

「初心者はフォームなんて気にするな。走れ」

なんて書かれているものもあり

「確かにそうかもしれんが…本を書いといてそりゃねぇだろ」

と思ったものまである。

 

そんな中でたまたま手にとったみやすのんき氏の書かれた”走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー”シリーズが非常にハイクオリティな本で、やっと僕の技術書ジプシーに終止符をつけられた。

この記事を読んだ人は是非最初からこれを買って読むべきだ。

走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー

走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー

  • みやす のんき
  • 実業之日本社
  • 価格¥1,336(2025/07/13 15:40時点)
  • 発売日2015/12/18

この本が素晴らしいのは人体構造に基づいてどういう風に身体を操作すればいいのかを淡々と書いている点だ。

非常にロジカルな本で、ここまでロジカルにランニングに切り込んだ本もそうない。

 

一連のシリーズを通して足運びだけでなく、胴体の傾け方や腕の振り方といった一般の本では適当に書かれがちな部分も詳細に検討が加えられいる点もまた素晴らしい。

読んでいてまさに目からウロコがポロポロと落ちるような気持ちになる事間違いなしである。

 

著者はかつて肥満体で運動音痴だったのにも関わらず、独自に研鑽を重ねて50歳過ぎでフルマラソンを3時間切りで完走する(フルマラソン”完走”男性の2.9%)までに至ったというが、彼の書いた本を読むと実に丁寧にランニングの技術を解析しており、素人でもこうやればそれなりの高みに登れるのだなぁと実に勇気づけられる。

 

この本は単にタイムをあげたいという人にも役立つが、毎日のランニングを”楽”にしたいという人にこそ個人的にはオススメである。

以下で後述するが、ランニングは努力や根性で走るのではなく、最も楽な動作でもってどれだけ最速ペースを維持できるかというのが本質だからである。

 

長距離走者がみんなホッソリしているのには理由がある

重いものを何度も持って、腕が疲れてしまった経験は誰にでもあるだろう。

筋肉は疲れて限界を迎えると動かせなくなる。

この現象をパンプアップというのだが、これは力む事で早々に生じる現象である。

 

筋トレなんかだとパンプアップする≒筋肉が太くなるという風にむしろ逆に狙ってやるタイプのものなのだけど、ランニングはむしろこのパンプアップを徹底して避け続ける事に本質がある。

50m走なんかなら全身の筋肉を使って全身全力で走る事もできるが、長距離走でこれをやるのは絶対に無理だ。

 

じゃあどうすればいいかというと、とにかく走って生じるエネルギーが摩耗しないように”力まないで”エネルギーを推移させるのだ。

こうして”頑張って力まない”で運動できるようにすると、筋肉は肥大せずに逆にホッソリとなる。

 

これは運動により生じたエネルギーに”抵抗”せず、逆に効率よくエネルギーが推移できるように体が適応する事により生じる現象だ。

つまり…ランニングは組織生理学的にも間違いなく”細くなる”運動であり、ダイエットには最高のアクティビティなのである。

 

ランニングの頑張り方は、人生にも通じるものがある

改めて考えて欲しいのだが、トップクラスの長距離ランナーはみな筋骨隆々ではない。というか逆にむしろ細い。

あれはなにも運動のし過ぎで痩せているのではなく、逆に長距離を速く走る過程で肉体がああいう風に適合されたのだ。

 

例えば有森裕子さんやQちゃんこと高橋尚子さんの全盛期の姿をみると、とてもじゃないが42キロ走れそうにはみえないぐらいホッソリとしているが、むしろあのホッソリさこそが非常に効率のよい動きができる”パンプアップしない”肉体である証明だ。

 

実はランナーだけではなく、尋常ではないぐらい働ける人の中にもこの手の肉体を持つものがいる。

 

僕が個人的に知る医者の中で「なんでこの人、こんなにアホみたいに働けるんだ?」という人間が何人かいるのだが、彼・彼女らは何も運動等をしていないのにとにかく細い。

昔は「きっと代謝が物凄く高いんだろうな…」と思っていたのだが、走るようになった今では「とんでもなく効率のいい肉体の動きを生得的にやっているからこその細さなのだ」と理解した。

 

逆に言えばである。

ランニングを通じて効率の良い動きをマスターできれば…あのアホみたいなエナジーを後天的にインストールできる可能性もある。

 

ランニングでもって、”パンプアップしない”肉体を手に入れられれば、あなたもいつか異常なまでにエネルギッシュな超人になれるかもしれない。

というか皆、それがわかっているから過労気味の社会人は走って効率のよい動きを身に着けようと試行錯誤しているのだろう。

 

スマートウォッチの本領発揮はランニングにある

装備、技術が揃ったら、あとは記録である。

これもストップウォッチのような前時代なものを用いるのはナンセンスである。

現代らしくIT技術を導入しよう。

 

昨今は便利なアプリが多いのでスマートフォンを使って走行記録を付けることもできるが、個人的にはスマートウォッチを使っての記録がオススメだ。

操作が簡単だし、なにより身軽になれるのがいい。

 

なおスマートウォッチは運動の記録にも役立つが、目覚まし時計としても非常に優秀だ。

 

僕はいわゆる目覚まし時計の類が非常に嫌いなのだけど、スマートウォッチの振動だけはあまり不快にならずに起床を促してくれるので好んで使っている。

目覚まし時計のピピピみたいな音で起こされるのが不快な人は、是非とも一度試してみてほしい。

物凄く気持ちのよい目覚めがえらえる事を保証しよう。

 

時計はどこのものを使っても正直いいとは思うのだが、僕はファーウェイのものを使っている。

GPSでもって走行距離やキロあたりの時速など、いろいろな尺度で評価してくれるので成長が記録でもって追えるのが実に良い。

 

この手の新しいデバイスは使い方を誰も教えてくれないので、使う側にセンスが求められる。

結構いろいろと試行錯誤するのが好きな人にはいいアイテムだけど、多くの人には無用の長物となってしまう。

 

だが、使いこなせるようになると生活の幅が非常に広がる。

そこに人生の妙がある。

お金を使って、新しいものを取り入れて、人生の幅を拡張させるのはこの世で最も贅沢な行いの1つである。

 

お金をかけて買ったもので、お金では買えないものを手に入れるのが一番の贅沢だと思う

靴、技術書、そしてスマートウォッチ。これらを揃えれば、後は淡々と継続あるのみである。

 

現代はこのように色々なものがお金で買えるけど、こうしてお金をかけて買ったものを使って何かを獲得する為には、最後の最後で自分の意思の力が必要となる。

お金使って最先端の技術を自分の生活に導入し、その上でお金では買えないものを手に入れる。

僕が思うに、この行為こそがこの世における一番の贅沢だ。

 

靴も技術書も時計もお金を出せば誰だって買えるが、いくらお金を払っても他人に走ることを代行させる事はできない。

 

こうやって、しっかりと手に入れられる範囲では最先端のモノを揃えつつ、最後の最後で土臭く”やる”。

こうして単なるランニングが、極上のアクティビティとなる。

 

走るという一見すると単純な作業ですら、このように己のセンス次第でいくらでも創意工夫を働かせる事が可能だ。

己がやる体験を、どうやって豊かにするか。そこに現代社会の妙がある。

結局、何をするにしてもだ。楽しくやれるかどうかは、全て自分次第なのである。

 

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


ウェビナーバナー

▶ お申し込みはこちら(東京都サイト)


ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。

<2025年7月14日実施予定>

投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは

借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである

2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。

twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように

noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます

Photo by Jon Tyson