4230175179_768104a5c8_z日本人は特に、仕事に対して真剣な人ほど、会社や上司に対しての不満を言うのがみっともない、という意識があるように感じる。

私は「日本人は」という物言いはあまり好きではない。たまたま私の身の回りがそうであるだけなのかもしれない。

だが傾向として、たとえ事実であっても前の会社のことを悪くいう人は敬遠され、「意識高い人」は会社への不平不満を言わないものだ、との認識を持っている人は少なくないのではないだろうか。

 

 

つい先日、大変仕事のできる知人と食事をした時だ。彼は現在、社長との関係が悪く、会社で十分に力を発揮できていないようだった。

その方に責任の一端があるのかとも思ったが、周りの方々の話を聞いたり、業績の数字を聞くとどうやら社長の側に多くの問題があるようだった。

だが、その方は社長や会社への不満をほとんど口にしなかった。

「私が変わればいいんですけどね」

と彼は言う。私は、こういう方が日本においては歓迎されるのだろうと感じる。

 

 

一方、中国やアメリカの方は会社に対しての不満を日本人と比べてはっきり口にする傾向にある。

新将命氏は著書、「経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目」の中で、アメリカ人、中国人などは給与への不満をはっきりと口にする、と述べているが、これは私の経験とも一致する。

もちろんはっきりと言い過ぎてトラブルになるケースも多いようだが、「不平不満は労働者の権利である」という法的解釈もあるとのこと。

Facebookなどのオンラインのメディアで会社や上司の愚痴を言うのは、労働者の権利であり、不当な解雇がなされればNational Labor Relations Act(日本でいう労基法や労働組合法)で守られるという法的解釈を、NLRB(全米労働関係委員会)が出したというお話。
企業法務マンサバイバル

 

愚痴を奨励するつもりもないし、不満ばかり口にする人と一緒に酒を飲んで楽しいか、と言われればそんなことはないのだが、「不平不満を言うのが、恥ずかしいことである」という宗教がかった認識はいかがなのものかと思う時もある。

そういった空気が蔓延する会社においては、「不平不満は本人の問題」とする認識が大勢を占めるようになるからだ。

 

 

昨日、ある会社の新卒採用をやっている方から、このような話を聞いた。大学の就職課や就活支援コンサルタント(?)は次のようなことを言うそうだ。

「エントリーシートはラブレターで、就職は結婚のようなもの」

丁寧にかけ、という話なのだろうが、会社は仲間・家族と言った意識も見え隠れする。おそらくこの「仲間意識」が、不平不満を言わせるのをためらわせるのかもしれない。

会社において不平不満を言わせないという、同調圧力は思ったより大きい。

 

 

だが、ある経営者は、不平不満についてこう述べた。

「不平不満を言えない会社は息苦しいですよ。とても。だからうちは不平不満歓迎です。

正直言えば私は従業員に満足してもらっては困る。向上心を失いますから。だから、不平不満を言わせないのではなく、「不平不満を行動に結びつけるにはどうしたらよいか」をいつも考えています。」

 

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松原 亮 氏(株式会社TOKIUM 取締役)
東京大学経済学部卒業後、ドイツ証券に入社し投資銀行業務に従事。
2020年に株式会社TOKIUMに参画し、当時新規事業だった請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」の立ち上げを担当。
2021年にはビジネス本部長、2022年より取締役に就任し、経費精算・請求書処理といったバックオフィスDX領域を牽引。
業務効率化・ペーパーレス化の分野で多くの企業の課題解決に携わってきた実績を持つ。

安達 裕哉 氏(ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO)
Deloitteで大手企業向けの業務改善コンサルティングに従事した後、監査法人トーマツにて中小企業向け支援部門を立ち上げ、
大阪・東京両支社で支社長を歴任。2013年にティネクト株式会社を設立し、ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年には生成AIに特化した新会社「ワークワンダース株式会社」を設立。生成AI導入支援・生成AI活用研修・AIメディア制作などを展開。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計71万部を突破し、2023年・2024年と2年連続でビジネス書年間1位(トーハン/日販調べ)を記録。


日時:
2025/5/16(金) 15:00-16:00

参加費:無料  定員:50名
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(2025/5/8更新)

 

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(Photo:Aitor Calero)