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仕事柄、わたしは人の自慢を聞く機会がとても多かった。人が自慢することは本当に様々であり、

 

多いのは「お金」、「地位」、「仕事の実績」、「交友関係」など。

また、人によって「学歴」、「出身地」、「家族」、「知識」など、ほんとうに多種多様だ。

 

また、経験的に地位が高い人、経営者は自慢が好きな人が多い。社内では控えているのだろうが、その反動で社外の人にはつい承認欲求をむき出しにしてしまうのだろう。

 

 

だが、一般的に、自慢は嫌われる。

自慢が嫌われる理由はいくつかあると思われるが多くは次のような理由だろう。

 

  1. 嫉妬
  2. 見下される感覚
  3. 話を聞かない

 

上司や先輩の「昔語り」にうんざり、という新人もさぞかしたくさんいるだろうと推測できる。

また、自分の持っていないものを持っている人に対する妬みは非常に強い負の感情であるため、そう言った感情を引き起こす「自慢」は聞きたくない人が多いのだろう。

 

だから、自慢はやめたほうがいいですよ、と言われる。

 

 

 

だが、ここから少し考えてみよう。

実は「自慢を聞くこと」は悪いことばかりとも言えない。

 

例えば自慢が嫌だ、という人も多いが、私はその人の価値観がわかるので自慢してもらったほうが嬉しい。何に重きをおくのか。何に価値を感じるのか。そういったことを知るためには自慢ほど良い情報源はない。

 

私は部下に営業を指導するとき、「とにかく、相手に自慢させなさい」と指導していたが、それは相手を理解する近道だからだ。

自制心が非常に強く、自慢を全くしない強者もたまにいたが、かえってそれは人間らしくないので、付き合いづらいことも多い。

 

また、自分に向けて自慢をしてくれるのは、一種の信頼の証でもある。普段そんなことを言わないような人が、自分に向けてポツリと自慢をしてくれるのは、一種の快感ですらある。

 

また、「自慢ばかり」という人も、見方を変えればとてもわかりやすい人であり、「承認」と「自信」が与えられればよく働いてくれる。

 

 

お互いに人間なんだから、自慢くらい聞こうよ。

そういったことが言える付き合いも悪く無いと思うのだが、どうだろうか。

 

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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)

 

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(Photo:Viewminder)