大学探訪記日経新聞の1年分の記事を全部読みこみ、それを分類するには、人間には約41日かかります。

その作業、コンピュータに任せてみませんか?

そんな研究をしている人がここにいます。兵庫県立大学大学院 シミュレーション学研究科D1の川田真也さんです。

 

IMG_1246

 

川田さんは今何かと話題の人工知能の一分野である「機械学習」について研究しています。

機械学習

機械学習とは、人工知能のプログラム自身が学習する仕組みである。そもそも学習とは何か、どうなれば学習したといえるのか。学習の根幹をなすのは「分ける」という処理である。

(中略)機械学習は、コンピュータが大量のデータを処理しながらこの「分け方」を自動的に修得する。いったん「分け方」を習得すれば、それを使って未知のデータを「分ける」ことができる。

(出典:人工知能は人間を超えるか 角川EPUB選書)

そして、現在川田さんが取り組んでいるのは「新聞記事」を「分ける」ことなのです。

日経新聞には1年間で13万件の記事があります。その膨大な量の記事をコンピュータに読ませ、読ませた記事をコンピュータに分類させます。コンピュータが自発的に「分類」したその記事、人間には気づかなかった法則性があるかもしれません。例えば、

景気が悪くなる時にどんな単語が頻出するか?

どの政党が次の選挙で勝ちそうか?

どんな広告の文言が消費者にウケたのか?

そんなことが、膨大なデータを分析しているコンピュータなら、わかるかもしれません。

 

川田さんはもともと、修士課程を修了してすぐに研究者の道に進んだわけではありませんでした。

マーケティングや経営に興味があったので、一度webマーケティングの会社に就職し、SEOやウェブ広告のコンサルティングや、日々蓄積される膨大なアクセス数を用いた簡易的なデータ解析を行っていました。

ある時、クライアントとの会話の流れからそのクライアントの持つ年間の購買データを解析することになりましたが、ふとその時、

「スーパーコンピュータを用いて、学術的なアプローチで実データを解析すれば、どのような真理がわかるのだろうか」

という興味が湧いてきました。そしてその興味を抑えきれず、大学に戻り研究者としての道を進む決心したのです。

 

川田さんはこう言います。

「関係ないキーワード同士の関係性が見えると、ほんとうに嬉しい。流行が出来上がるメカニズムも解明できる。また、リーマン・ショックのデータを調べるとその扱いが国際面、経済面、政治面とどんどん面が移り変わっていった現象もとても興味深いです。」

 

現在、川田さんは日経新聞の記事について分類されたものをクラスター解析し、再分類、統合を行うための吟味を行っています。

 

こういった研究が可能になったのも、スーパーコンピュータ「京」の活躍があればこそ。コンピュータが人間の知能を超える日は近いのかもしれません。

 

 

【バックナンバー】

【大学探訪記 Vol.8】雲とチリの相互作用を、スーパーコンピュータで再現する。

【大学探訪記 Vol.7】ゲームからはじまる学問だってある

【大学探訪記 Vol.6】スーパーコンピュータ「京」で社会のしくみを解き明かす

【大学探訪記 Vol.5】銀幕スターを通じて「戦後の日本人」を解き明かす

【大学探訪記 Vol.4】ベトナムの人材育成を支援したい!と、ベトナムに単身渡る女子大生

【大学探訪記 Vol.3】プロ野球に統計学を適用するとどうなるか?

【大学探訪記 Vol.2】1本の木を植えるとどんだけ気温が下がるのか?

【大学探訪記 Vol.1】東大のNicogoryというスタートアップを訪ねました

 

【生成AI関連ウェビナーのお知らせ】
単なる理論ではなく、現場で成果を出す生成AI活用の“実装方法”を知りたい方に最適なウェビナーです。
本セミナーでは、製薬・バイオ企業でのPoC(概念検証)から得られた実データとノウハウを元に、「どこにAIが効くのか」「どこが難しいのか」を明確に解説します。

製薬・バイオ企業の生成AI導入セミナー

お申し込み・詳細はこちら


【開催概要】
・開催日:2026年2月12日(木)
・時間:12:00〜13:00
・形式:オンライン(Zoom/ログイン不要)
・参加費:無料(定員150名)

製薬・バイオ企業の生成AI導入は、「試行」から「実利」を問うフェーズへと移行しています。
本セミナーでは、13チームのPoCで時間を50〜80%削減したノウハウを余すことなく共有します。適用可否の見極め、評価設計、失敗領域への対応方法、全社展開のガバナンス設計まで、実践的な内容です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

【対象者】
・製薬・バイオ・化学業界のDX/業務改革担当者
・AI導入プロジェクト責任者・企画部門・法務・人事などの全社展開担当者
・PoC設計や効果測定の「型」を学びたい方
・自社の生成AI活用を確実な成果につなげたい実務担当者

【セミナーの内容】
・生成AIの“適用可否”を短期間で見切る方法(PoC設計・評価の型)
・現場で成果を出すAI活用ノウハウ(バックキャスティング/プロンプト構造化 等)
・適用が難しい領域(PowerPoint・OCR 等)の整理と次の打ち手への転換
・横展開に向けたガバナンス設計とナレッジ共有

【登壇者】
奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


【お申込み・詳細】
こちらのウェビナー申込ページをご覧ください。

(2026/01/19更新)