仕事においては出世するたびに複数の仕事を同時並行でこなす「マルチタスク」が求められるようになる。だが、マルチタスクを確実に行うのは難しい。
そのため、以前マルチタスクのやり方についての記事を書いた。
しかし、この記事を読んだ方から先日「もうすこし、簡単にやる方法はないですか」というご意見を頂いた。
同じような感想を持たれる方も多かったようで
「タスク化が面倒」
「仕事を書き出すことを忘れる」
「いちいちタスクツールを見ない」
といったコメントも頂いた。
実際、前職にいる時から「几帳面な人はマルチタスクができるが、ずぼらな人はどうするのか」は大きな課題であった。やらなければならない事を確実にタスク管理ツールに入力すれば良いのだが、それができない、というわけである。
そこで、「もうすこし楽にマルチタスクをこなす方法」が無いだろうか?ということでやり方を工夫した。
私は、最近ではこちらのやりかたを初心者にはおすすめしている。専用のタスク管理ツールをつかうやり方に挫折してしまう方は、こちらのほうが良いかもしれない。
以下にそれをご紹介する。
必要なのは、
1.カレンダーアプリ(Googleカレンダーなどが、スマートフォンから使いやすい)
のみである。
運用方法
1.やらなければならない仕事は通常であれば下のようにタスク管理ツールに入れる。
しかし、予定が発生する都度タスク管理ツールを開くのは面倒である。そこで簡易的なやり方では「カレンダー」に予定として入れる。
さらに、カレンダーのタイトルを以下のようにしてしまえば、タスクにする必要はなくなる。
この方法が優れているのは、「先に時間を取る」ということだ。大体において仕事の遅れは時間を確保していないことに起因する。
「タスクばかり増えて、一向に消化できない」という状況を避けるためにも、先にタスクの時間を確保することは有効である。
したがって、他の予定も入れていくと、最終的には会議やアポイントなどと一人で行う仕事が混在するようになる。
これを実施するだけで、キャパシティをコントロールできる。カレンダーが埋まってしまったら、「オーバーキャパシティ」ということだ。目に見えるキャパシティコントロールは非常に分かりやすい。
「先送り」してしまった仕事は、Googleカレンダーであれば、ドラッグ&ドロップで別の日程に移し替えれば良い。また、ルーティンワークも「カレンダーの繰り返し機能」を使うことでスケジューリングを自動化できる。
また、割り込みが入ってもカレンダーのつまり具合を見て、請けられそうか、それとも納期の交渉が必要そうかどうかをすぐに判断可能だ。
2.ちょっとした問い合わせへの返信など、カレンダーに入れるにも及ばない細かいタスクは「inbox by Gmail」で管理する。
このソフトの優れたところは、「メール=タスク」となっているところだ。まずは、使い方を見て欲しい。 (1:43)
送られてきたメールが、勝手にカテゴリ分けされ、そのままタスクとなっている。いちいちタスク管理ツールに内容を転記する必要がない。
したがって、メールが残っていれば「未完了」のタスクであり、スマートフォンでは動画のようにスワイプするだけでタスクを「完了」させることができる。また、PCではメールの右端のチェックマークをクリックすれば、そのまま左の「完了」というフォルダに格納される。
タスク管理ツールにわざわざタスクを書き込まなくても、メールに書いてさえあればタスク管理をすることができる優れモノのツールである。
また、Inboxにはスヌーズ機能があり、メールの右端の時計マークをクリックすれば一時的にメールを見えないようにしておくことができ、時間を指定して再表示させることができる。
やるべきことが多すぎると気が散るので、今日やる仕事以外は全て消してしまい、指定日に自動で表示させることもできる。
なお、会社などで利用できるメーラーが制限されているときは残念ながらこの方法は使えないが、Gmailは場合によっては会社のメールを受信できるため、以下のリンクを参考にして、設定が可能ならやってみてもよい。
いつでもどこからでもGmailで会社のメールにアクセスしよう(3)(マイナビニュース)
Inboxからは、この設定ができないため、Gmailで設定を行ってからInboxを利用すれば問題ない。
これで「カレンダー」と「メーラー」だけでマルチタスクに十分対応可能である。簡単に生産性を向上させることができるので、是非お試いただければと思う。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
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(Photo:Ryan Ritchie)