「興味がない」という言葉を口にしないほうがよい、と昔ある先生から教わった。今になって思うと、非常に重要な指摘だったと感じる。
私が理由を尋ねると、「「興味が無い」という言葉は、自らを狭い世界に押し込めるからです」と先生は言った。
先生は、こうも言った。
「その学生さんが社会に出て成功するかどうか、大体その発言でわかります。「興味が無い」とすぐに言ってしまう人は、大抵成功できません。たまたま良い会社に入ったとしても、研究者になることができても、途中で成長が止まります。」
先生は、ある一人の学生の例をあげた。
「その学生は、「そっちには興味が無いので、重要な事だけ教えて下さい」というのが口癖でした。彼は明晰で、自分の興味のあることには非常に積極的でしたが、それ以外はサッパリ、と言った具合です。」
どこかで聞いたような話だ。
「彼は結局どうなったか?というと、20代後半から全く伸びなくなりました。あとから入ってくる若手にもどんどん抜かれてしまいました。」
先生は周りの学生たちを見渡した。
「なぜだと思いますか?」
学生たちが発言する。
「新しい知識を拒んだからです」
「好奇心がなかったからです」
「閉鎖的だからです」
先生は、皆に言った。
「どれも正解です。ですが、本質的には「興味が無い」という発言は、2つのことを示しています。知識を扱う仕事につきたいなら、これは覚えておいたほうが良いでしょう。」
我々は身を乗り出した。先生は言った。
「1つ、「興味が無い」と自分で線引をすることは、自分の枠組みを知識に押し付けてしまっています。これは柔軟な発想ができなくなる行為です。
知識はどこで繋がるか予想ができない。「興味が無い」と発言することで、真理に至る道を自分で閉ざしている可能性が高い。
大きな発見は、しばしばその道数十年、といった専門家でなく、他の道から新規参入した人が成し遂げることがありますが、知識の繋がりは予想できないのです」
「2つ、「興味が無い」という発言は、周りの人にとても攻撃的な印象を与えます。よく言うでしょう。「嫌い」よりも「無関心」のほうが人を傷つける、と。
協力者を失うことは、大きな損失です」
私はその日以来、
「興味が無い」
という言葉を決して使うまいと決めた。
(2026/6/2更新)
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