GoogleはSEO対策されていて「リアルじゃない」
確かにそうだなとも思ったのですが、だからと言って、インスタに「リアル」があるか言えば、それが10代にとって「リアル」に見えるのは、「写真」つまり「絵」というものがロジックを必要としない、とてもインスタントなコミュニケーションだからなんじゃないかなって思いました。
つまり、ただ分かりやすいだけなのでは?と思ったのです。
そこで今日は「写真」ではない「テキスト」による、大人の「リアル」を知るための大人のGoogle検索を提案します。大人の検索なのでちょっと手間がかかりますが、たぶんインスタよりも深みのあるリアルな情報を得ることができます。
一例としてまずは「上司」とGoogle検索してみましょう。↓(※プライベート検索はオフにしてます)
Wikipediaが一番上に出てきます。たしかにつまんない。役に立つ情報かも知れないけど「リアル」ではない。
2番目3番目に表示されるトピックみても、ガチガチにSEO対策を施したメディアが出てくる。それは誰にでもわかりやすい耳心地のいい話ではあっても、生々しい「リアル」はない。若者の言う通りだ。
では、どこに「リアル」はあるのか?人間の行動、思考の生々しい「リアル」はどこにあるのか?
それは、Googleの検索サジェストにあります。
検索サジェストとは、「検索する前に検索結果を出しちゃえ」との考えのもと、あるワードを入れるとその次に入力するであろうワードを先回りして表示させる機能です。
もちろんコンピューターが目の前にいる人間の頭の中を覗けるはずはないのですが、Googleは過去の人間の入力を記録して整理して、それを目の前の人に合理的に表示させることができます。
合理的というのは、多くの人が過去に検索していた言葉を表示させれば、それは検索したいワードである可能性が高いはず、だからそれらをとりあえず上から順番に出しとけ。それが検索サジェストです。
例えば「上司」の後に「あ」と入れると
このように、先回りしてサジェスト(示唆)されたワードが出てきます。今まで「上司」の後に「あ」からはじまる言葉を入力しようとした人が「何」を入力していたかがわかるわけです。
というわけで、あ行から「上司 あ」「上司 い」「上司 う」「上司…とひとつひとつ入力してサジェストされるものを調べてみました。
あ行「上司 合わない」「上司 意味」「上司 うざい」「上司 英語」「上司 お礼メール」
か行「上司 カラオケ」「上司 キス」「上司 クズ」「上司 喧嘩」「上司 殺したい」
さ行「上司 殺意」「上司 死ね」「上司 好き」「上司 先輩」「上司 相談」
た行「上司 誕生日プレゼント」「上司 チョコ」「上司 使えない」「上司 とは」
な行「上司 殴る」「上司 苦手」「上司 濡れ衣 ミス」「上司 年賀状」「上司 飲み会」
は行「上司 反抗」「上司 評価」「上司 夫婦 年賀状」「上司 返信」「上司 報告 メール」
ま行「上司 間違い 指摘」「上司 見舞い」「上司 むかつく」「上司 メール」「上司 モラハラ」
や行「「上司 やる気ない」「上司 夢占い」「上司 呼び方」
ら行「上司 ライン」「上司 理不尽」「上司 類語」「上司 恋愛」「上司 論破」
が行「上司 頑張って」「上司 嫌い」「上司 愚痴」「上司 迎春」「上司 ご祝儀」
ざ行「上司 残業」「上司 上長」「上司 ずるい」「上司 絶対」「上司 贈答品」
だ行「上司 大好き」「上司 dime」「上司 ヅラ」「上司 電話」「上司 怒鳴る」
ば行「上司 バレンタイン」「上司 病気メール」「上司 部下 恋愛」「上司 別の言い方」「上司 暴言」
ぱ行「上司 パワハラ」「上司 ピリピリ」「上司 プレゼント」「上司 ぺこぺこ」「上司 ポンコツ」
ん「上司 ng ワード」
上司ってどんだけ嫌われてんだ?
上司の後に出てくる言葉の30個はネガティブワードでした。まさに示唆的。
上司は嫌われてんですよ。誰が何と言おう嫌われてんですよ。殺意が沸くほどにね。おまけにポンコツでヅラだと。
辛うじて前向きっぽい言葉は4個だけあった。「キス」「 好き」「 大好き」「 恋愛」。すべて恋愛ネタだけど。「上司 キス」は検索するとメロドラマはじまりますw。
どちらにしろ、このようにサジェストされたこれらのワードを眺めてると、
残業時の休憩がてらに何となく検索しちゃうヤツ、
疲れ果てて無意識に怖いこと検索している女子、
「マジ復讐してやる」と凄んで検索する危ない部下、
ありありと目に浮かぶわけです。(少なくともそう自分は想像しました)
あーなるほどね。ここには生々しい「リアル」がある。Google検索を通して、人間の営みが見えてくる。
それはただただタイムラインから流れてきたものを眺めていたり、人間が意図的につけたハッシュタグを検索するだけでは見つけることができない、人間の隠された本性が潜んでいる。と思うわけです。
それが大人のGoogle検索、大人の「リアル」だと思うわけです。
(了)
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
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2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)