どの会社を見ても、経営者は「お客様のために」と連呼する。言うだけならタダだから、対外的に表明する分には別に構わない。中には、心からそう思っている人もいるのだろう。
しかし、社員に対して「お客様のために働け」という時は注意が必要だ。特に「お客様は神様です」と言ってしまうような極端な顧客至上主義は、社員の心のバランスを大いに損なう可能性がある。
以前も取り上げた、ロチェスター大学のエドワード・L・デシは、こんな実験を引用している。
ロチェスター大学の研究者であるリチャード・ライアンと、ウエンディ・グロルニックは、小学生に対して、モチベーションの高さを測定した。その際に2つのグループを比較した。
1.親や教師から「良い成績を取ることを期待されている」が、それついて、「親や教師が怖いから従っている、あるいは親や教師がいい成績を取ると喜ぶからやる」と考えているグループ
2.親や教師から「良い成績を取ることを期待されている」が、その意義について「自分にとって大事だから」と考えているグループ
両グループとも、勉強に対するモチベーションに大きな差はなかった。
しかし、前者は心に大きな不安を抱え、失敗に対して大きな恐れを抱えているのに対し、後者は学校での生活を楽しみ、失敗に対してより健全な反応を示すことが明らかになった。
これについて、デシは次のように述べている。
子どもたちを見た時、彼らが学校での活動や雑用をやっているのは、服従によるものだということに、我々はどれだけ気づいてあげる事ができるだろうか。「おやおや」と我々は考える。「彼らは随分とやる気になっているじゃないか」そして、万事うまく行っていると思い込んでしまうのである。
モチベーションが高いからといって、「自分の意志でそうしている」のでなければ、彼らは心の奥底で深く傷ついている。何かを実行することに対して、内的圧力が働くことは、一見結構なことのように思えるが、大きな代償をともなう。
「顧客のために」は一見美しい言葉なのだが、無批判にこれを受け入れるように従業員にこれを強制することは、結局は「自分自身にとって何が正しいか」を見つけ出すと言うよりは、「他者を喜ばせることにもっぱら焦点を合わせるようになる。」それは、長期的に見れば、心のバランスを崩す事に繋がる。
精神疾患の患者が増えているのは、企業の行き過ぎた顧客第一主義に原因があるようにも見える。
「顧客に喜んでもらうことが嬉しい」は、あらゆる人にとって自明ではない。
実は、自然にそう思う人は少数派であり、そう思うためには高度な心のバランスが必要であり、顧客に喜んでもらうためには、まず従業員の自己にたいする尊厳を養うことが最優先である。
最も収益率の高い航空会社の一つであるサウスウエスト航空が「従業員が第一、顧客が第二」というポリシーを掲げているのは、偶然ではない。
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