ピーター・ドラッカーはその著作の中で、「従業員にどうやって責任感をもたせるか」について触れている。

彼は小手先のテクニックへで責任感をもたせようとする行為に警鐘を鳴らす。

最近、仕事に対する誇り、自らの重要度についての認識、仕事における達成感を与えることの大切さが盛んに論議されている。しかし、誇りや達成感はあたえることができない。自らを重要であると感じさせることも出来ない。

従業員への手紙の中で「親愛なる従業員」と呼ぶことによって自らを重要であると感じさせることは出来ない。社長が間抜けに見えるだけである。

そして、こう続ける。

誇りや達成感は仕事と離れては生み出されない。仕事の中から生まれることが重要である。(中略)人は誇れるものを成し遂げて、誇りを持つことができる。さもなければ、偽りの誇りであって心を腐らせる。

人は、何かを達成した時達成感を持つ。仕事が重要な時、自らを重要であると感じる。

そして、仕事には次の条件が必要であると説く。

誇りや達成感や自己重視の基礎となるものは、自らの仕事についての意思決定や、自らの属する職場コミュニティへの運営に対する積極的かつ責任ある参画だけである。

その後の実験、事例では、「実際に仕事をする者が最初から仕事の設計に参画する時」には、優れた仕事の設計、優れた仕事ぶり、そして、変化への抵抗の消滅が見られたという。

 

ドラッカーは、「従業員向けの年次報告書の発行」や、「新規採用者むけハンドブックの作成」、あるいは新しい手法やスキル、顧客サービスや電話応対についての講習会の開催などはすべて、従業員に任せることが望ましいとする。

また、赤十字の献血、クリスマスパーティー、交代勤務のスケジュール作成、職場安全運動、社員食堂、従業員向け社内報なども同じだとしている。

さもなければ、「従業員にマネジメント的な視点を獲得させる最高の機会を失う」ことになる。

 

この話で何を皆さまは何を感じただろうか?

「従業員に任せると、手抜きをする」

「任せても、ちゃんとできるか疑問だ」

「従業員は、責任を引き受けたがらない」

という声も多いだろう。

もちろん、すべての従業員が責任を引き受けることを欲しているとは言えない。また、社長や上司への個人的な感情から、会社に反発する者もいるだろう。

しかし、その一部の人間がそうだからといって、全員が「手抜きする」わけではない。

 

ある工場では、「職場の全員が、いかに自分の責任を軽減するか」ばかり考えていた。

工場長は職場の社員に「何が原因なのか」と聞いたところ、最初は口を揃えて「プライベートを充実させたいから」と述べていたが、実は本音では「自分の仕事はだれでも出来る仕事だ」と自分を卑下していた。

これは、「一流の仕事」を求めていない工場長の責任であった。一流の仕事を基準し、それを実現すれば人は「仕事」と「趣味」のちがいをさして気にしなくなるものだ。

 

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