「不愉快な人」に出会ったらどうするか。
リアルな場での出会いの場合、多くの人は可能な限り「連絡を取らない」「顔を合わせない」という行動に出るだろう。
場合によっては職場をやめたり、コミュニティを抜けたりするかもしれない。
要するに「不愉快な人との間のネットワークを断ち切る」のである。
では、同じように「ネット」という場所で不愉快な人に出会ったらどうするか。
私の知人の一人は、「え、すぐにブロックするの当たり前じゃない?」と言っていた。
彼によれば、「不愉快な人物の発言が目に入るだけでも、消耗する」からなのだそうだ。
「別の意見を聞くことも重要では?」と投げかけると、
「インターネットでは建設的な議論は難しいので、そんな時間のムダはしない。」
という。
私はそれが正しいかどうか、判断をしていなかったが、改めて1冊の本を読んだ時に感じた。
これは単純な問題だったのだ。
結論としては彼の言うとおり、「ブロックする」のが合理的だ。それもすぐに。
では、なぜ「不愉快な人はすぐにブロック」が最も合理的なのか。
◆
ハーバード大教授、ニコラス・クリスタキス氏は、マサチューセッツ州フレーミングハム出身の12万人以上のデータを分析し、「幸福のレベル」を調査し、そのつながりを調べた。
それが以下の図である。

クリスタキス氏は、「この図からわかることは2つある」という。
1.ネットワーク内では不幸な人は不幸な人同士で、幸福な人は幸福な人同士で群れをつくっている。
2.第二に、不幸な人はネットワークの周縁に位置するようだ。つまり、社会関係の連鎖の末端、ネットワークの外れに存在する傾向が高い。
クリスタキス氏はこのネットワークの時間的、空間的分析から、「友人・知人の幸福が、別の人の幸福に影響を与える」と指摘する。
ネットワークの数学的分析から、直接つながっている人(一次の隔たりにある人)が幸福だと、本人も約一五%幸福になるらしいことが示されている。
しかも、幸福の広がりはそこで止まらない。二次の隔たりのある人(友人の友人)に対する幸福の効果は約一〇%、三次の隔たりのある人(友人の友人の友人)に対する効果は約六%あるのだ。四次の隔たりまでいくと効果は消滅する。
この、「知人の知人の知人」という、ほとんど面識の無い人でさえ、ポケットの数百ドルよりも、幸福に大きな影響を及ぼすかも知れない、という事実から、クリスタキス氏は「付き合う人を選べ」という。
そのキーとなる要因は「感情の伝播」である。
友人の感情の状態までを考慮に入れると、より多くの友人をもつだけでは十分ではないことがわかる。より幸福な友人を持つことが、私たち自身の感情を健やかに保つカギなのである
ここまで来ると、「不愉快な人はすぐにブロック」の理由がわかる。
一つ目の理由は、「人を貶めたり、過激な発言をしている人」が、目の届く範囲にいると、自分もその人の「感情」の影響を強く受けてしまい、人を攻撃しかねない、ということ。
二つ目の理由は、自分が怒ったり不幸になったりすると、大切な自分の友人までその被害をうけること。
自分だけが争いに巻き込まれるならともかく、自分の大切な友人や知人を負の感情に晒して良い、という人は少ないだろう。
◆
「友達・知人を選べ」という、非常に当たり前の助言は、ネットワークの解析によって正しいことが明らかになっている。
そしてもちろんこれは、「職場を選べ」といっていることにも等しい。
不愉快な人物が数多く居る職場では、自分自身も「不愉快な人物」になってしまっている可能性がある。
それは家庭に持ちこまれ、友人との飲み会に影響し、親戚づきあいを変える可能性がある。
余談だが、上のような事実を踏まえると「会社のトップの機嫌の良さ」や「管理職の機嫌の良さ」が、職場を選ぶ際に、非常に重要な情報であることは間違いないと言えるだろう。
また「不愉快な人物が多い」からといって、「孤独」を選択することもまた、良い選択ではない。
クリスタキス氏の調査では、「絶えず孤独を感じている人は、2年から4年のうちに平均して約8%の友人を失う」ことがわかっている。
そのせいで、彼らはますます、孤独になる。
孤独な人が引きつける友人はただでさえ少ないのに、そのうえ彼らは少ない友人しか持とうとしない場合が多いからだ。
要するに、孤独はつながりを失う原因にして結果なのである。
感情とネットワークは相互に強化し合い、「豊かな者はますます豊かに」というサイクルを生み出す。
最も多くの友人を持つ人が恩恵を被るわけだ。友人の少ない人は孤独を感じやすい。するとこの感情のせいで、新しい社会的絆を引き寄せたり結ぼうとしたりする可能性が低くなってしまうのである。
精神を健やかに保ち、健全な人間関係を育むには、「ネガティブな感情を持つ人々」からとにかく距離を置くこと。そして、「幸福な友人」をたくさん持つこと。これに尽きるのである。
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、
メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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