日頃からゲームをプレイしている、10代から40代の日本人って、どれくらいいると思う?

3割くらい? もしかしたら半分? いやいやさすがにそれは多すぎるか?

 

答えは、77%。

10代では9割以上、20代でも約85%の人がなにかしらのゲームをしている。

40代でも、なんと65%はゲームプレイヤーらしい(ゲームエイジ総研)。

 

この統計結果を、意外だと思うだろうか。

 

わたしは驚かなかった。

ゲームプレイヤーのひとりとして、「大人になってもゲーム大好き」という人の気持ちがよくわかるからだ。

 

もともとポケモンの金銀や大乱闘スマッシュブラザーズくらいしかやったことがなかったし、「いい歳した大人がゲームなんて」と鼻で笑っていたタイプだったのに。

気がついたらゲームに目覚め、隙あらば毎日PS4をつけるようになってしまっていた。

 

最初はなんでこんなにも夢中になるかわからなかったけど、いまならわかる。

 

なぜわたしは学生時代、ゲームにハマらなかったのか。

なぜ大人になって、いまさらゲームにのめりこむのか。

 

それは、大人になって満たせなくなった部分を、ゲームが埋めてくれるからだ。

 

「達成したら報酬がもらえる」という普遍の法則

まわりを見渡せば、ゲーム好きの大人というのは案外どこにでもいる。

 

電車待ちの時間にポチポチスマホゲーする人、週末は友だちと通話しながらゲームしている人、新作ゲームやフリープレイゲームをチェックしてちょっとやってみる人……。

 

ゲームをしない人からすれば、ゲームなんて「子どものおもちゃ」に映るだろう。

ゲームで寝不足になるなんて恥ずかしくないの、課金なんてサービス終了する可能性があるのにバカみたい、と。

 

いやね、わかるよ。夫に誘われてゲームをはじめる前は、わたしもそう思ってたから。

でもね、「大人」だからこそハマる魅力が、ゲームにはあるのだ。

 

それはなんといっても、

「成長を実感でき、達成したら必ず報酬がもらえること」。

 

RPGでも対人でも育成ゲーでもなんでもそうだが、ゲームというのは、「達成」と「報酬」がセットになっている。

レベルを上げて強いモンスターを倒すのがその典型だ。

 

シナリオを進めていくと強いアイテムをもらえるとか、高難易度コンテンツをクリアするとトロフィーをもらえるとか、1番になるとボーナスポイントをもらえるとか、最初にゴールすると表彰台の一番高いところに立てるとか。

 

正しい選択肢を選ぶとお目当てのキャラとデートに行ける、自分の理想を再現した家や街をつくれる、なんてパターンもある。

 

とにもかくにも、「なにかを成し遂げること」と、「報酬」がセットなのだ。

まぁ、「報酬ないけど好きな人だけどーぞ」っていうやり込み要素もあるけど、それはたいていただのおまけ要素だしね。

 

考えてもみてほしい。

100時間かけてレベルアップしてもスキルが一切増えずステータスも上がらないクソゲーを。

ブロックを積み重ねて街をつくっていくそばから崩れて更地になるクソゲーを。

そんな達成感がないゲーム、いったいだれがやるんだ?って話である。

 

目標があって、それを達成したら報酬がもらえる。

とてもシンプルで、だけど絶対に裏切らない法則。

 

この約束があるからこそ「がんばろう!」と攻略情報をググるし、結果を出したら「よっしゃあ!」とガッツポーズするのだ。

 

なにをするかは自分次第、自分ですべてを決められる自由

もうひとつ魅力として挙げたいのが、ゲームではすべてにおいて、自分に裁量権があることだ。

 

ゲームの仕様上、「解放のためにこのアイテムを取ってこい」「レベル10にならないと進めません」というのはあるが、どういう順番で、どれくらいのペースで、どれくらいの熱意でやるかは自分次第。

 

ストーリーばっかりやってもいいし、ミニゲーム中心に進めてもいいし、家づくりより庭の手入れに時間をかけてもいいし、レベル上げよりゲーム内のおしゃれを重視してもいい。

 

さまざまなプレイヤーの要望に応えるため、たいていのゲームは「メイン(バトルや街づくり、育成など)」要素とは別の遊び方を用意している。

バトルゲームでもペットの育成ができたり、恋愛ゲームのおまけにカードゲームがついていたり、というやつだ。

 

ゲームを起動して、そこからなにをするか。それはプレイヤーが決めること。

強い敵を倒してもいいし、ゲーム内でのんびり散歩してもいい。だれもなにも言わない。強制されない。

ちょっと暇なときにプレイしてもいいし、丸1日本気でやりこんでもいい。

 

その世界でできることはたくさんあって、仕様や規約のなかでなら完全に自由。

なにをするかは自分次第。

 

「趣味なんだから自由にやれるのは当然でしょ」と言われたらまぁたしかにそうなんだけど、「今日はなにをしよっかな〜」と考える時間がとにかく楽しいのだ。

 

現実なんてそんなもの、だからこそゲームが楽しい

でも、現実となるとどうだろう。

 

昨日できなかったことができるようになっても、だれからも気づいてもらえない。

自分なりに成長しても、まわりから必ずしも評価されるわけでもない。

そのくせ、失敗したら給料が減ったり、まわりからの期待値が下がったりする。

 

何日もかけて練りこんだ企画がボツになって終わることもあるし、寝る間を惜しんで取り組んだのに突然の担当替えでプロジェクトから外されることもある。

 

報酬のための努力は絶対条件だけど、努力すればそれだけ報われるわけではない。

 

朝起きたらご飯を食べて、身支度して、会社に行って、メールチェックからの進捗状況確認、会議、電話、訪問……

休みの日は掃除して、洗濯して、布団を干して、スーパーに行って……

大人になれば、やらなきゃいけないこと、やるべきことがたくさんある。

 

自分で決められることなんて一握りで、「今日はなにをしよっかな〜」なんて鼻歌をうたっちゃうような「自由」からはほど遠い。

 

いやまぁしょうがないよ。

現実なんてそんなもんだしね。

それをとやかく言うつもりはないんだ。

 

それが悪いってわけでもないし、現にわたしはこの仕事が好きで楽しんでるしね。

 

でも「現実なんてそんなもの」だからこそ、「がんばったら報われる」「なにをするかは自分次第」という空間が心地いいし、楽しいんだなぁと痛感するのだ。

 

最近新しく友だちができましたか?

さらにもうひとつ、ゲームにどっぷりハマったのにはワケがある。

それが、ゲーム空間特有の人間関係だ。

 

オンライン空間では、年齢や性別を聞くのは基本的にNG。

仲良くなったり通話したりしたらある程度お互い想像はつくものの、積極的に触れることはない。

 

女子大生と40歳の管理職男性がタメ口で話していたり、一回り年下のプレイヤーにアドバイスを求めたり。

仲がよければフランクに接し、うまければ尊敬する。これまたとてもシンプルである。

 

年上だから、男だから、長くやっているから……という理由で上から接してくる人もいるが、そういう人は当然、みんなから敬遠される。

 

日常生活でさんざんストレス抱えてるんだ、だれだってゲームの世界でくらいは平和にすごしたい。

 

たまーに人間関係でトラブルになることもあるけど、所詮は趣味の世界。

結局は気が合うもの同士が集まる。

この年になって、顔も本名も知らない友だちができるなんて思ってもみなかった。

 

現実世界では、引越しをともなう転職や結婚・出産、親の介護……さまざまな要因で、友だちとは疎遠になっていくばかり。

仕事の都合がつかない、今年は帰省の予定はない、子どもができたからいまは無理。そうやって流れた飲み会は数知れず。

 

新しく出会った人でも、わざわざ連絡をとって改めて飲みに行くのはそれはそれで面倒くさい。

最近「友だち」と呼べるような人が新しくできたのって、いつだったっけ。

 

大人になると、オツキアイはあっても、オトモダチ付き合いする難易度は格段に上がる。

 

だからこそ、立ち入りすぎず、ゲームの話だけしてワイワイできるゲーム内のフラットな人間関係が、とても心地いいのだ。

 

大人になってハマる趣味は、欲求不満解消法なのかもしれない

ここらへんの理由が、わたしにとって「学生時代はゲームにハマらなかったのに現在はゲーム大好き」になった理由だと思う。

 

学生時代は、勉強すれば成績が伸びたし、模試の順位や偏差値でわかりやすい達成感が得られた。

試合で勝てばみんな「おめでとう」って言ってくれるし、先生や親といった「認めてくれる存在」も身近にいた。

 

友だちとは気軽に毎日会えたし、放課後ダラダラおしゃべりなんかも日常茶飯事。ひょんなことから親友ができることだってある。

 

努力して成長し、報酬をもらうことでそれを実感する。

新たに人と出会い、友だちになり、遊ぶ。

 

そんなかんたんなことが、大人になると、なかなかむずかしい。

大人になってもそれがすべて満たされた生活をしている人もいるだろうけど、子どものときよりそれを手に入れる機会が減るのはたしかだ。

 

だからそれを、ゲームで埋めたくなるのかもしれない。

ゲームにかぎらず、大人になってハマったものというのはもしかしたら、日常で満たされていない部分を満たしてくれるものを無意識に求めた結果なのかもしれない。

 

だからわたしは、「大人なのにゲーム」だなんて、もう笑わない。

「大人だからゲーム」なのだ。

 

 

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システム開発やITコンサルティングを経て、
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現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

名前:雨宮紫苑

91年生まれ、ドイツ在住のフリーライター。小説執筆&写真撮影もやってます。

ハロプロとアニメが好きだけど、オタクっぽい呟きをするとフォロワーが減るのが最近の悩みです。

著書:『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書)

ブログ:『雨宮の迷走ニュース』

Twitter:amamiya9901

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