社会人でいい大人であっても、「タクシードライバー」や「飲食店の店員さん」にやたらと横柄な人を見かける時がある。
もちろん必要以上に丁寧にする必要は全くないが、ちょっとしたところでは「東京駅まで行ってください」ではなく、「東京駅」とだけ言ったり、飲み物の注文の時に「ビールください」ではなく、「おい、ビール」とだけ言ったりする。
これくらいならまだ良い方で、行き先をきちんと説明せずに運転手さんが困っているのを責めたり、店員さんに間違えて注文をしておきながら店の責任にしたり、勝手に切れて「俺の間違いだっていうのか」と怒ったりする。
普段仕事であっている時には紳士なのに、タクシーやお店に入った時にかいま見える本性が、とても怖い時がしばしばある。
おそらくこのような人々は一定数いるのだろう。
おそらく、上の人には媚びるけれど部下に対して強権的に当たったり、協力会社や派遣社員に無茶を言う人々とかなりの共通点がある。
考え方は人それぞれであるし、「俺はタクシー運転手に嫌な目にあわされたので、当然だ」という方もいるだろう。だが、はっきりと言えるのは、個人的には「こういう人たちを信用しちゃいけないし、一緒に仕事したくない」ということだ。
一緒に働いてもいざという時には必ずこちらに責任を転嫁するし、よしんばこちらに丁寧に接してくれたとしてもそれは「自分に利益があるから」という利己的な動機からである。
ただ、社会に出て働いているとどうしてもこのような人と遭遇することは避けられない。こういう人々と付き合うにはどうしたら良いのか、一時期私も非常に悩んだ。
それについてある時、お世話になっている経営者の方から、それに関する話をお聞きした。
「そういう人とはね、もちろん適度な距離感を持って付き合うことが大事です。でもね、その人も本当はかわいそうな人なんですよ。」
「なぜですか?」
「皆が心のなかで彼を蔑んでいるのを知らないからです。おそらく、自分を大きく見せようと頑張っているのが裏目に出ています。」
「そのような態度は、直るのでしょうか?」
「私の経験から言えば、ほとんど直りません。指摘すると逆上する方がほとんどです。だからますます孤立してしまう。孤立すると更に自分を大きく見せようとする。良くない循環です。
その方がもし社長だったら、その会社には長く居ないほうがよいでしょう。社員だったら上司と相談して、絶対に出世させてはいけません。仕事ができたとしてもです。
取引先であれば、信頼できる方に相談しましょう。きっと周りも困っているはずです。繰り返しますが、態度を改めてもらおうなんて考えてはいけません。あなたが被害をうけるだけですよ。」
出会ってしまうのは一種の「交通事故」のようなものなのだろうか。考えてしまう。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
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・【大学探訪記】を始めました。
「研究が楽しい」「研究成果を知ってほしい」「スタートアップを立ち上げた」
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【大学探訪記Vol.5】銀幕スターを通じて「戦後の日本人」を解き明かす
【大学探訪記 Vol.4】ベトナムの人材育成を支援したい!と、ベトナムに単身渡る女子大生
【大学探訪記 Vol.3】プロ野球に統計学を適用するとどうなるか?
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(Photo:Daniel Horacio Agostini)