前回、リーダーについての議論について書いた(「頭の良いリーダー」と、「行動力のあるリーダー」どちらに人はついていくか。)。
私はこの議論について、前回述べたように非常に勉強になったのだが、もう一つ勉強になったことがあった。それについて書きたいと思う。
それは、「良い議論」と、「ダメな議論」のちがいについてだ。
実は前回の記事では書いていなかったのだが、あの現場で数名、「議論をかき回す人」がいたのだ。
議題は「頭の良いリーダー」と、「行動力のあるリーダー」についての話だったのだが、何名かの方は
「それ以外のタイプもいる」
「頭の良いリーダーの定義がわからない、もう少し詳しく」
「頭の良いリーダーと、行動力のあるリーダーが同じくらい成果を出すということは、ありえない」
といった、「本筋と関係ない話」を持ちだして、議論を長引かせようとしたり、議論を脇道に逸らそうとする。
確かにリーダーの定義については曖昧な部分も残るし、「それ以外のタイプもいる」という指摘もそのとおりである。
しかし、彼らの言っていることに付き合うのは、本質的には議論の結論を出す上で、単なる時間の無駄である。
彼らは意図的に言葉の定義の穴や、枝葉の話に執着し、議論の結論を出そう、という皆の前向きな姿勢を壊しにかかっていた。
議長も最初は彼らの話に付き合っていたが、やがて
「それ以外のタイプもいる、と言いますが、今は2通りの内どちらが良いか、と言う話です。その話は別の機会にしてください。」
「定義は今申し上げたこと以上のことはありません。その範囲で考えてください。ビジネスをやる上で、なにもかも定義が与えられることはないでしょう。あとは常識で判断すべきです。」
「同じくらい成果を出している、という前提で考えてください。それがあり得るかありえないかは、今の議論の中ですべきではありません」
と、一蹴した。
私もそのとおりであると思う。議長の判断は正しい。
議論をする上で、「反対意見」や、「別の意見」は、尊重されるべきである。
しかし、「議論の結論を出そう」という皆の意思を壊そうとする輩は、議論に参加させるべきではない。「良い議論」と、「ダメな議論」の差異は、このような人をきちんと排除できるかどうかだ。
先ほど、シーンは違えど、同じようなことを述べている(のではないかと思った)記事を見た。
君は批判する権利があるか? 批判のマナーを教えてくれた教授の一言が人生でめちゃくちゃ教訓になっている
「その人が本当に言いたいことを理解するつもりで意見を聞き
その言いたいことを結論づける上で根拠や理由に不十分な部分があるなら
それは指摘して『あげる』必要があるんです」そこでハッとする。自分の意見は、重箱の隅をつついて、ただ
「間違ってやんのー。 やーいやーい、減点〜」
と言っている子どもの頃と同じだったということ。
会社経営で問題になる人間は常に「自己の正当性」ばかりに執着し、「大きな目的」を見失う人々だ。その人々は、上の引用で挙げた「間違ってやんのー。 やーいやーい、減点〜」と言っている人々と同じだ。
だが、時には人はだれでも余計なプライドによって「単なる重箱の隅つつき屋」に変貌する可能性がある。
でも、そんなことをしても自分が惨めになるだけだ。
皆と目的を同じくしよう。結論を出すことに協力しよう。そうすれば、あなたは皆から「反対意見」を言ったとしても、受け入れられるだろう。
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