1254455729_eb18479274_z「あたりまえだけど、「楽しそうに働く人」がいる会社と取引したいよね。」と、ある中堅企業の経営者は言った。

「なぜですか?」と聞くと「仕事を楽しめていない人は、仕事の質が低いから」と彼は答えた。

 

「具体的には何をしているのですか?」と聞くと、彼は

「僕は取引先を選ぶ時、仕事の質を判断するため、目の前にいる営業や技術者に「会社での話」を聞くんだよ。」と言う。

「会社での話?……というと?」

「簡単なことだよ、目の前の人の会社のマネジメントの方法を聞くんだよ。特にその人の上司の。」

「商品や技術ではなく?」

「そう。」

「なぜですか?」

「その人がどんな気分で仕事をしているか、それを聞くとわかるから。」

私はもう少し話を聞きたくなった。

 

 

「例えば、どのような話を聞くのですか?」

「そうだね、目標値はどのくらいか、とか、人事評価はどのように行われているか、とか。あとは、どんなアドバイスをもらっているか、とか。」

「そんなことで仕事の質がわかるんですか?」

「かなりわかるよ。」

「どのように判断するのですか?」

「まず、営業なら「目標達成ってどれくらいキツいの?」とか。」

「技術者なら?」

「いつも何時頃帰ってる?とか。疲れている人はダメだね。」

「他には何を聞くんですか?」

「人事評価の面談のやり方とか、「ウチの参考にしたい」というと、喜んでみんな教えてくれるよ。」

「どういった話がありましたか?」

私は身を乗り出した。

 

「この前も「実は目標がキツくって…」という話を聞いたよ。」

「どんな話でしたか?」

「いや、単純だよ。営業のノルマキツめで、目標達成できない人がほとんどっていう、良くある話だよ。」

「問題ですか?」

「まあ、お客さんへの配慮は甘くなるわな。」

「ああ…」

「マネジメントや会社の目標に対する方針はホント、重要だよね。人を追い詰めるるマネジメントは、商品や顧客へのサービスに必ず悪影響がある。」

 

「なるほど…営業の方は何を言っていましたか?」

「その営業の人の会社では、最近かなりチャレンジングな目標を掲げたらしい。で、「最初から無理だとわかっている目標」に挑まされる営業マンの気持ちを想像した。まあ、仕事は楽しめないわな。

その会社の中身も聞いたけど、まあダメなんだわ。辞めてる人も大量に出たらしい。経営者として、高い目標を掲げたくなる気持ちはわかるけどね。現場にこんなに影響が出るのは失敗と言わざるをえない。」

 

私はいくつか同じような状況で思い当たる会社を思い浮かべた。

「そうですか……」

「営業が上機嫌で働けなくて、どうしてお客さんを上機嫌にできる?追い詰められたプログラマーが、バグの少ないシステムを作れるとは思えないだろう?」

 

言われてみれば、そうかもしれない。

「そうですね。上機嫌な人たちと働きたいですね。」というと彼は、

「ウチもそういってもらえるように経営しなくては。」と、笑った。

 

 

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