本当に仕事のできる方々とお話をしていると、ある共通項が見える。それは、

できる人は「褒められたい」と思わない

というものだ。

 

スタートアップの経営者や腕のたつプログラマー、大規模プロジェクトマネジャー、著名NPOの代表、官僚、大企業の本部長、芸術家、大学教授など、様々な人々に話を聞いたが、この傾向は一貫している。

もちろん例外もある。たまたまうまく行ってしまった人などは「褒められたい」が強すぎて、周りの人々に迷惑がられているケースも多々あるが、10年以上、結果を出しつづけている人には共通してその傾向はあると見てよいと思う。

 

そのような人々の根幹にあるのは「褒められたい」ではない。もちろん「賞賛されたい」でも「すごいと思われたい」でもない。

彼らを動かすものは「自分を評価するモノサシは、成し遂げた業績によってのみ」という揺るぎない価値観だ。

 

彼らの評価を決めるのは他者ではない、では自分で決めるのか、というと自分でもない。ましてカネの多寡でもない。

彼らは「誰がどう言っている」や「誰がカネを持っている」にはほとんど興味が無い。むしろすぐにカネの話をする人間を軽蔑している。

そうではなく「お前は何をしている。何をやり遂げた」にしか興味が無い。

 

経営者や管理職は「お前はどんな事業をしているのだ。どのような変革をもたらす仕事なのだ」に興味がある

NPOや官僚は「公共にどのような福祉をもたらしたのか」に興味がある

芸術家や大学教授は「どんな新しいことをしたのか」に興味がある

 

そこでは、他者からの評価や「賞賛されるかどうか」ということは、最低限の客観性を担保するという、低い価値しか持たない。

 

 

無論、彼らだって褒められれば嬉しく思うし、賞賛されることを欲していないわけではない。だが、行動の原理に「他者からの評価」は入っていない。

「誰が何を言うか、なぜオレに関係あるのか?」と彼らは口をそろえて言う。

 

彼らはその自我の強さゆえ、「人当たりが悪い」と思われがちだが、実はそうではない。

目標の達成のためには手段を選ばないため、「人間関係を保つことが目標達成のために必要だ」と思えば、例え媚びを売ることであっても全く躊躇しない。

目的志向が強力なため、「偏屈で付き合いにくい」と思われている人は意外にも少ない。

 

 

では逆に、プライドが高く、できない人ほど「ほめてくれ」という欲求が強くて困る、ということはあるのだろうか?

という疑問に対しては、

「ある」と言ってよいだろう。

 

本質的に仕事のできない人、リーダーに向いていない人は、「目的指向の弱い人」である。そして自分自身でも「発するエネルギーの弱い自分」を自覚している。

これは頭の良さとは関係がない。「明晰でも仕事ができない人」は存在する。

 

だが「できない人である」とみなされたり、言われたりすることは彼のプライドが許さない。

「オレは頭が良い」ということを自覚しているがゆえに、「怠けている」ことは「まだ本気を出していない」という言い訳となる。

だから「ほめてくれ」「みとめてくれ」が態度に出てしまうのだ。

 

 

個人的には価値観は人それぞれであり、人生は自分で選択するものだと思う。

だが、仕事ができないのに、何も成し遂げていないのに「オレは頭が良いからほめてくれ」という人は周囲から「面倒なヤツだな」と思われていることは間違いない。

 

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2021年にはビジネス本部長、2022年より取締役に就任し、経費精算・請求書処理といったバックオフィスDX領域を牽引。
業務効率化・ペーパーレス化の分野で多くの企業の課題解決に携わってきた実績を持つ。

安達 裕哉 氏(ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO)
Deloitteで大手企業向けの業務改善コンサルティングに従事した後、監査法人トーマツにて中小企業向け支援部門を立ち上げ、
大阪・東京両支社で支社長を歴任。2013年にティネクト株式会社を設立し、ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年には生成AIに特化した新会社「ワークワンダース株式会社」を設立。生成AI導入支援・生成AI活用研修・AIメディア制作などを展開。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計71万部を突破し、2023年・2024年と2年連続でビジネス書年間1位(トーハン/日販調べ)を記録。


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(2025/5/8更新)

 

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