(Vol.170からつづき)相変わらずいい人来るし、トラブルもありません。Airbnbの中は平和です。
大きく変わったのは周りの状況です。2年前と状況は全く変わりました。ここからはガチ話です。
3月14日に公開ディスカッション(テーマ:民泊サービスにおける規制改革)に参加しましたのご報告します。
(↑ニコ動および政府インターネットTVでその時の様子が収録されています)
最近大きな進展が見られたことは、政府の公式見解として民泊が「ホームステイ型」と「ホスト不在型」とに明確に分けられたことです。
これはとても大きな進展だと思います。 Airbnbホストとしてそれらが違う類のものであることはもちろん理解していましたが、国が明確に基準を示したことに大きな意義があると思います。
現在、厚生労働省は民泊を下記のように類型化しています。
(「民泊サービス」のあり方検討会に関する検討会の検討状況 厚生労働省・観光庁 平成28年3月14日提出資料より抜粋)
5つに類型化されていますが、一般住宅・共同住宅ともに「家主居住型」が「ホームステイ型」民泊と呼ばれるものです。
そして、「ホスト不在型」民泊とは、「家主不在」と「空き室」のことを指します。(家主不在とは例えば別荘などのことです)
公開ディスカッションの中で、特に一戸建住宅のホストに関しては問題は少ないのではないかという意見が大勢を占めていました。
実際、政府の規制改革委員の安念教授(弁護士)は「一戸建て自宅からはじめる。でいろいろ様子をみていって拡大していく」(ニコ動2時間59分あたり)ということを話していましたし、ホテル旅館業界の北原会長もそこは認める旨の発言をしていました。また共同住宅の自宅で民泊を行う場合は、管理規約や賃貸契約次第なので、それは民法上の問題(つまり旅館業法は関係ない)になるだろうとのことです。
翌日の NHKのニュースでも、自宅を利用しての「ホームステイ型」民泊は、正式に認められる方針との報道がありました。
住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」のうち一般の家庭で宿泊客を受け入れる「ホームステイ型」について、厚生労働省と観光庁は家主が都道府県に届け出を行えば認める方針を決めました。
「ホームステイ型」民泊に関しては、旅館業法適用外の「届け出制」になるようです。とはいえ、今までのホームステイとの違いやそもそも自宅をどのように定義するのか?など曖昧な部分もありますし、宿泊可能な人数や営業日数の上限などもまだ発表されてませんのでまだどうなるかはわかりません。が、とりあえず近いうちに正式に発表があるようです。
やはり、大きな問題となっていたのが「ホスト不在型」民泊です。こちらは今まで旅館業法の厳しい規制を守りながら営業をしてきたホテル・旅館業界の「公正な競争が損なわれる」という言い分と、日本に大量に余っている「空き室を収益化」したい不動産業と双方の言い分がぶつかり合い、それをどのように折り合いをつけるかという状況になっています。
一つの折衷案として、新経済連盟の井上高志理事(ネクスト株式会社 代表取締役社長)が提案していたものをご紹介します。
(シェアリングエコノミー活性化に必要な 法的措置に係る具体的提案より抜粋)
プラットフォームを提供する側(実際マッチングを行っているAirbnbや今後営業していくであろう不動産業者)にある程度の責任を持たせることで、現在問題となっている(もしくはなるであろう)安全面や税収、外部不経済(近隣迷惑等)を解決していくという方法です。
現在Airbnbのとっているスタンスは、ホストとゲストを繋ぐマーケットプレイスを提供するプラットフォーマーに徹するということのみです。原則的にはホストとゲストに関してはプラットフォーマーは責任は負わないというのがそのスタンスです(多分これは新自由主義的シリコンバレーカルチャーが反映されている)。
(Airbnb Japan 株式会社 提出資料より抜粋)
私個人としてはそのAirbnbのスタンスはやりやすく不満はありませんが、やはり日本全体でこの「民泊」というものを推進する場合は、誰もが安全にスムーズに運営できてかつ多くの人が納得できるルール作りが必要なのかなと思いました。
その公正なルール作りを、国が一生懸命やってくれてる日本って国民に優しいなと思います。それは外敵から横取りされる経験が少ないというメンタリティから来るおおらかさがもたらしてるからかもしれませんが。
けっきょく今回の討論会では「ホスト不在型」民泊に関しては、ホテル旅館業界と不動産業界の主張は双方未だ平行線といった状況ではありましたが、「プラットフォーマー」がある程度責任を負う形になることは、コンセンサスが得られたと言ったところでした。(ただし何も決まってはない)
以上です。2年前の牧歌的な状況は何だったのか?来る人来る人いい人で、来た人とみんな友達になれる。自宅にいながらにして外国人とこんなに仲良くなれるんなんて自分でも本当びっくり。
ガイジンを自宅に泊めてるなんて普通なら信じないし、そんなものがビジネスとして成立しているなんて全く想像すらされてなかった。日本人って外人慣れしてないんでなおさら。それを良しとしてた部分もあったわけですが(競争相手が少ないから)。
ところが安保法案が成立した半年前からの急に注目を集め(それが終わってすぐ政府の民泊議論が復活した)、Airbnbはでトクしてる人がかなりいることがわかった時の人の群がりようは凄かったです。
こうやってお金というものがガソリンとなって多くの人が本気で動き出し、新しい価値観が古い価値観にとって変わっていくんだろうなと思います。
それを目の当たりにした自分は幸運だなと思います。そう思い込みます。あーそう言えば、15年前にアップルに出会って以来だなこの感覚。
(つづく)
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
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<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
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・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
著者Facebookアカウント(友達申請歓迎です!)https://www.facebook.com/kazumasa.narahara
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