総務省の「労働力調査」によれば、会社員でいる人の割合は労働者全体の85%程度と高い。(正規雇用・非正規雇用含む)それ故に、会社内で評価を気にする人は多いだろう。

収入を決めるのは、会社内での評価。仕事の面白さを決めるのも、会社内での評価である。要は、会社内での評価は人生のあらゆる側面に大きな影響を与える。

 

それ故に、サラリーマン向けの雑誌である「ダイヤモンド」誌などを見れば、「社内での評価を上げる方法」が山ほどある。ちょっと見ただけでも

  • 机を綺麗にしろ
  • 心遣いを大切にしろ
  • 人間関係に気を使え
  • 人の話を聞け
  • 話し方に気をつけろ

などなど、見ただけでも疲れる内容がたくさん書いてある。ただ、これらは当然、やったほうがいいことばかりであるし、企業の中にいなくても、生きていく上で大切なことなので、読んで損はない。

 

しかし、本当に会社の中で高評価を獲得したいなら、やるべきことはただひとつである。それは

「上司の目標達成に貢献して、出世してもらうこと」ただ一つだ。

 

極論を言えば、「上司をどうやったら出世させられるか?それに対して私は何をすればよいか?」だけを考えればよい。成功すれば間違いなくあなたも高評価を得られる。かつてピーター・ドラッカーは「上司をマネジメントせよ」と説いた。何時の世も同じ、上司を出世させたものだけが、高評価を得られるのだ。

ぜひ、頑張って上司と一緒に出世しよう。

 

では仮に、上司が人間的に最低で、一緒に働いていると憂鬱になって、礼儀を知らず、暴力的な言動を繰り返すようならどうすればいいのか。

そんな時は逃げればいい。ひたすらその人を避ける。無理しない。波風立てず、嵐が過ぎ去るのを待つのだ。「上司を出世させよう」なんて、間違えても考えない。そんな人が出世したら、会社がおかしくなる。上司の異動、あるいは退職、クビをじっと待とう。

 

時間がかかる?そんなことはない。人間的に最低な人は結果を出せない。部下が協力しないからだ。みんなで結託して、上司を排除する方向でサボタージュしよう。そのうちその上司は責任を取らされていなくなる。

 

集団でサボタージュするコツは直接上司を批判しないこと。みんな上司批判は慎重だ。なにせ告げ口されたら自分の出世に関わる。

「最近XXさん(嫌な上司の名前)気合入ってるよな」

「最近XXさんに◯◯さんが叱られてたけど、なんで?」

などと、ひたすらその人の話を話題にする。そのうちみんながポツポツ本音を言い出すまでひたすら待つ。これで一丁上がりだ。

 

徐々にみんなモチベーションの上がらない理由を「上司のせいに」するようになる。口には出さない。けれど心のなかではみんな上司批判をしている。会社を辞めていく人も出るだろう。

そして、いずれ部門の成果が出なければ、上司は更迭される。早くて1年、遅くても3年くらいで効果は出てくる。

 

肝心なのは、周りを巻き込むこと。みんなと喋って、その上司のことをひたすら話題にしよう。そして、周りの人に喋ってもらおう。最初は、「あの人はすごい上司だ」などと迎合した発言をする人もいるが、本当に最低の上司なら、そんな発言を気にする必要はない。笑って流そう。遅かれ早かれいずれみんな本音を漏らす。

 

・・・というように倒産した会社はたくさんある。余談だが、中国の歴史書に「史記」というものが有る。

その中に、「項羽」と呼ばれる傑出した人物がいるが、彼は能力で劣るライバルの「劉邦」、後の漢王朝の始祖に敗れた。理由はとてもシンプル。「人間として最低」だったからだ。

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3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
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・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
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(2025/6/2更新)