先輩と一緒にご飯を食べながら、恋愛の話をしたことがある。
「どんな人が好きなの?」と聞かれた。
「尊敬できる人。自分よりすごいと思うところある人じゃないと好きになれないです」と私は答えた。
「それなら俺とは逆だね。俺は自分より下だと思える人じゃないと好きになれない」
私は「そうなんですね」と相槌を打ちながらも、実はひそかに衝撃を受けていた。他の人も自分と同じように尊敬できる人を好きになると思い込んでいたのだ。
私とは違うな、とも思った。それでも、理解できないわけじゃない。先輩曰く、自分より下だと思える人と一緒にいたいと思う理由には「安心感」があるらしい。
安心できる人と一緒にいたいと思う気持ちは理解できる。
でも、しっくりこない。なぜなら、そもそも「自分より下だと思える人」と「安心感」が結びつかないからだ。
自分より下だと思える人と一緒にいて安心できるというのは、私にとっては不思議なことだ。自分が下にいた方が安心できるのではないかと思うのである。
だって、下の立場だったら誰かから脅かされることはないんだよ。誰かに追い抜かれる心配もないよ。
ね、安心でしょ。
自分より下だと思える人と一緒にいて安心する人もいれば、自分が下だと思える人(=自分より上だと思える人)と一緒にいて安心する人もいるというのは、おもしろい。
さて、自分より下だと思える人と一緒にいたい理由に「安心感」があるという話をしたが、理由はもう1つあると考えている。
それは、「優越感」だ。
友人が言っていた。
「私の彼氏は、私と付き合うことで優越感に浸っていると思う。確かにちょっと頭が弱いかもしれないけど、ひどいよね」
冗談交じりかつ幸せそうに言っていたが、「優越感に浸る」という言葉が妙に心に引っ掛かった。
自分の方がすごいと思えること。
優越感に浸れること。
それが大事だという人もいることに気づかされた。
でも……これも理解はできるけれど、どうもしっくりこない。私はどちらかというと自分より上だと思える人と一緒にいることで、自分もすごい人なんだと思いたい人間である。
自分より下だと思える人と一緒にいて、自分『は』すごいんだと思う人もいれば、自分より上だと思える人と一緒にいて、自分『も』すごいんだと思う人もいるというのは、おもしろい。
ここで一旦まとめよう。
自分より下だと思う人と一緒にいたい人は、自分より下だと思う人と一緒にいることで安心し、自分はすごい人だと思い込み、満足している。
自分より上だと思う人と一緒にいたい人は、自分より上だと思う人と一緒にいることで安心し、自分もすごい人だと思い込み、満足している。
あれ?
なんだ、同じか。
ここまで読んで、不快に思った人もいるかもしれない。
「上とか下とか、人をなんだと思っているのだ」
「人間はみんな対等であるべきではないのか」と。
だが、実際に人を上に見たり下に見たりしてしまうことは確かにある。嫌な性格だと自覚しているが、事実だから否定できない。開き直ってこのまま話を続けたいと思う。
私は尊敬できる人と一緒にいたい。恋愛だけでなく、仕事でも遊びでも、人と関わるあらゆることにおいて、尊敬できる人と同じ環境にいたい。
ある会社の代表取締役は次のようなことを言っていた。
「これまでのお仕事では、ありがたいことに高く評価され続けてきた。光栄なことに『私みたいになりたい』と思ってもらえることも多かった。ありがたいし光栄なことだと思っている。
でも、私は誰かに憧れて、誰かを追いかけたかった。もちろん、尊敬できる先輩もいるにはいた。それでも、『この人みたいになりたい』と強く思えるほどではなかったのかもしれない。こんなふうに思うのはおこがましいとわかっているけれど、私は尊敬できる人を追いかける立場でいたかった」
向上心から出てきた言葉なのだろう、と感じた。
私が尊敬できる人と一緒にいたい理由も、向上心にあるのだろうか。
「向上心」かもしれないし、上記の話で出てきたように「安心感」や「満足感」を得たいだけなのかもしれないし、逆に「劣等感」を抱いていたいのかもしれない。
理由はよくわからない。
それでも、1つ確かなことがある。それは、「尊敬できない人と一緒にいても満足できない」ということだ。尊敬できない人と一緒にいても満足できないから、尊敬できる人と一緒にいたい。
(理由になっているようでなっていない。)
嫌な性格だと自覚しているが、事実だから否定できない。
ではまた!
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[プロフィール]
名前: きゅうり(矢野 友理)←名前をクリックすると記事一覧が表示されます
2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。
著書「[STUDY HACKER]数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ数学勉強法」」(マイナビ、2015)
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ブログ:「微男微女」