先に断っておきますが、くだらない話です。

 

特撮ヒーローものの話から始まります。

長男、9歳。幼少時から「特撮ヒーローよりはドラえもんやポケモン、妖怪ウォッチ」といった嗜好で育った長男は、最近はあまり戦隊ものや仮面ライダーを見ませんが、以前は時折ゴーバスターやゴーカイジャー、仮面ライダー凱武などをみることがありました。仮面ライダーウィザードのおもちゃも自宅にあります。

 

私も子どもの頃、「宇宙刑事シャイダー」や「宇宙刑事シャリバン」を見ていた記憶があります。

いや、正確に言うと記憶自体は全くないんですが、親の話によると「大きくなったらうちゅうけいじになりたい!」と主張していたらしい(幼稚園の文集にもその記載が見られる)ので、恐らくシャリバン辺りは視聴していたものだと推測されます。

残念ながら宇宙刑事にはなれませんでしたが。どこで募集してるんでしょう、宇宙刑事。中途採用とかはしてるんでしょうか。

 

直近の戦隊ものがどうなっているのかは観測出来ていないんですが、少なくともゼロ年代以前の特撮ヒーローものについて言えば、シリーズにつきもの、欠くべからざる存在が「悪の秘密結社」や「闇の宇宙帝国」でした。

敵方が群雄割拠しているケースは多数派ではなく、多くの場合一つの統一組織があり、それが確固たる悪役になってくれていたわけです。

 

フラッシュマンであれば改造実験帝国メス。ギャバンであれば宇宙犯罪組織マクー。シャリバンであれば宇宙犯罪組織マドー。平成ライダーはまた色々複雑になってますが、以前のライダーなら勿論ショッカーやゲルショッカー、デストロンなんかがその代表格でしょう。

 

彼らは、恐るべき策謀をめぐらしては主人公たちに粉砕されたり、変身怪人が現れては主人公たちに粉砕されたり、幹部が現れては主人公たちに粉砕されたりします。途中までは企みが上手くいったり、大きな被害を出したりすることもありますが、まあ最終的には律儀に粉砕されるものと考えて大筋問題はないでしょう。粉砕・オン・ザ・スイング。粉砕のバーゲンセールです。

 

で。

別に特撮ヒーローものに限らないんですが、多くの場合、悪の秘密結社の首領や幹部は非常に冷酷なものとして描写されておりまして、その冷酷さは主人公サイドだけではなく、しばしば身内にも向けられます。彼らは「失敗した部下」に対して厳しく、「お、お許しを…」とか命乞いしている部下を、「無能ものめ!!」とかいいながら処断してしまう場面はしばしば描写されます。

例えば、部下の獣人を情け容赦なく処刑する十面鬼ゴルゴス。同じく、「クライムに失敗は許されない」を忠実に実行するアイアンクロー。歯車大王や電気大王をあっさり切り捨ててしまう機械神。

 

彼らは非常にカジュアルに部下を処刑します。処刑オンザロック。時には、謁見室に手元のボタンだけで開ける処刑用の落とし穴まで用意しているという、充実した処刑インフラっぷりです。

部下のマネジメントまできちんと考えるバビル二世のヨミ様とか、失敗も三度までは許すダイの大冒険のバーン様、定期的に裏切るスタースクリームを毎回見逃してやるメガトロンなど、一部には例外もありますが、彼らのような寛大な上司は全体としては少数派であるように思います。「身内に対しても冷酷」というのは、分かりやすい悪役を描く際にも便利な属性の一つなのでしょう。

 

が。もしも私が悪のコンサルとして悪の組織に招聘されたら、是非提言したいことなのですが、「失敗した部下をすぐ処刑」というのは決して上手い手とはいえません。というか、むしろ組織運営の観点からは非常にまずい手です。

その最大のデメリットは、「失敗によるナレッジが共有されないこと」です。

 

基本的に、人材は「成功体験よりもむしろ失敗体験から育つ」ものです。失敗から学べることは山ほどあります。

 

・「何故失敗したか」ということによって、今後そのリスクをどう避けるかを学ぶことが出来る。
・失敗を最小限にとどめる方法を考えることによって、リスク管理の能力を高めることが出来る。
・失敗から状態を立て直すことによって精神的タフネスが向上する。
・失敗後、撤退戦を指揮することによって「状況の収束のさせ方」を学ぶことが出来る。

 

その他諸々、盛りだくさん。成功体験から学べることなんて、せいぜい「そういうやり方で上手くいくこともあった」くらいのものであって、時として成長を停滞させてしまうことすらあります。失敗体験こそが人を育てる。失敗体験は貴重なナレッジなのです。

 

勿論、「ただ失敗しただけ」で、そこから学ぶことが出来なければなんの意味もありません。だからこそ、失敗した部下こそ、それ以上の成功をおさめる様マネジメントしなくてはいけない。

百歩譲って粛正するのはやむを得ないとしても、最低限「失敗した体験によるナレッジ」をレポートとして残す手段は講じなくてはいけないわけです。であれば、にっこり笑って「さ、失敗した体験のレポート書こうか!」とでも言って、レポート共有の一つもさせないといけない。

悪の組織の怪人連中なんて、ただでさえヒーローにその場でさくっと粉砕されてしまうことが多いわけで、生きて帰るケースなんてそんなに多くはありません。「戦って、生きて帰ってくる」というだけでも物凄い貴重な人材なわけです。

「ちみ処刑ね」と言って脊髄反射ボッシュートなど、対応としては下の下の下。そんなことしてるから勝てないんだよこの馬鹿、と言いたくなる、犯罪的なマネジメント錯誤だと言ってしまってもいいでしょう。

 

この記事を読んでいる悪の組織の首領各位には、是非「失敗ナレッジを活かす方法」を考えて頂きたい次第であります。まずは組織内ワークショップを開いて、失敗した部下を講師として招聘することをお勧めしたいところです。処刑はその後で。

一応まとめておくと、

 

・失敗した部下は貴重な人材であり、スナック感覚で処刑するのは良策とはいえない
・処刑するにしても最低限失敗レポートくらいは書かせて失敗ナレッジの共有を行うべき
・バーン様の魔王っぷりは偉大
・ただ、流石にスタースクリームくらいは処刑しておいてもバチは当たらないような気はします
・まったくこのスタースクリームめ!じゃねえよツンデレかよ

 

という、どうでもいい結論が導き出せるわけです。よかったですね。

今日書きたいことはそれくらいです。

 

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(2019/9/24更新)

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて
書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城