なんやかんやで新年である。おみくじを引いた人もたくさんいると思う。

 おみくじを楽しんでいる人が沢山いる中でこんな話をするのも恐縮なのだけど、今日はゲン担ぎとか運とかに妙にこだわりすぎている人に警告というか忠告をするような話をしようかと思う。

 

運は占うものではなく、結果から良し悪しを判断するぐらいが丁度いい

朝のニュース番組とかでよくやっている運勢占いが楽しみな人もいるかもしれない。

僕もかつてああいった種類のものが結構好きだった。タロット占いとか、星座とか、いろんなものを眺めては自分のこれから行き着く先を夢想していた。

 

「今年の自分は運がいいから、大丈夫」 

「今年は厄年だ」

 

このように”まず運ありき”でものを考えていた。これを読んでいる人にも同じような人がいるかもしれない。

 

この行為がおかしいと思うようになったキッカケは本当にふとした事だった。たまたま身の回りに妙にゲン担ぎというか、不思議なルールで自分を縛って生きている人がおり、その人の事が変だと思うようになった事が”まず運ありき”で物事を考える事をやめられた事に繋がったのである。

 みんなの周りにもたぶんこんな奴1人ぐらいいるんじゃないだろうか?

 

「悪い言葉は運気を下げる」

とか

「今日の私のラッキーカラーは黄色だから黄色いものを身に着けてるの」

だとか

「受験の朝だからカツ丼を食べてきた」

だとか。

 

これらが本当なのか嘘なのかはここではどうでもいい。けどちょっと考えて欲しいのだけど、仮にこれらを全て遵守したとして、その後の結果が良かったら結局運がいい事になるし、結果が悪かったら結局運が悪かった事になるのではないだろうか?

 

つまりこうとも言える。運なんてものは所詮、物事の結果からしか判断できないものなのだ。

そしてよい結果というものは、古今東西どこに限らずあらかじめ勤勉に努力し、用意周到にチャンスがくる事を今か今かと待ちわびている挑戦する人にだけ訪れる。例えスティーブジョブスであろうが家で寝ているだけでは成功できない。当然の事だ。

 

言霊とか今日のラッキーカラーとかゲン担ぎのアイテムだとか、そういうものを遵守するだけで巨万の富だとか無限の約束だとか絶世の美女を射止める事なんてあるはずがない。

 

僕はこういったものにこだわりすぎる人達は結局キチンと未来を見据えた努力がしたくないだけなんじゃないかと思っている。そう思うようになってから、全てのこういった自分を勤勉から遠ざけ、約束された未来への見通しを曇らせる情報から身を遠ざける事にしている。

そしてただ忠実に、冷静に着実に結果のみを見据えて努力するようになった。かなり長い間結果が出ずに腐りそうになった事は何度もあったけど、気がつくとある時を堺になんだかんだで結果がちょっとづつ出るようになってきた。

 

そうして結果がちょっとづつ出てきている今現在、自分の人生を振り返ってみると、ああ自分は本当に恵まれて幸運な人生を歩んできているのだな、と心底思えるようになってきた。この状況に至ってみると不思議なもので、今度は自分の今の人生は偶然幸運が積み重なったものでしかなかったのだな、と思うようになるのである。

 

こう書くとお前も運気信仰の人と同じじゃないかと思う人もいるかもしれないけども、僕と彼らとの間には物凄い差がある。それは運をプロスペクティブにみているかレトロスペクティブにみているかである。

 

運気信仰の人達が幸運を引き寄せるためにしている行為は、結果を出すための努力には何の関係もないものばかりだ。

繰り返しになるが言霊もラッキーカラーもゲン担ぎのためのアイテムも、巨万の富だとか無限の約束だとか絶世の美女を射止める事には絶対につながらない。

残念ながら現代はおとぎ話のような魔法は作用しない。ある日遠い親戚が死んで巨額の遺産を手に入れることも、ある日あなたの頭に10000万DLされるアプリの原案が降りてくることも、ある日空から絶世の美女が落ちてくることも絶対にない。 

そういう結果は、幸運だけでは絶対に訪れない。ただひたすら忠実に現実的な活動を続けていき、チャレンジし続けなければ絶対に手にする事はできないのだ。こう考えればわかるけど、幸運なんてものがいくらついてまわってこようが結果がでないようならばあなたの元には何もおとずれないのである。

そして逆説的だが、いくら不幸だろうが結果さえ出してしまえばあなたの元には巨万の富とか絶大なる権力だとか絶世の美女が手に入るのである。生まれた時は幸運だったけども晩年は没落してしまった人生と、生まれた時は不幸だったけど晩年は幸せな家族と仲間に恵まれた人生だったら、あなたはどちらがより幸福な人生だと思うだろうか?

 

結局、運なんて言うものは結果が出る前から色々考えても虚しいものでしかないのだ。おのおのが粛々と自分にできる事をし続けて、訪れた結果から自分の好き勝手に運勢を判断すればよいのである。

そして死ぬ前にこう思えばいいのだ。「ああなんて俺の人生は運に恵まれたものだったんだろう」とね。

 

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・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
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(2025/6/2更新)

 

プロフィール

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。

twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように

noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki