「自己管理」が必要とされるシーンは多い。

人は「ただ言われた通りやる」よりも、「自らの責任において任される」ほうが、より生産的に仕事をすることが多いからだ。

もちろん、企業の中だけではなく、学生が勉強をするときにも、家庭の中で家事をするときにも、「自己管理」が出来れていれば、活動はより面白く、個人が自立することにもつながる。

 

しかし、実際には「自己管理」は非常に難しいこととされる。例え「早起きする」であるとか、「運動する」であるとか、非常に単純な行為であっても「自己管理」をうまくやりおおせる人は少ない。

 

なぜ「自己管理」がうまくいかないのだろうか。

なぜ、「仕事を任せても」部下はキチンと責任感を持って仕事をしないのだろうか。

 

その疑問に対する一定の回答を、ドラッカーは「マネジメント」という著作の中で「自己管理には、自らの成果についての情報が不可欠である」と述べている。

最近では「行動修正メカニズムなるものの仕事への適用が関心を集めている。大手宅配便業者のエメリー航空輸送がドライバーを対象として行った実験が面白い。働くものは、自らの仕事ぶりについて情報を与えられるや、直ちに行動を修正していくというのである。

しかも我々は、何をしたら良いかがわからなくとも、情報さえ与えれば適切に情報を修正することができることまで知っている。(中略)

脳波や喘息発作ほどではなくとも、解明されていないプロセスは多い。ところがそれらのプロセスにおいても、働くものは情報さえフィードバックされれば、自らの行動を修正していくことが明らかにされている。

エメリー航空輸送の実験が行われて数年が経つ。いまだに配送件数の増加のメールのメカニズムはわかっていない。ところが配送中のドライバーは、自らの配送件数についての情報を与えられるや否や、分析抜きに自らの配送件数を増やしている。

フィードバック情報は、働く人自身がそれによって自らの仕事ぶりを評価し、方向付けに資するものである必要がある。理想は、わざわざほめたり叱ったりする必要を無くすことである。すでにフィードバック情報によって、本人が知っているからである。

未だに我々は「やる気を高める」メカニズム、プロセスを知らない。しかし、プロセスを知らずとも、ドラッカーによれば「現在自分がやっていることについての成果」についての情報をフィードバックするならば、やる気を高めることはできる。

 

「ダイエット」が失敗するのは、自分がやっていることについての情報があまりにも少ないためだ。

運動や食事療法を始めてから、実際に体重が減るには時間がかかる。その間得られるフィードバックは「体重」や「体脂肪率」程度。これでは運動の成果はわからない。

運動の効果がわかる「心拍数」であるとか、「中性脂肪」などの数値をさらにリアルタイムに知る事ができれば、ほんの少しの運動であっても成果があったことがわかり、運動に励む人が増えるかもしれない。

 

勉強や仕事も一緒である。成果が出るには時間がかかる。

しかし勉強をする子供はちょっと努力したら、何かしらの成果が上がることを求める。例え計算問題の一問程度であっても、「昨日できなかったものが、今日できるようになっている」ということは、やる気を高める。

 

ゲームはフィードバックの与え方が非常にうまく、やる気を継続するしくみをそのシステムに組み込んでいるため、「ハマる人」が続出するのである。

幸い、現代は「コンピュータ」がリアルタイムに情報を取得し、利用者にフィードバックを与える事を人間にかわってやってくれる。うまく使うことで「やる気」を継続する仕掛けを作ることができるだろう。

 

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システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)