いくつかの会社の「採用」を見ていると、ほとんどの会社で共通して採用の基準となっていることがある。

「社風に合うかどうか」だ。

 

例えば、こういう会社があった。

 

私 「今の人、最終面接ですよね。どうでしたか?」

経営者 「うーん、悪くないんだけどね…ちょっとなんかね…」

私 「ピンと来なかった、ということでしょうか?」

経営者 「いや、2次面接を部長たちが通した理由はわかるよ。優秀そうだし、受け答えも良い。でもね、なんだかこう、情熱がないっていうか…」

私 「情熱ですか。」

経営者 「そう、もっとこう、熱いものがほしいんだよね。」

私 「そうですか。」

経営者 「やっぱり、採用って妥協しちゃダメだって思うんだよね。あとで揉めたくないし。」

私 「そういう、揉めたりすることって、これまでにあったんですか?」

経営者 「うん、昔は結構門戸を広めに取ってたからね。最近は妥協してないから、そういうのは少なくなったけど」

私 「厳選採用ということですね。」

経営者 「そうなんだけど、そうすると結局、人があまりとれないんだよね。痛し痒しっていうかね。でも、社風に合わない人を取るのは良くないしね。」

 

以前の会社では「社風に合う人を採る」という方針を取っていた。しかし、それが「成功だったか」と言えば、必ずしもそうではない。社員の離職率が特に低いわけではなかったし、パフォーマンスが高い人物ばかりでもなかったからだ。

だが、ドラッカーの言う「人事の原則」を考えれば、この問題に対して答えることができる。

人に成果をあげさせるためには、「自分とうまくやっていけるか」を考えてはならない。「どのような貢献ができるか」を問わなければならない。

「何が出来ないか」を考えてもならない。「何を非常によく出来るか」を考えなければならない。(プロフェッショナルの条件 ダイヤモンド社)

実際には、殆どの会社の経営者は、最終面接で採用のキーを「社風に合うかどうか」、すなわち「自分と合うかどうか」を中心に据えている。

これではダメである。社風は常に変化しうるし、社長や社風と合うかどうかと成果をあげるかどうかは無関係である。また、「いいんだけど、◯◯がねぇ」という発言に見られる通り、「弱み」に焦点を当てて最終的な決定を下すことも多い。

 

では、何を企業は働く人に要求すべきか。それは次の2点である。

1.企業の目標に進んで貢献すること

2.変化を進んで受け入れること

 

したがって、採用の可否を決定する質問はそれほど多くを必要としない。

「何が得意ですか?なぜそう思うのですか?実績はありますか?」

「我が社の目標は◯◯ですが、何についてより多く貢献できますか?」

「もし◯◯事業が縮小した場合、◯◯をやることが出来ますか?」

などである。

 

「単なるおしゃべりで、社風に合うかどうかを判断する」採用は、とてもではないが、おすすめできない。

 

 

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(2019/9/24更新)