社会人の方々に、働き方や仕事観に関して話を伺う【仕事のチカラ】。
第五回は動画制作を専門とする株式会社プルークスの創業社長、皆木さんにお話を伺いました。
−どのようなことを今、やっておられるのでしょうか?
今、会社でやっていることは2つあります。動画制作と動画メディアの運営です。
一つ目の動画制作は、動画を通じて企業のブランディング、商品のプロモーション、アプリ紹介、展示会の案内、会社紹介、採用活動など、企業のあらゆる活動に関する動画を作っています。
二つ目は、動画メディアの運営です。動画を使って世の中の動きや、面白い事件、あるいは動画の撮影法など、「動画」の新しい境地を開拓しようと、「動画アカデミー」というサイトを立ち上げました。
−なぜ動画メディアをやろうと思ったのですか?
1つは、「動画メディア」というものがまだ少ないと思ったからです。動画は文面だけでは伝わらないことも伝えることができます。動画のすばらしさをもっと、様々な人に届けたいと思いました。
また、中小・ベンチャー向けのコンサルティングファームに在籍していた際に、競争力のある商品・サービスを持っているけど、マーケティングや営業力がないがために、世の中に広がっていないサービスを数多く見ました。
正直もったいないと思いまして、これらをもっと広めたい、そのような企業の支援をしたいと思い、動画アカデミーを立ち上げました。
今はそれに共感してくれるメンバーも集まり、今後はそのような企業に取材をして記事提供や教育などの取り組みに事業をシフトしていきます。
−27歳で起業したと伺いましたが?
実は、最初はあまり起業するつもりがありませんでした。まぁほんとうに色々な偶然が重なって、起業してしまったという感じです。
もともと小中学生のころ、私、大人向けのカードゲームが好きで、毎日学校が終わったらカードゲーム屋さんに通って、大人と対決をしていました。
小学生はとうぜんお金がないので、いかに最小の資金で強いカードを集め、大人に勝つかを考え続けていました。大会にも出て賞品をもらい、それも売ってました。商売してた、と言っても良いと思います。
別の趣味では、家電量販店めぐりが好きでした。どこが安くてどんなスペックのものがあるかなど、買わないのに週1のチラシを楽しみにし、自転車で回遊していました。当時は楽しかったのでしょう(笑)。
その時の体験が昂じて、いつか量販店の店長、スタッフをやりたいと思っていたんです。 両親から、あんたは将来問屋か不動産屋で商売をやれ、と言われてましたね。
−家電量販店の店長の夢を諦めたのはいつですか?(笑)
そうですね~、高校になって少し現実が見えてくると、今度はメーカーに興味を持つようになりました。
私、元来ミーハーなので、大手の電気メーカーに入りたいと思うようになったのです。 ただ、その時は全く勉強をせず、高校2年生になって、慌てて勉強したんですが、残念ながら勉強はセンスがなくて…苦労しました。
ですが、とりあえず就職のためになんとか頑張って大学には入りました。
そこで見つけたのが、中小企業企業診断士の資格です。コンサルへの近道、とあるので、一念発起して大学でダブルスクールをし、中小企業診断士の資格をとるために勉強をはじめました。
通ってみると、40人のおじさんたちに混じって、クラスに学生一人って言う感じです。これ、やってすごい楽しかった。ずっと学校の勉強せず、ゼミやりながら、資格取得にハマったんです。
−結果はどうだったのですか?
でも、落とし穴がありまして…。診断士の試験は、筆記の1次試験と、2次のケーススタディの二つがあります。1次試験は無事に通ったのですが、2次試験は実務を知らないと厳しかったんです。単発の暗記では太刀打ち出来ない。
さらに、1次試験の7科目に合格しても、わたし経営について何もわからなかったんです。そして…このまま資格とって意味あるのかな…?と思うようになりました。
ただ、中小企業診断士の資格を取ろうと思ってよかったのは、ますますビジネスに興味が出たことです。実際にビジネスしたい、と強く思うようになりました。
なので、実際に働けそうな会社を探していたのですが、ある経営者と出会いがあり、なんか面白そうだな、と思って応募したら、そこの社長がちょうど独立直後で、人材紹介会社の創業メンバーを探している、っていうんです。
めちゃめちゃ面白そう!とおもいまして、その社長と二人でマンションの一室で働きました。これが私の人生の転機だったと思います。
−どんな仕事をしたのですか?
面談です。年収1000万以上のヒトに面談していました。マイクロソフト、アクセンチュアといった、いわゆる「ハイスペックな人たち」です。
彼らの職業観などをヒアリングし、とても勉強になりました。もちろん私もプロとして仕事をできるように必死でした。
それでも、初めてビジネスに触れられた感動で、朝から終電までと大学卒業まで一生懸命やりました。
−大学卒業後はどうしたのですか?
志通り、コンサルティング会社に入って仕事をしていたのですが、あるとき営業先の社長が「人がほしい」と言っていたので僕が興味ありますといったら誘ってもらい、そのままその会社に転職してしまいました。(笑)
そこは企業向けに動画を作る会社だったのですが、2人なのに大手としっかり取引していました。社長も魅力的でグイグイ行けそう、と惹かれまして…。規模が2人、というのがちょうど良かったんです。
10人なら絶対入らなかったです。多分私、創業のフェーズが好きなんです。
創業期はとにかくテレアポして、プレイヤーとして1日3,4件訪問してました。商談、企画、絵コンテ作成、プレゼンの日々でした。
商売も軌道に乗り、その後VCから数億の資金調達をして組織も3人から40人になっていました。 個人よりも組織のことを考えることがほとんどで、3年間があっという間に経ちました。
−なぜその会社を辞めたのですか?幹部だったと思いますが…
そうですね、でもいつか起業したかったというのはありました。当時は27歳だったので、チャレンジするタイミングとしては良いし、ちょうど動画のニーズは目の前にたくさんある。
そしてなにより、会社が大きくなってくるとまた創業フェーズを経験したいなと思い、起業を決断しました。
これからは隠れた良いサービス・商品の支援をし、新しい形の教育ビジネスもしたいと思っています。
−皆木さん、ありがとうございました!
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。

<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
- 0. オープニング(5分)
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」 - 1. 事業再生の現場から(20分)
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例 - 2. 地方創生と事業再生(10分)
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む - 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説 - 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論 - 5. 経営企画の三原則(5分)
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する - 6. まとめ(5分)
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)
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