「給与に不満がある」人は多い。転職サイトDODA(デューダ)によると、2015年上半期の転職理由ランキング第3位だ(実感値では第1位だ)

(参照 https://doda.jp/guide/reason/2015first/

 

給与に関しては口に出してはいけない空気があり、表立っては話題にならないものの、会社にとっても社員にとっても関心の高いトピックスである。そこで今回は、評価(=給与)について書いていく。

 

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会社に雇われて働いていると、「評価」という曖昧なものが、「給与」というわかりやすい形に反映され、返ってくる。

 

評価なんて人間のするものだから、完璧なものではない。不満を抱く人がいるのは当然だ。不満には次の2パターンがある。

 

 

A:成果を出しているのに、正しく評価してくれない

成果に対し、正しく評価されることもあれば、誤って評価されることもある。

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成果を評価されるためには、「成果を出す」ステップをクリアし、かつ「その成果を正しく評価してもらう」ステップもクリアする必要がある。2段階方式だ。

成果への評価(=給与)に対して不満を抱いている人は、1ステップをクリアしていながら、2ステップで躓いているケースが多い。

 

1ステップは自分の努力でどうにかなりそうなものだが、2ステップは評価者次第なので、努力ではどうにもならない部分も少なからずある。そのため、「自分はこんなに頑張って、こんなに成果を出したのに、評価してくれない!」という不満を抱くことになる。

 

 

B:評価の基準に不満がある

転職をする人に、転職理由を聞いてみたことがある。

「なぜ転職するんですか?」

「会社が正しく評価してくれないからだよ」

そう言って、詳しく説明してくれた。どうやら、評価の基準に不満があるようだ。

 

評価の基準は3パターンある。

1:時間を見る

2:成果を見る

3:時間あたりの成果を見る

 

「会社がどれを基準に評価しているか」と「自分がどれを基準に評価されたいか」が一致していれば、評価が高かろうが低かろうが、ある程度納得はできるだろう。

しかし、一致していないと、高い評価を得ている時は、高評価への満足感から納得できない気持ちは生まれないだろうが、思うような評価をされなかった時に、「納得できない」という不満が一気に爆発する。

 

わかりやすくするために、次の3人を例に挙げる。

Aさん:5時間で150の成果を出した(1時間あたり30の成果)

Bさん:15時間で300の成果を出した(1時間あたり20の成果)

Cさん:20時間で200の成果を出した人(1時間あたり10の成果)

 

時間を見る会社は、Cさんを高く評価する。

「いつも遅くまで頑張っているね!」

 

成果を見る会社は、Bさんを高く評価する。

「たくさん貢献してくれているね!」

 

時間あたりの成果を見る会社は、Aさんを高く評価する。

「効率的でコストパフォーマンスが良いね!」

 

Aさんには、Cさんを高く評価する会社は合わない。だから、転職する。こんな説明だった。なるほど、そもそも基準が違うのだから、どちらかが基準を変えない限りはずっと平行線なのだろう。

 

また、別の人と「時間で評価すること」について話し合ったことがある。

「たくさん働いた方が評価されるものなんでしょうか」

「長時間労働のこと?」

「そうです。残業したり、休日出勤したりする人の方が評価されやすいんですか」

「俺は長く働けば良いってものでもないと思っているけど、時間で評価する人も世の中には一定数いるだろうね」

「そうなんですか・・・・・・」

「遅くまで残っていたり、休日に来ていたりすると、とりあえず“頑張っている印象”は与えられるでしょ。成果を正しく見ることができる人なんて限られているし、結局はそういう“印象”で判断されることが多いのも事実だよ。

それを知った上で、評価されるため(“印象”のため)に長時間働くのも戦略の1つだし、そんなことのために時間を使いたくないと思うのも自由。こういう事実を知った上で、自分はどうしたいか、戦略的に選べば良いんだよ」

 

あとで文句を言わなくて済むように、「戦略的に」働き方を選んでいきたいと思った瞬間だった。

 

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ではまた!

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【著者プロフィール】

名前: きゅうり(矢野 友理)

2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。

著書 

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