「頭でっかち」とは、知識は持っているが、その使い方を知らない人物をさして使われる言葉だ。
そして「頭でっかち」はすぐに周りの人にバレる。その理由はいくつかある。
1.現実に合わせた調整ができていない
知識をつかうには、その場に合わせた調整が必要だ。
例えば「話をきく」という技術がある。その手の本を読むと
・最後まで聞く
・合いの手を入れる
などと書いてある。
だが、相手の話のどこが「最後」なのか?合いの手を入れるのは、具体的にどのようにすればよいか?など、知識を使いこなすためには、現場の状況に合わせた運用が必要だ。
聞いただけ、読んだだけ、習っただけの人は調整ができない。
2.知識の重要度がわかっていない
例えば、会計の知識を手に入れたいとする。簿記から勉強するのが普通なのだろうが、テキストは網羅性が高すぎて「どこが実務的に重要なのか」がわかりにくい。
「ここだけ抑えれば大丈夫」といったノウハウ本が売れるのはこのためだが、それも完璧ではない。なぜなら、自らの現実に照らしてどこが重要なのかを判断することができないからだ。
同じ知識でも人によって重要度は異なるのである。
3.例外対応ができない
現場では例外が発生し、それは「きれいな知識」では対処ができない。例えばクレームへの対処一つとっても、それは千差万別であり、「マニュアル的な対応」そのものが人を怒らせる。
「教えてもらったことがないので、対応できません」では、「頭でっかち」と言われても仕方ない。
上に挙げたような知識は明文化できない……とは言いすぎだが、正確には分岐が多すぎて膨大な量となる。だから、知識の肝心な部分は読んだり、聞いたり、習ったりするのではなく、体得しなければならない。
「初めて起きたこと」に対してどのように対処するのか、それは言葉ではなく状況によって学ばなければならない。
知識は、教えることのできるわずかな量の「きれいな知識」の下に、大量の「教えることのできない知識」が潜んでいる。
「マニュアルを読めばできる」
「習えばすぐできる」
と、職人的な修行や下積みを否定する方もいるが、何年もの修業が必要な理由は、そういった大量の「教えられない知識」の存在を伝えるためと考えるほうが合理的ではないだろうか。
(2026/6/2更新)
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