専業主夫になった。先日、会社を辞めたのだ。ただ、専業主夫と言っても今月いっぱいの期間限定で来月からは新しい会社で働くことになっている。しばらくは優雅な有給消化ライフという訳だ。

やっと解放されて、のんびり出来ると思っていたが、妻からは休みの間は家のことをよろしくねと言われた。うちは共働きだし仕方ない。まぁ、これまでも休日は洗濯したり料理したり手伝っていたから何とかなるだろう。
一日目。

朝ごはんが無い。よーしパパ頑張っちゃうぞとホットケーキを作る。子供たちに食べさせている間に洗濯物を干す。末っ子の保育園の連絡帳を書く。

洗濯機2回めを回す。ホットケーキを食べようと思ったら、すでに俺の分が無い。食器を洗う。うちではルイボス茶を沸かして冷やして飲んでいるが、その間にお茶を沸かす。7時30分、上の子二人を小学校に送り出す。
今日は午前中に車の定期点検があるから、車を家に置いとかないといけない。車で妻を職場に送る。一緒に末っ子を保育園に送る。家に帰ってきたら、隣の奥さんと顔を合わす。ちょっと立ち話。

今日お隣さんちに造園業者が来て不要なガラを一緒に処分してくれるそうなので、急遽、庭の片付けをする。
2回目の洗濯物を干す。

10時、そろそろ車の点検に行かなければ。よく考えると朝起きてからずっと立ちっぱなしだ。点検が終わるのを待っている時間にようやく落ち着いて座れた。車の点検が終わる。13時から小学校で放課後教室の説明会と学級懇談会がある。早く帰らねば。

優雅にランチを取る暇はなく、コンビニで買って帰ったカップラーメンを食べる。10分ほどで食べ終え、小学校に向かう。想像はしていたけど、出席している保護者はほぼ全員ママ。夫婦で来ている保護者がわずか。

 

パパのみは私だけ。珍しい動物を見るような視線を浴びせられる。説明会では並べられたパイプ椅子に座るが、私の周りには誰も座らない。プチ疎外感。

こんな気持ちは大学一年生の頃に、レクリエーション研修でバス移動する際、茶髪だった私の隣に誰も座らずに寂しい思いをした時以来だ。

 

学級懇談会でも当然クラスの中でパパ参加は私だけ。自己紹介の時に、専業主夫してますと言ったら、ザワザワしてるし。ジョークなのに。

変な噂が立って娘が困るといけないので、フォローを入れる。懇談会後に、娘の保育園時代の同級生ママと会う。ようやく人間扱いしてもらえた。

 

放課後ルームにいる娘を迎えに行き、家に帰る。娘達には宿題をさせ、その間に市役所に行く。新しい職場に提出する書類を取りに行くためだ。

その帰りにスポーツクラブに行き、娘が入りたがっていたテニス教室の申し込みをする。ラケットがバーゲンで安く売っている。明日娘を連れてこよう。もう17時、そろそろ保育園のお迎えの時間だ。保育園で息子をピックアップし、家に帰る。

洗濯物の取り込みは娘がしてくれていたので、一緒に畳む。お風呂を洗い、お湯を溜める。夜ご飯何にしよう。とりあえず米を炊く。お風呂のお湯が溜まったので、娘達を先に入れさせる。

妻からお迎え要請が来たので、迎えに行く。車の中で今日の出来事を報告。家に帰り、風呂に入る。もう19時過ぎている。ご飯作らないといけないので、お風呂にはつからず、シャワー浴びてすぐに上がる。

 

お好み焼きを作る。娘がキッチンマットに生卵を落とす。仕事を増やしやがって。イラッとするけど怒りを抑える。息子が卵を割りたいと駄々をこねる。もう必要な分は割ったから、いらないんですけど。

ご飯作るのに30分以上かかったのに、食べるのは10分足らず。虚しい。でも子供たちが全部食べてくれたので、ちょっと嬉しい。もう21時過ぎているので、子供たちを寝かせる。息子を寝かしつけてたら、いつの間にか自分も寝てた。

夜中に目を覚まし、食器類を食洗機にセットし、洗濯機のタイマーもセット。就寝。

一日目が終了。

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二日目。

朝ご飯が無い。ホットケーキを作る。子供たちが「また?」と不満そう。文句言わず食べろ。

洗濯物を干す。保育園の連絡帳を書く。洗濯機2回目を回す。私の分のホットケーキはもちろんもう無い。文句言うくせに全部食べやがった。食器類を片付け、お茶を沸かす。娘達を小学校に送り出す。今日は妻には自転車で行ってもらう。ついでに息子を保育園にも送って行ってね。

 

2回目の洗濯物を干す。洗濯機3回目を回す。新聞に目を通す。束の間のブレイクタイム。3回目の洗濯物を干す。今日は10時からPTAの役員会があるので、小学校に行く。

案の定、パパは私一人。もちろん隣には誰も座らないあなた達は男を見たこと無いのか。花も恥じらう乙女か?

 

1時間くらいで終わる内容なのに、3時間もかかった。今日は次女の誕生日だ。ケーキを作ってとお願いされている。食材を買いにスーパーへ。ケーキの材料と昼ご飯の弁当を買って帰る。子供たちが帰ってくる前に作り終えなければ。

弁当を掻き込み、ケーキを作る。作ると言っても、スポンジケーキは昨晩妻が焼いてくれたので、デコレーションだけだけど。16時、子供たちが小学校から帰ってくる。ケーキ作りはなんとか間に合った。

 

テニス教室で使うラケットを買いにスポーツクラブに。その後、長女の英語教室があるので、近くのショッピングセンターに行く。長女を送り、その間に次女と誕生日プレゼント選び。女子は今も昔も、物選びに時間がかかる

その後、夕食の材料を買い(明日の朝ご飯のパンも買った。私も学習しているのだ)、長女を迎えに行く。19時、家に帰り着くと、妻と息子もちょうど帰って来ていた。

風呂の準備をし、お湯を溜めている間に夕食の支度をする。妻にも手伝ってもらう。やはり年季が違う。手際が良い。風呂が湧いたので、子供たちを風呂に入れる。もう20時前だ。シャワーを浴びてそのまま上がる。夕食の準備をし、みんなで食べる。ご飯を食べ終えたあとはケーキだ。

 

ぐでたま好きの次女のために、イチゴケーキの上にぐでたまプリンを乗せたスペシャルバージョンだ。ものすごく喜んでくれた。今日の苦労が吹っ飛ぶようだ。

食器類を食洗機にセットし、洗濯物を洗濯機に入れ、タイマーをセット。GW中の予定を妻と相談しようと思っていたが、息子を寝かしつけしていたら、またもや寝落ちしてしまった。

二日目終了。

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いかがでしたでしょうか、私の優雅な有給消化ライフ。まだ二日目ですが、私は身にしみて感じました。世の主婦達がどれだけ苦労しているかを。

その辺を普通に歩いてる主婦も実は頭の中で、子供の帰宅時間から逆算して、それまでに何をするべきを考え行動し、冷蔵庫の中身を思い出して、夜ご飯のメニューを何にするかを考えたりしているのだなと。

そして、これまで会社で様々な苦労をし、困難を乗り越えてきたけど、それが出来たのも家事全般を任せていた妻の支えがあったからだと。家事って、年中無休でその上、9時17時みたいな定時があるわけでも無い。

残業代は出ないけど、夜遅くまで仕事が残ってる。まともに昼ご飯食べられないし、休憩時間もほとんどない。

どこのブラック企業だよと。さらに子供の通学、通園があるから、時間に縛られてる。急な用事が入っても、デイリーでやらなきゃいけないことが、無くなるわけでもないから、何とか時間をやりくりしないといけない。

それでいて、誰から褒められるわけでもない。

 

こんな状況で連絡も無しに、夜飲みに行って、夜遅くに帰って来て「俺の夜ご飯無いの?」なんて言った日には、そりゃ喧嘩にもなるわ

お子さんのいらっしゃる御家庭のパパ達、物をプレゼントするのも喜ばれると思いますが、1日だけでも家事を代わってあげて、自由な時間をママにプレゼントするともっと喜ばれると思いますよ。

家事がどれだけ大変かを共有することも出来ますし。

 

ただし、急に優しいこと言うと、気持ち悪がられるか、やましいことがあるのかと疑われるのでご注意を。

 

 

【著者プロフィール】

名前:瀬川竜也

2度の転職を経て、近々不動産会社に勤務予定。3児のパパでもある。ドローン入手を画策し、娘を通じてサンタにお願いするも、妻に見破られ失敗。次なる手を思案中。好きな言葉は、孫正義の「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」というポジティブシンキングな言葉。なお、筆者はまだ立ち止まったまま。