大したことじゃない、というかもしかすると当たり前の話なのかも知れないんですが、改めて考えたら上手いなーと感心したので書いてみます。

 

長男、9歳。小学三年生(今月から四年生)。長女と次女は5歳の双子。

 長男は小学校のクラブ活動でサッカーをやってまして、この前の日曜は多摩川沿いのグラウンドで試合がありました

で、今回はしんざき奥様ともう一人保護者の方が引率役でして、小学生サッカー少年少女たちを11人くらい引き連れて、電車とバスでグラウンドまで行くことになりました。

 大人の手が足りないこともあって私も着いていきまして、必然長女と次女も同行することになったんです。

 

皆さんご存知かと思うんですが、小学生男児って、一人でも結構な存在感ですけど、複数人いると暴れ具合が相互作用で幾何級数的に増えてくんですよ。

大人が目を離しているとあっちでぎゃーぎゃーこっちでふらふら、騒音にはなるわ非常に危ないわで、10人いたら警戒しなくてはいけない度合が10乗になると考えていいです。

 

普段は静かに出来る子でも、男の子同士3人集まるといきなりギャング化するというのもよくある話で。しんざき長男も普段は大人しく電車にもバスにも乗ってられるんですが、友達と一緒でテンション上がると何が起きるか分かりません。

引率の大人としては、はぐれないように、周りの乗客にご迷惑をかけないように、ぶつからないように、線路に落ちないように、全身全霊で注意せざるを得ません。

 

とはいえ、長女と次女もまだ5歳です。ふらふらし始めたらこちらも超危ないわけで、しかも小学生軍団とは全く別方向に独立して動くことが予想され、小学生どもに使う神経とは別の部分で注意しなくてはなりません。

長女も次女もだいぶ大きくなりまして、その気になればちゃんと大人しく出来るんですが、気分がノっちゃうと暴走し始めることは変わりありません。なんとか大人しい気分にさせないといけません。

 

この時、しんざき奥様が誘導した方法に、個人的にいたく感心したんです。奥様、こんな風に言いました。

「(長女)ちゃん、(次女)ちゃん。今日はね、皆でサッカー行くから、お兄ちゃんたちがはぐれちゃうと大変だから、はぐれないようにちゃんと見ててあげてね?」

 長女次女、「はい、たいちょー!」と元気に言って右手を上げました。最近はやりのポーズです。

 

あーー、と思いまして。

 

つまり、「静かにしなきゃダメだよ」「はぐれないでね、ちゃんとついてきてね」と言い聞かせるのではなく、長女次女を運営側 = 大人側に引っ張り込んじゃったんですね。

自分たちは、お兄ちゃんとはぐれないようについていかないといけないだけの立場ではなく、お兄ちゃんたちがはぐれないように気を付けないといけない立場なんだ、見張り役なんだ、と。

 

勿論、「静かにしてね」「はぐれないように気を付けてね」と言えば、それはそれでちゃんとそう出来る、とは思うんです。TPOをわきまえて、TPOに則った行動をする、というのも必要な教育です。

 

ただ、子どもって「役割」「仕事」が大好きでして、役割を与えられると張り切るし、時には責任感をちゃんと持ってくれたりもするんですよね。

この時、長女次女を「引率役」側に引っ張り込むメリットって、ちょっと考えただけでも多分4つくらいあって。

 

 ・単純に、役割を引き受けた長女次女が大人しくなる

・「あのお兄ちゃんふらふらしてて危ないよ」といったアラートをあげてくれる

・自分は着いていくだけのおまけじゃなくて、大事な役割があるんだ、という形で自己評価が高まる

・年上の子どもを気を付けてみることによって、どんな行動をしていると危ないんだ、どんな行動をしていると危なくないんだ、といった学びを得られる

 

 いいことづくめだと思うんですよ。実際この時、長女次女はえらい張り切って、電車の中でも全く騒ぎませんでしたし、この後も小学生サッカーの観戦に最後まで付き合ってくれました。

 

 

「子どもに役割を持たせる」ということ自体は、どこでも見られるよくある方針なのかも知れません。

 

ただ、このような「静かにさせたい」という事情がかなり切実な場面、しかも小学生の集団を観なければいけないという状況で、単に「静かにしてね」「大人しくしてね」と言い聞かせる訳ではなく、「仕事を与えて運営側に引っ張り込む」という方針をとっさに選ぶことの出来るしんざき奥様は、身内褒めで恐縮なのですが、やっぱり上手いもんだなあ、といたく感心したわけなのです。

 

 こういうところについては何事も見習っていきたいなあと。夫婦間で情報共有をしつつ、子育てスキルを今後とも高めていきたいなーと考えている次第です。

 

全然関係ないんですが、最近、次女が寝る前に

「今日は××(パパとディズニーランドに行く、など)してる夢みるからね!おねがいね!」

とリクエストしてくるようになりまして、起きた後「昨日××の夢みれなかったんだけど!」と怒られるのでつらいです。女の子の扱いは難しい。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

  

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

 

(Photo:Eugenijus Radlinskas)