こんにちは。オリエンタルインフォーメイションサービスの竹仲です。
昨年、新卒のシステムエンジニアとして入社し、今年の4月で無事2年目を迎えることができました。
1年間、様々な人と、プロジェクトで働きました。
得るものは多かったのですが、中でも特に「成長」というテーマにおいては、考えるところも多くあり、勉強になったと感じています。
一方で、今まで学生だった方々は4月に入社し、「これからどのようにスキルアップするか」とか、「どうすれば成長するのか、」など、迷っている方も多いでしょう。
そこで今回は、「新人の成長」について自分の体験をもとに書いてみたいと思います。
新人時代は「他と圧倒的に差をつける」チャンス
まず社会人になって一番感じたのは「勉強したモン勝ち」という事実です。社会人は皆同じかとも思いますが、技術者は特にこの傾向が強いと思います。
なぜそう言えるのでしょう。
例えば、エンジニアの世界には「信頼度成長曲線」という概念があります。
信頼度成長曲線とは、横軸に日付、テスト時間、またはテストケース数、縦軸に累積バグ発見数をとったグラフ。S字の成長曲線を描くことが多い。(Wikipedia)
こんなやつです↓
プロジェクトの最初の方には、それほどバグを発見できないのですが、途中から急にバグの発見数が上がり、徐々にバグの数は収束する、という、この世界では有名なグラフです。
で、実際に仕事をしてみると、バグに限らず「仕事の成果」も、同じようなイメージかなと思ったのです。
横軸に時間、縦軸に「仕事の成果」と考えていただくと、一つの仕事を初めて間もないころはとても能率が悪く、思うように仕事が進みません。「手探り」の状態です。
でも、途中からコツを掴むと一気に能率が上がり、成果が出るようになります。これが「ノッている状態」。
そして、ある程度仕事をこなすと、今度は労力を投入してもあまり成果がそれ以上でなくなる、というわけです。いわゆる「こだわりすぎ」の状態です。
つまり「勉強したモン勝ち」と言うのは、こういうことです。
新人の時には、どんな仕事でも、最初の進み方は非常に悪いです。どの仕事もはじめての仕事ですから、非常に能率が悪いのです。
できるだけ早くコツを掴んで「ノッた」状態にしたいと思うでしょう。
ここで、2つの選択肢があります。
1.今はわからなくてもいいや、という態度をとる
2.早く結果を出したいので、自発的に知識を取りに行く
当然、2.を選択した人のほうは、早くコツを掴みますから、1.の人に比べて「圧倒的に早く結果が出る」ということになるでしょう。
新人のときに頑張ることは「他と比べて圧倒的に結果を出す」上で、非常に合理的なのです。
逆に、皆がある程度仕事に慣れた状態では、同じ仕事を繰り返していても、「圧倒的な成果を出す」ことは難しくなってきます。
この場合は積極的に別の仕事をやることで、技能を伸ばすことができます。
つまり新人時代は
「人より多く勉強して、早く結果を出す」
「他の人がキャッチアップしてきたら、別の仕事を積極的にやる」
ことで、かなりの成長と、他の人との差別化を図ることが可能で、イメージとしては以下のようになります。
どうやって勉強するか
ここで問題になるのは「勉強をどうやってするか」です。
そして「独学」は、その効率の悪さから、おすすめできません。「車輪の再発明」ではないですが、既に誰かが知っていることは、教えてもらったほうが遥かに早く知識を手にすることができます。
そこで重要なのが「先輩に教えてもらう技術」です。
新人は、「どうやったら先輩が気持ちよく自分に教えてくれるか」を真剣に考えなければなりません。先輩も忙しいですし、なにより人間ですから、「教えたくなる後輩」を優先するのは自然でしょう。
では、どうしたら先輩は気持ちよく教えてくれるでしょう。
ここは2つコツがあると感じます。
1.「何がわからないのか」をきちんと書き出す
先輩に一番イライラされてしまうのが、「何がわからないのかわからない」という状態で、漫然と「教えてください」と聞きに行くことです。
優しい先輩であれば、何がわからないのかを逆質問で明らかにしてくれますが、それはとても時間がかかります。
ですから、普通は
「で、結局何が聞きたいの?」
と言われてしまうでしょう。
そうではなく、「何がわかっていて、何がわからないのか」を出来得る限り明確にし、また先輩に正確に説明するためにも一度紙に自分の考えていることを落とし込むことは重要かなと思います。
2.先輩の性格を把握し、適切な人に聞きに行く
私の経験では、先輩に質問したときに、二タイプの教え方をする人がいます。
一つは、「原理原則」から話をするタイプ。ベテランの経験豊富な方に多いタイプです。
もう一つは、「まずは目の前の課題を解決する方法」から話をするタイプ。比較的若手のできる方に多いタイプです。
そして、新人のときは「原理原則」から話をするタイプよりも、「目の前の課題を解決する方法」タイプの方の方に聞くほうが、私は聞きやすいと思いました。
これは個人差もあるので、原理原則を先に聞きたい、という方もいるでしょう。
しかし、個人的には「原理原則」を先に語られても、余計にわからなくなることが多く、聞きに行ったら「根本がわかっていない」と怒られた、という経験があるためです。
もちろん、原理原則を知らなくて良い、というわけではありません。
目の前の課題を解決した後に、原理原則をもう一度聞くと理解が深まるケースはよくあります。
しかし、例えばプログラミングにしろ、資格取得のための試験勉強にしろ、まずはプロトタイプを作ったり、過去問をやったりして「習うより慣れろ」という方が勉強の効率は良いことが多い気がします。
したがって、「まず目の前の課題を解く方法を教えてくれる先輩」に聞きに行き、ある程度慣れたら「原理原則を教えてくれる人」に聞きに行くという順番を、気にすると良いと思います。
色々と書いてきましたが、新人時代は一生で一番、大きな成長を経験できるときかもしれません。
私も、今年の4月に入った新人の方と、共に頑張っていきたいと思います。
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