2320273321_6e389e3e8c_z「頭でっかち」とは、知識は持っているが、その使い方を知らない人物をさして使われる言葉だ。

そして「頭でっかち」はすぐに周りの人にバレる。その理由はいくつかある。

 

1.現実に合わせた調整ができていない

知識をつかうには、その場に合わせた調整が必要だ。

例えば「話をきく」という技術がある。その手の本を読むと

・最後まで聞く

・合いの手を入れる

などと書いてある。

だが、相手の話のどこが「最後」なのか?合いの手を入れるのは、具体的にどのようにすればよいか?など、知識を使いこなすためには、現場の状況に合わせた運用が必要だ。

聞いただけ、読んだだけ、習っただけの人は調整ができない。

 

 

2.知識の重要度がわかっていない

例えば、会計の知識を手に入れたいとする。簿記から勉強するのが普通なのだろうが、テキストは網羅性が高すぎて「どこが実務的に重要なのか」がわかりにくい。

「ここだけ抑えれば大丈夫」といったノウハウ本が売れるのはこのためだが、それも完璧ではない。なぜなら、自らの現実に照らしてどこが重要なのかを判断することができないからだ。

同じ知識でも人によって重要度は異なるのである。

 

 

3.例外対応ができない

現場では例外が発生し、それは「きれいな知識」では対処ができない。例えばクレームへの対処一つとっても、それは千差万別であり、「マニュアル的な対応」そのものが人を怒らせる。

「教えてもらったことがないので、対応できません」では、「頭でっかち」と言われても仕方ない。

 

 

 

上に挙げたような知識は明文化できない……とは言いすぎだが、正確には分岐が多すぎて膨大な量となる。だから、知識の肝心な部分は読んだり、聞いたり、習ったりするのではなく、体得しなければならない。

「初めて起きたこと」に対してどのように対処するのか、それは言葉ではなく状況によって学ばなければならない。

 

知識は、教えることのできるわずかな量の「きれいな知識」の下に、大量の「教えることのできない知識」が潜んでいる。

「マニュアルを読めばできる」

「習えばすぐできる」

と、職人的な修行や下積みを否定する方もいるが、何年もの修業が必要な理由は、そういった大量の「教えられない知識」の存在を伝えるためと考えるほうが合理的ではないだろうか。

 

【お知らせ(PR)】

東京都産業労働局 からのご案内です。

東京都の公的サービス「デジナビ」が都内の中小・零細企業や個人事業主に対してIT導入補助金、デジタルツール導入助成金のご提案をお手伝いします


【都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業】
都内中小企業に対し1社につき1人専任の「ナビゲーター」がデジタル化のアドバイスを行い、経営課題の解決に向けた最大5回のサポートを無料でおこなうものです。


業種別デジタル化成功事例を公開中
<医療業>  クラウドストレージを導入し、業務に必要な情報を共有化
<運輸業>  デジタルとアナログの両輪体制による健康経営への道
<卸売業>  クラウドサービスの活用で全国の情報交換が円滑に
<建設業(建築)>  システム導入で本来の仕事に専念
<建設業(設備)>  ICTの活用で残業のない働き方を実現
<建設業(土木)> 設計から施工まで一気通貫でICTを導入
<製造業> デジタルサイネージで従業員との熱意をつなぐ
<不動産業> 効果的なICTを実現し、顧客視点の全員参加経営へ
<福祉業> 医療連携と最新のICTで利用者の健康を守る
<飲食業> POSレジとキャッシュレスツールで作業負担を軽減


詳細は東京都産業労働局サイト都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業をご覧ください。
お申込みフォーム→ 都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業 参加申込ページ

(2024/1/22更新)

 

・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします))

・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Books_Apps

・大学・研究の楽しさを伝える、【大学探訪記】をはじめました。

【大学探訪記 Vol.23】恐竜「トリケラトプス」の本当の姿を追求する先生がいた。

【大学探訪記 Vol.22】コスプレの研究をする大学の先生がいた。

【大学探訪記 Vol.21】人間は、なぜ1種しか地球上に存在しないのか?という疑問に迫る。

・仕事の楽しさを伝える、【仕事のチカラ】をはじめました。

【仕事のチカラ Vol.7】月間170万PVのオウンドメディアを1年で作り上げた人はどんな人?

【仕事のチカラ Vol.6】27歳にして3社を渡り歩き、起業した人の話。

【仕事のチカラ Vol.5】データサイエンティストって、どんな人?どうやったらなれるの? という疑問に答えてもらいました。

・ブログが本になりました。

(Photo:Angus