どうにもやる気が出ない、そんなときもあるだろう。
そんなとき、「やる気」を高めるやり方として自己啓発書などには
・気分転換をする
・将来の自分を想像する
・ご褒美を出す
といった「気分」「マインド」を入れ替えて行うといった手法が紹介されている。
しかし気分やマインドを切り替えられないからこそ、やる気がでないのであり、この方法はあまり実用性がない。
が、一方で「やる気」は脳の研究分野の1つでもあり、科学的なアプローチも進められてきた。
脳科学者の池谷裕二氏は著書の中で、「やる気」について言及しており、*1「何かを始める」と、側坐核という脳の部位が活性化し、やる気が出るとしている。
これはつまり「気分」「マインド」が先ではなく、「行動することでやる気が出る」という、従来のイメージと逆の主張だ。
確かに個人的にこれは思い当たるフシが数多くあり、「やる気がでない」と言う言葉は、単純に「まだ始めていない」の単なる言い換えに過ぎないと感じる。
つまり、
「勉強のやる気が出ません」⇒まだ勉強を始めていません
「仕事のやる気が出ません」⇒まだ仕事を始めていません
ということだ。
本質的には「始めさえすれば」やる気は自然に湧いてくるのである。つまり、仕事、運動、習い事、何にしろ大変なのは、「最初の一歩」だ。
そうすると、問題は「始めるきっかけ」をどう作るか、という部分にこそ、存在する。
だが、人間はもともと意志ではなく惰性で動きやすい。
例えば
・勉強しようと思っていたが、近くのマンガを見出したら止まらなくなった。
・休日にテレビを見ていたら、そのまま夜になってしまった。
こんな経験をしたことのある方は多いのではないだろうか。
朝起きて、顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、朝食を取って、靴を履き、ドアを開けて鍵を閉める。いつも行っている何気ない動作ではあるが、「今朝はどうしたか」を克明に記憶している人は殆どいないだろう。
これらの一連の動作は、惰性で行われ、ほとんど自ら意識すること無く行動しているからだ。
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンは、「通常、人間の殆どの行動は、自動化されている」と述べる。
母国語を見れば無意識に「理解して」しまうし、下の2本の線を見れば、下の方を長く「感じて」しまう。これは人間の認識や行動がほとんど直感したがって行われれていることの証である。

(出典:ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫))
もちろん人間は時折「意志」を持って行動する。しかし、人にとって意志を働かせるのは、注意力と努力を必要とし、実はとても大変なことだ。
例えば、上の図の2本の棒が等しい長さだと「わかっている」だけではなく、「本当にそうかどうかを確かめる」には多大な努力を必要とする。
だから殆どの人はわざわざ上の2本の棒が等しいかどうかを検証したりはしない。実は本当に下の方を長く書いていたとしても、殆どの人は気づかない。
結果的に「何かを始めること」に意志の力を要求する場合、それは大きなストレスとなり、結果的に
「なかなか始められない」
「継続できない」
と言った事態を引き起こしてしまう。
しかし、これを逆手に取ることもできる。
つまり「何かを始めたい」「何かを継続したい」のであれば、それを如何に「意志の力を使わずに自動化するか」がカギなのである。
例えば「それをやるしかない状況」を創り出せば、意志の力を利用しないで物事を始めることが可能だろう。
物事を長く継続する能力は、決して一部の「努力する才能」を持った人のものではない。 要は工夫次第だ。
例えば以下のような「自動化のコツ」が考えられる。
1.行動の選択肢をできるだけ減らす
何かの作業をしたい場合、周りに何も置かない方が良いし、ネットに接続しない方が良い。
例えば、スマホが周りにある状況は最悪に近い。
子供に勉強の習慣をつけさせたい場合には、遊び道具ある子供部屋よりも、選択肢の少ないリビングが向いている。
個人的には昔、提案書等を作るときはデスクにいるとメールに返信したくなったり、本をあさりたくなってしまうので、ホワイトボードのある会議室にこもって、「それしかできない状況」をよく作っていた。
注意力、意志力は有限であり、選択肢が多いことはそれだけ始めるのが遅くなる。
2.手を動かせるようにしておく
仕事をPCで行うのが一般的になりつつあるが、手書きは「とりあえず取り掛かる」のに有利である。
特に創作活動などを行うときは、キーボードよりも手で何かを書くほうが「はじめてみる」がやりやすい。
あるブロガーは、わざわざ「ノートに書いて」から、PCで打ち直しをしていた。「手で書いたほうが、取っ掛かりが得やすい」と彼はいう。
3.必要になりそうな資料や道具を、予め周りに用意しておく
作業の途中で必要な資料を探しているうちに、本格的なデスクの掃除になってしまい、結局何もできなかった、という人は少なくないだろう。
作業の中断はやる気を他にそらしてしまうことも多い。
それを防ぐため思い当たる資料については予め準備をする事が大事だ。また、準備作業を「始める」ことでやる気が刺激されることも多い。
例えば昔の研究室の仲間は「実験で必要な器具を揃えること」をやる気を出す儀式としていた。そうすれば、スムーズに作業に没頭できるようになる。
また、読書をするためのちょっとした工夫として、電車にのるときはスマホをカバンの中にしまい、本をあらかじめ取り出しておくと必ず「読書」できる。
これも「自動化」の一種だ。
4.仮眠をとる
疲れで注意力、意志力が弱まっている時、10分程度の「仮眠」をとると劇的に意志力が改善される。「どうにもやる気が湧かない」というときには、試してみるとよい。
起きた瞬間、驚くほど自然に作業を始めることができる。
昔は、仕事中に昼寝をすると解雇されるか、少なくとも厳重な懲戒処分を受けたことでしょう。しかし、現代の職場ではそうとも限りません。
米国では昼寝をほんの26分するだけで、業績が34%も上がり、集中力は54%も高まるという研究結果を受けて、雇用者の多くが従業員に十分休息をとってもらいたいと思うようになり、職場に昼寝指定スペースを設けました。(財経新聞)
5.タスクリストを作ってスケジューリングする
「次に何をすべきかわからない」という状態に置かれると取り掛かりづらい。
だから、予め作業しなければならないことの一覧を作っておくことで「自分を自動化する」事ができる。前日や朝に今日一日の行動計画をたて、スケジューリングをすると良い、と言われるのはこのためだ。
また「毎日◯時からやる」といった、時間を決めたルーチンを作ることも有効で、長いこと一つの習慣を続けている人はほとんど何かしらのルーチンを持っている。
繰り返しになるが、やる気の秘訣は意志力にあるのではなく、「自動化」にある。
継続できる人は特別に意思が強い人なのではなく、うまく自動化を使いこなせている人なのだ。
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、
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現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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【著者プロフィール】
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